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《フィンランド》ポシヴァ社が使用済燃料処分容量の拡大の原則決定申請 -オルキルオト原子力発電所4号機の導入計画への対応

フィンランドにおける高レベル放射性廃棄物(使用済燃料)処分の実施主体であるポシヴァ社は、2008年4月25日付のプレスリリースにおいて、テオリスーデン・ヴォイマ社(TVO)が導入を計画しているオルキルオト原子力発電所4号機から発生する使用済燃料の最終処分に関する原則決定(詳細は こちら)申請を雇用経済省(TEM)に行ったことを公表した。オルキルオト原子力発電所4号機については、TVOが同日、建設に向けた原則決定を雇用経済省に申請しており、ポシヴァ社の申請もその手続の一環と位置付けられている。

ポシヴァ社のプレスリリースによれば、フィンランド国内で操業中(4基)及び建設中(1基)の原子炉から発生する使用済燃料に加えて、オルキルオト原子力発電所4号機から発生する使用済燃料を処分するために、最終処分場の処分容量は最大9,000トン(ウラン換算)に引き上げられるとしている。

また、雇用経済省(TEM)のプレスリリースによれば、テオリスーデン・ヴォイマ社(TVO)とポシヴァ社の原則決定申請に対する予備的審査は遅滞なく行われ、雇用経済省は今後数週間以内に放射線・原子力安全センター(STUK)に予備的安全評価の開始を依頼するとしている。ただし、TVOとポシヴァ社の原則決定申請については、現在新規原子炉建設に向けた環境影響評価(EIA)手続を行っているフォルツム・パワー・アンド・ヒート社(FPHO)とフェノヴォイマ社が近い将来に原則決定申請を行う見通しであるため、雇用経済省は、それらの原則決定申請を一体のものとして考慮する可能性があると述べられている。

なお、ポシヴァ社は、2004年6月からオルキルオトにおいて、地下特性調査施設の建設を進めており、使用済燃料の処分場の建設許可申請を2012年に行う予定である。処分対象となる使用済燃料の量は、2000年12月の政府の原則決定では、当時操業中の4基の原子炉から発生する使用済燃料4,000トン(ウラン換算)までの処分計画が認められたが、その後2002年5月にフィンランド5基目の原子炉建設計画に関する政府の原則決定と同時に行われた処分場規模に関する原則決定により、6,500トン(ウラン換算)までの処分が認められている

【出典】

  • ポシヴァ社、2008年4月25日付プレスリリース
  • テオリスーデン・ヴォイマ社(TVO)、2008年4月25日付プレスリリース、http://www.tvo.fi/www/page/2855/
  • 雇用経済省(TEM)、2008年4月25日付プレスリリース、http://www.tem.fi/?89521_m=91497&l=en&s=2471


【2008年10月9日追記】

ポシヴァ社は2008年10月7日、同社の原則決定申請に関する概要説明書を同社のウェブサイト上で公開した。この概要説明書は、申請内容に関する公聴会の開催に先立ち、処分場が設置されるエウラヨキ自治体を含む周辺自治体の各世帯に配布されるものである。配布前に雇用経済省による内容確認を受ける必要があり、この概要説明書には同省の2008年9月2日付の確認書が含まれている。

また、この概要説明書においてポシヴァ社は、申請内容の詳細が2008年9月19日から11月19日まで閲覧可能であること、ならびに公聴会が2008年10月22日にエウラヨキ自治体で開催されることを案内している。

  • ポシヴァ社ウェブサイト http://www.posiva.fi/publications/Posiva_YLPS_en.pdf

【2008年12月24日追記】

ポシヴァ社は2008年12月22日付プレスリリースで、同社が2008年4月25日に原則決定申請を行った使用済燃料処分容量の拡大について、処分場建設予定地のエウラヨキ自治体が支持する決定を行ったことを公表した。

同プレスリリースによると、2008年12月15日、エウラヨキ自治体議会は、オルキルオト原子力発電所4号機が導入された場合に発生する使用済燃料をオルキルオトに建設される処分場で受け入れるために必要となる処分容量の拡大を支持する決定を全会一致で行ったとされている。

  • ポシヴァ社、2008年12月22日付プレスリリース、 http://www.posiva.fi/englanti/tietopankki_ajankohtaista.html?dataf=20081222095313.txt&dpic=standard.gif&title=Municipality+of+Eurajoki+issues+unanimous+statement+on+Posiva%27s+application+for+a+Decision+in+Principle&arctype=&arcfile=&arctitle=&newstype=uutinen&lang=eng&date=20081222000000

(post by 原環センター , last modified: 2023-10-10 )