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《スウェーデン》SKB社がRD&Dプログラム2013を公表:使用済燃料の処分開始を2029年に設定

スウェーデンの使用済燃料処分の実施主体であるスウェーデン核燃料・廃棄物管理会社(SKB社)は2013年9月30日付けプレスリリースにおいて、「放射性廃棄物の管理及び処分方法に関する研究開発実証プログラム2013」(RD&Dプログラム2013) 1 を取りまとめ、放射線安全機関(SSM)に提出したことを公表した。

RD&Dプログラムとは、使用済燃料を含む放射性廃棄物の安全な管理・処分、及び原子力施設の廃止措置に関する包括的な研究開発などの計画であり、原子力活動法に基づいて原子力発電事業者が3年毎に策定するよう義務づけられているものである。原子力発電事業者4社の委託によりSKB社が取りまとめを行っている。

使用済燃料処分に向けたスケジュール

SKB社は、今回のRD&Dプログラム2013において使用済燃料の処分事業スケジュールを見直しており、使用済燃料の処分場の建設開始を2019年、操業開始を2029年とする計画を提示した。前回のRD&Dプログラム2010で提示したスケジュールに比べて処分場の操業開始を3年半遅らせている 2 。SKB社は2011年3月に、フォルスマルクでの使用済燃料の処分場の立地・建設許可申請書を放射線安全機関(SSM)及び環境裁判所に提出しており、現在、安全審査が行われている。安全審査プロセスがSKB社の当初の想定よりも長引いていることを踏まえ、規制機関や自治体等の関係機関が申請書のレビューや意見提出に費やす時間を十分確保できるように設定したとしている。

使用済燃料の最終処分に向けた実施計画(SKB社 FUD-Program 2013より作成)

使用済燃料の最終処分に向けた実施計画(SKB社 FUD-Program 2013より作成)

使用済燃料の操業開始を2029年に遅らせたことにより、SKB社は使用済燃料の中間貯蔵施設の容量確保に向けた具体策を検討している。スウェーデンでは、使用済燃料は1985年から操業しているCLABと呼ばれる施設で集中中間貯蔵(プールで冷却)している。現在許可を受けている貯蔵容量は8,000トンであるが、2023年頃に貯蔵量が許可容量に達する見通しである。SKB社は、CLABで水中保管している使用済制御棒や炉内構造物を他の保管施設に移したり、使用済燃料集合体を稠密に配置することにより、既設の2つのプールで約11,000トンまで対応できる可能性があるとしている。SKB社は今後検討を進め、2018年頃にCLABの貯蔵容量の拡大に係る許可申請を行う考えである。また、SKB社は、2011年3月に使用済燃料を銅製キャニスタに封入する施設をCLABに隣接して建設し、新たにCLINKと呼ぶ一体の施設として操業する許可申請も行っている。RD&Dプログラム2013では、CLINKの建設開始を2021年と設定しており、この建設作業に合わせてCLABの燃料搬送設備などの大規模更新を行う考えを示している。

低中レベル放射性廃棄物の処分計画

スウェーデンにおける使用済燃料及び放射性廃棄物の処分システム (SKB社 FUD-Program 2013より作成)※グレー部分は将来施設である

スウェーデンにおける使用済燃料及び放射性廃棄物の処分システム
(SKB社 FUD-Program 2013より作成)
※グレー部分は将来施設である

SKB社は、使用済燃料以外の低中レベル放射性廃棄物を、短寿命と長寿命の二つに分けて、それぞれの放射性廃棄物処分場を設置する計画である。

このうち、短寿命廃棄物については、SKB社が1988年からフォルスマルクにおいて、短寿命低中レベル放射性廃棄物の処分場(SFR)を操業している。SFRで処分する許可を受けている放射性廃棄物は、原子力発電所の運転廃棄物に限定されているが、今後の発生が見込まれる廃止措置廃棄物も処分できるように拡張する。RD&Dプログラム2013においては、2014年春にSFRの拡張に係る原子力活動法及び環境法典に基づく許可申請を行うとしている。SKB社の計画では、SFRの拡張工事の開始を2018年、拡張部分の操業開始を2023年頃としている。

長寿命低中レベル放射性廃棄物の処分場(SFL)については、SKB社は処分場システムの概念検討を進めている段階であり、2013年末までに検討成果を取りまとめる予定としている。その成果をもとに今後3年間で処分概念に対する安全性の評価を行うとしている。SKB社は、SFLの操業開始を2045年頃と計画しており、それまでの間に発生する長寿命廃棄物をSFRなどの他の既存施設で保管することも検討している。

【出典】

  • スウェーデン核燃料・廃棄物管理会社(SKB社)2013年9月30日付プレスリリース〔スウェーデン語〕
    http://www.skb.se/Templates/Standard____37053.aspx
    http://www.skb.se/Templates/Standard____37071.aspx
  • 研究開発実証プログラム2013(SKB社、2013年9月)〔スウェーデン語: Fud-program 2013. Program för forskning, utveckling och demonstration av metoder för hantering och slutförvaring av kärnavfall〕
    http://www.skb.se/upload/publications/pdf/Fud_2013.pdf

 


  1. 研究開発実証プログラムはスウェーデン語で”FUD-Program”、英語では “RD&D programme”と標記される。SKB社は英訳版を技術レポートシリーズの報告書として公表する予定。[]
  2. RD&Dプログラム2010では建設開始を2015年、操業開始を2025年と設定していた。[]

(post by sahara.satoshi , last modified: 2023-10-11 )