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《スウェーデン》SKIとSSIが合併し「放射線安全機関」(SSM)が発足

スウェーデンで2008年7月1日に、放射線防護と原子力安全の2つの分野の安全規制を担当する「放射線安全機関」(SSM)が発足した。SSMのウェブサイトによると、SSMは、環境省の下にあった2つの機関―放射線防護を担当する「放射線防護機関」(SSI)と原子力安全を担当する「原子力発電検査機関」(SKI)―が合併して環境省の下に設置された機関であり、放射線から公衆及び環境を保護することを任務としている。SSMの長官は政府により任命されることになっており、SSMの人員配置や予算は政府及び議会によって決定されるが、組織の個別人事に関してはSSMが独立して意思決定を行うものとされている。またSSMの職員は、技術者、エンジニア、物理学者、生物学者、社会科学者、情報担当官、化学者、法律家などの専門家を含む250名で構成されている。

放射線安全機関(SSM)には、原子力発電プラント安全、放射性物質、放射線防護、国際問題を担当する部門があり、放射性物質部門の下には、放射性廃棄物処分の担当部署が設置されている。

放射線安全機関(SSM)のウェブサイトによると、SSMの年間予算は1億6,150万スウェーデン・クローネ(約29億円)である(1スウェーデン・クローネ=18円として換算)。このうち、研究予算は約4,000万スウェーデン・クローネ(約7億2,000万円)であり、研究対象領域としては「原子力発電プラントにおける安全」、「廃棄物、輸送、核物質防護」、「放射線防護」、「核不拡散」の4分野が挙げられている。

なお、現時点では、放射線安全機関(SSM)の事務所は、SKIの事務所が置かれていたストックホルムとSSIの事務所が置かれていたソルナに分かれているが、2008年9月にソルナに集約する予定である。

【出典】

  • 放射線安全機関(SSM)ウェブサイト情報、http://www.stralsakerhetsmyndigheten.se/Allmanhet/
  • 放射線安全機関の設立に向けた組織委員会報告書(2008年6月30日),(Slutrapport från Organisationskommittén för strålsäkerhet M2007:05) http://www.sou.gov.se/stralsakerhet/pdf/Slutrapport%20080602,%20slutlig.pdf

(post by sahara.satoshi , last modified: 2023-10-10 )