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海外情報ニュースフラッシュ

このWebサイトでは、諸外国における高レベル放射性廃棄物の最終処分や地層処分の計画の動きに注目し、 "海外情報ニュースフラッシュ"として 最新の正確な情報を迅速に提供しています。 ニュースフラッシュを発行した後も、記事トピックをフォローしています。必要に応じて、情報の"追記"を行っています。


台湾における原子力規制行政機関である行政院原子能委員会(AEC)は2017年2月15日に、原子力発電事業者であり、放射性廃棄物管理に責任のある台湾電力公司が提出していた「低レベル放射性廃棄物処分計画の代替策及び暫定対策の具体的実施案」(以下「実施案」という。)及び「蘭嶼貯蔵施設の移設に関する計画の報告」を審査し、その結果を公表した。この中で、処分計画が進捗を見ない中、台湾電力公司による低レベル放射性廃棄物及び使用済燃料の集中中間貯蔵計画を尊重するものの、蘭嶼島からの早期の搬出を実現するよう、低レベル放射性廃棄物の集中中間貯蔵施設の立地を優先的に進めるべきことが勧告された。

台湾には現在、操業中の低レベル放射性廃棄物処分場はなく、一部の低レベル放射性廃棄物は、蘭嶼島の貯蔵施設において貯蔵されている。低レベル放射性廃棄物処分に向けて、2006年5月に「低レベル放射性廃棄物最終処分場設置条例」が施行された。同条例に基づいて、行政院経済部の下に設置されたサイト選定委員会によってサイト選定が進められ、2012年7月には2カ所の低レベル放射性廃棄物処分場の推薦候補サイトが公告されたものの、同条例の規定によってサイトの決定のために必要となる住民投票は未だ実施されていない。こうした状況を踏まえて原子能委員会は台湾電力公司に対して、低レベル放射性廃棄物最終処分計画の代替策を検討し、2016年末までに原子能委員会に提出するよう求めていた。

「実施案」に対する原子能委員会の審査報告によると、台湾電力公司は低レベル放射性廃棄物の最終処分に先立ち、暫定対策として集中中間貯蔵施設の建設を提案した。原子能委員会は、これを了承するものの、集中中間貯蔵施設建設計画の開始から施設の操業開始までの期間を8年間、サイト選定及び用地取得は計画の開始後3年以内の期間で完了するべきとし、3年間でサイト選定と用地取得が完了しなかった場合、放射性物料管理法に基づいて3,000万新台湾ドル(1新台湾ドル=約3.5円で換算して約1億1千万円)の罰金を課すとしている。

また、審査報告によると、台湾電力公司は、集中中間貯蔵施設において、低レベル放射性廃棄物に加えて使用済燃料も貯蔵する計画を提示していた。原子能委員会は、この計画も了承するものの、使用済燃料の貯蔵の開始を前倒しするため、低レベル放射性廃棄物の貯蔵が遅延するのは避けるべきであるとしている。そのために、集中中間貯蔵は段階的に進める必要があり、低レベル放射性廃棄物の貯蔵を優先的に進め、蘭嶼島に貯蔵されている廃棄物の搬出を前進させるべきであるとしている。

さらに、原子能委員会は、集中中間貯蔵施設のサイト選定は、2016年6月に原子能委員会が制定した「放射性廃棄物集中中間貯蔵施設サイト選定基準」に即して客観的・科学的に行うべきであるとしている。また、集中中間貯蔵は暫定的な対策に過ぎず、台湾電力公司は低レベル放射性廃棄物の最終処分に向けた取組を進めるべきとしている。

【出典】

米国のエネルギー省(DOE)環境管理局(EM)は、2017年1月17日のニュースリリースにおいて、軍事起源のTRU廃棄物の地層処分場である廃棄物隔離パイロットプラント(WIPP)の操業再開の式典が、エネルギー長官、ニューメキシコ州知事等が列席して2017年1月9日に開催されたことを公表した。WIPPは、2014年2月に発生した火災事故及び放射線事象により操業が停止されていたが、2016年12月23日に操業再開が決定され、操業再開後の初めてのTRU廃棄物の定置が2017年1月4日に行われていた

