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《ドイツ》放射性廃棄物管理に関する「廃棄物管理委員会」(ESK)が発足

ドイツの連邦環境・自然保護・原子炉安全省(BMU)は、2008年6月30日付のプレスリリースにおいて、放射性廃棄物管理に関してBMUに助言を与える独立した委員会として「廃棄物管理委員会」(ESK)が設立され、その設立会議が2008年6月30日に開催されたことを公表した。ドイツでは、原子力安全や放射線防護に関する諮問委員会として、すでに原子炉安全委員会(RSK)と放射線防護委員会(SSK)が設立されているが、ESKは新たな委員会として設立された。

同プレスリリースによれば、これまでは原子炉安全委員会(RSK)の小委員会が廃棄物管理の安全及び技術面の課題を担当していたが、廃棄物管理の重要性が高まっていることから、独立した委員会に廃棄物管理に係る事項を諮問することを連邦環境・自然保護・原子炉安全省(BMU)のガブリエル大臣が決定したものである。廃棄物管理委員会(ESK)は主に、放射性廃棄物と使用済燃料の処理及び中間貯蔵、原子力施設の廃止措置、全ての種類の放射性廃棄物の処分などを担当するとされており、BMUが諮問する喫緊の課題としては、アッセの立坑施設の廃止措置に関する安全技術的事項が挙げられている。

また、同プレスリリースによれば、廃棄物管理委員会(ESK)には11名の科学者が委員として召集されている。ESKの作業に国際的な経験と作業方法が活用されるため、委員として、フランスの規制機関である原子力安全機関(ASN)が諮問を行う「廃棄物管理常設グループ」(GPD)と、スイスの規制機関である原子力施設安全本部(HSK)の代表者も加えられている。

2008年6月12日に発効した廃棄物管理委員会(ESK)の規約によれば、ESKには放射性廃棄物処分小委員会(EL)、廃棄物処理・中間貯蔵小委員会(AZ)、廃止措置小委員会(ST)が設置される。また個々の専門分野及び複数の専門分野にまたがる課題等については、連邦環境・自然保護・原子炉安全省(BMU)との合意または要請に基づいて作業グループが設置されることとなっている。

廃棄物管理委員会(ESK)の規約では、連邦環境・自然保護・原子炉安全省(BMU)からの諮問に加えて、ESKが独自に委託のテーマを定めることができるとしている。また諮問手続については、ESKが作業結果としてBMUのために科学的及び技術的な勧告または見解表明を作成するとしている。この勧告や見解表明は、州当局に伝達されるとともに、原則としてESKのウェブサイトに掲載される。なお、ESKの事務局は、連邦放射線防護庁(BfS)内に専門領域における指示からは独立した立場で組織されるが、当該事務局が組織されるまでは原子炉安全委員会(RSK)の事務局が代行するとされている。

【出典】

  • 連邦環境・自然保護・原子炉安全省(BMU)2008年6月30日付プレスリリース、
    http://www.bmu.de/pressemitteilungen/aktuelle_pressemitteilungen/pm/print/41912.php
  • 廃棄物管理委員会(ESK)規約(2008年6月12日)、
    http://www.entsorgungskommission.de/537870988c07d4e04/537870989309db81e/index.htm

(post by j-nakamura , last modified: 2023-10-10 )