エネルギー省(DOE)環境管理局(EM)の2017年1月17日のニュースリリースでは、WIPPの操業再開について、WIPPを監督するDOEカールスバッド事務所(CBFO)から、以下のような情報が示されている。

  • 操業再開に際しては、DOEの事故調査委員会(AIB)の指摘、ニューメキシコ州環境省(NMED)や国防核施設安全委員会(DNFSB)、環境保護庁(EPA)、労働省鉱山安全保健管理局等の詳細な監督を受けて、多くの改善が行われた。
  • 火災事故の影響による電力供給の回復、安全管理プログラムの改善、施設・装備等の強化、岩盤管理(ground control)、除染など、復旧活動は複雑であり、35カ月という長期を要した。
  • 作業環境が放射能で汚染された環境へ変化するとともに、天井や壁のロックボルト打設などの岩盤管理作業が特に困難な課題となった。
  • 放射能汚染区域は処分施設南側区域の早期閉鎖で約6割が減少したほか、岩塩による放射性核種の吸収等で表面汚染は減少を続けているが、第7パネルが閉鎖されるまで放射能汚染区域は残る見込みである。
  • 廃棄物受入れは徐々に頻度を上げて、2017年後半には週5回程度の受入れを見込んでいるが、以前と同じペースでの廃棄物受入れには、2021年以降に完成予定の新たな排気立坑等による換気能力の強化が必要である。
  • TRU廃棄物の各DOEサイトからの輸送は、2017年春頃の再開を見込んでおり、詳細な予定を策定中である。
  • 放射能汚染された地下施設での復旧作業では、防護服等の着用により、最大75%も作業効率が低下したが、作業員の努力により復旧を達成できた。

【出典】

米国のエネルギー省(DOE)は、2017年1月12日に、「使用済燃料及び高レベル放射性廃棄物の集中貯蔵・処分施設のための同意に基づくサイト選定プロセス案」(以下「サイト選定プロセス案」という)を公表するとともに、2017年4月14日までコメントの募集を行うことを2017年1月13日付の連邦官報の告示文書に記載した。DOEは、2016年12月に、同意に基づくサイト選定イニシアティブを開始しており、本サイト選定プロセス案は、全米8カ所でのパブリックミーティングや意見募集で収集した意見、及び「米国の原子力の将来に関するブルーリボン委員会」の最終報告書・勧告などを反映し、同意に基づくサイト選定プロセスの実施のための具体的なステップや設計原則について、DOEの考え方を示したものとされている。本サイト選定プロセス案については、2016年9月15日に開催された意見集約ミーティングにおいて、2016年内に発行する予定が示されていた。

今回公表されたサイト選定プロセス案では、安全性などに加えて、公正・公平、十分な情報を得ながらの参加、立地地域への便益、任意参加/撤退の権利、透明性、段階的・協調的意思決定など、サイト選定プロセスを設計する際の原則を示した上で、具体的なサイト選定の段階が、下表のように示されている。なお、以下で示される「コミュニティ」は、直接の立地コミュニティのみならず、サイト選定プロセスで重要な役割を担う州や地方政府、地域選出の連邦議会議員や先住民族政府等も含むものとされている。

フェーズI 同意に基づくサイト選定プロセスを開始し、より多くを学ぶためのコミュニティへの参加要請
ステップ1 実施主体が法律上の権限と予算を取得
ステップ2 実施主体が同意に基づくサイト選定プロセスを開始
ステップ3 コミュニティがより多くを学ぶための資金供与プログラムを実施主体が開始
ステップ4 学びたいコミュニティが資金供与プログラムに関心を表明
ステップ5 実施主体が申請書を評価して資金供与コミュニティを決定
ステップ6 コミュニティが予備的サイト評価を要求
フェーズII サイト評価
ステップ7 実施主体が予備的サイト評価を実施(わが国の「概要調査」に相当)
ステップ8 コミュニティが詳細サイト評価を要求
フェーズIII 詳細評価
ステップ9 実施主体が詳細サイト評価を実施(わが国の「詳細調査」に相当)
ステップ10 適合サイトのあるコミュニティが受入意向の可能性を決定
フェーズIV 合意
ステップ11 コミュニティがさらに進むための条件を提示
ステップ12 コミュニティと実施主体が協定について交渉・承認
ステップ13 コミュニティと実施主体が協定を締結(ここまで、コミュニティは撤退の権利を有する)
フェーズV 許認可、建設、操業、閉鎖
ステップ14 施設の許認可
ステップ15 施設の建設・操業
ステップ16 施設の閉鎖・廃止措置
ステップ17 閉鎖後もサイトを監視し、コミュニケーションを維持

今回公表されたサイト選定プロセス案の報告書では、サイト選定プロセスにおける考慮事項についても案が示されている。サイト選定プロセスの初期段階においては、大枠の除外要件が示されるとした上で、詳細なサイト評価段階においては、以下を含むサイト選定要件項目について、評価に必要な情報が取得されるとしている。

  • サイト周辺の人口
  • 土地の広さ
  • 地震動及び大規模断層
  • 鉱山活動など人工的な地震の誘発
  • 地表面の断層
  • 流動化など地盤動に繋がり得る土壌・母岩条件
  • 地耐力
  • 洪水の影響
  • 施設設計や操業安全に影響する自然現象
  • サイト及び設計に影響し得る地域産業
  • 輸送インフラへの近接

また、地層処分場の詳細なサイト評価段階については、さらに、水文地質学、地球化学、母岩特性、侵食、溶解、地質構造、人間侵入の可能性などのサイト選定要件項目が必要になるとしている。

【出典】

米国のエネルギー省(DOE)カールスバッド・フィールド事務所(CBFO)は、2016年12月23日の更新情報において、廃棄物隔離パイロットプラント(WIPP)におけるTRU廃棄物の処分について、操業再開をDOEが承認したことを公表した。WIPPでは、火災事故及び放射線事象が2014年2月に発生して以来、現在まで操業が停止されている。操業再開後の初めての廃棄物の定置は、坑道の岩盤管理(ground control)などの準備作業が終了した後、2017年1月初めに実施の見込みとされている。

現在、WIPPの廃棄物取扱建屋に保管されているTRU廃棄物を地下に移送するために必要とされる活動は、すべての審査を受けて検証が完了しており、廃棄物定置の公式の再開日は、坑道床面の平準化などの第7処分パネルで必要とされる軽微な準備作業の完了後に決定するとしている。

今回のDOEの決定は、DOEの操業準備審査(DORR)で指摘された操業開始前段階での是正活動について、すべて完了・検証されたことを確認するものとなる。2016年12月23日のWIPP更新情報では、独立の審査や監督規制組織による報告書として以下が示されている。

  • DOEの操業準備審査(DORR)(http://www.wipp.energy.gov/Special/WIPP_DORR_Final_Report.pdf)
    DOEの操業準備審査チームによる評価であり、緊急時対応、廃棄物受入れ、火災防護などの機能的領域、及びDOEカールスバッド・フィールド事務所(CBFO)の監督能力などが評価された。操業準備審査での指摘事項への対応として、操業開始前に対応が必要とされた21項目の完了が確認され、操業開始後に廃棄物定置活動と並行して対応が可能とされた15項目の是正活動計画が承認された。
  • 契約者操業準備審査(CORR)(http://www.wipp.energy.gov/Special/WIPP_CORR_Final_Report.pdf)
    契約者操業準備審査では、「直接ハンドリングが可能なTRU廃棄物」(CH廃棄物)の定置作業に係るすべての側面を対象として、管理・操業契約者の準備状況に対する独立的な評価がDOEに提供された。初動対応を含む緊急時対応や訓練、調達管理など7項目が操業開始前に必要とされたほか、放射線管理など5項目の操業開始後の対応事項が指摘された。
  • 国家環境政策法(NEPA)補足分析(http://www.wipp.energy.gov/Special/Supplemental_Analysis.pdf)
    DOEは、2016年12月21日に最終版とした補足環境影響評価書(SEIS)に対する補足分析において、WIPPへの廃棄物の輸送とWIPPにおける処分の再開・継続は、WIPP操業開始時の補足環境影響評価書(SEIS)や2009年の補足分析に対して重大な変更を行うものではなく、新たに重大な環境上の懸念等もないとして、さらなる国家環境政策法(NEPA)文書の策定は不要と決定した。
  • 鉱山安全保健管理局―技術支援評価(http://www.wipp.energy.gov/Special/MSHA_Technical_Support_Evaluation.pdf)
    労働省鉱山安全保健管理局がDOEカールスバッド・フィールド事務所(CBFO)らの依頼を受けて行った評価であり、地下における換気の制約や防護服着用による生産性低下等の課題が認識されたが、違反等の指摘はなかった。
  • WIPPサイト事象の独立レビューチーム(WSIR)―ニューメキシコ鉱山技術大学(http://www.nmt.edu/images/stories/WSIIRFINALReport2016.pdf)
    DOEの要請によりニューメキシコ鉱山技術大学の科学者らが独立の評価を行ったものであり、DOEの事故調査委員会(AIB)や技術評価チーム、ロスアラモス国立研究所等のレポートが評価された。

また、WIPPでの有害廃棄物処分に係る規制機関であるニューメキシコ州環境省(NMED)は、2016年12月16日に、WIPPの有害廃棄物の許可条件及び是正活動について検査を行った結果として、WIPPにおける通常の操業状態への復帰を承認することを通知している。

なお、WIPPの操業再開時期については、2014年9月公表の復旧計画では2016年第1四半期とされていたが、その後、2016年末へと変更されていた。

【出典】

 

【2017年1月6日追記(エネルギー省(DOE)プレスリリース(2017年1月9日)の追加)】

米国のニューメキシコ州環境省(NMED)は、2017年1月4日に廃棄物隔離パイロットプラント(WIPP)が操業を再開したこと、操業が停止されてから初めてのTRU廃棄物の定置が行われたことなどを公表した。WIPPは、ニューメキシコ州カールスバッド近郊でエネルギー省(DOE)カールスバッド事務所(CBFO)が1999年3月26日から操業を行ってきた軍事起源のTRU廃棄物の地層処分場であるが、2014年2月に発生した火災事故及び放射線事象により操業が停止されてきた。WIPPでの操業再開については、2016年12月23日に、DOEが管理・操業契約者(M&O)による操業再開を承認していた。

ニューメキシコ州環境省(NMED)は、2014年2月の火災事故及び放射線事象の発生以来、包括的な調査を実施し、DOEの責任を明確にするとともに、指定した是正活動の実施を監督してきたことが、今回の操業再開に繋がったとしている。

【出典】

スイスの処分実施主体である放射性廃棄物管理共同組合(Nationale Genossenschaft für die Lagerung radioaktiver Abfälle, NAGRA)は、2016年12月20日に、『放射性廃棄物管理プログラム2016』及び本プログラムに沿って実施される研究開発計画書を連邦エネルギー庁(Bundesamt für Energie, BFE)に提出したことを公表した。放射性廃棄物管理プログラムは、スイスの4カ所の原子力発電所にある5基の原子炉の運転、廃止措置、並びにそれらから発生する放射性廃棄物の貯蔵、処分の計画を示したものであり、2005年施行の原子力法及び原子力令に基づいて、5年毎に更新することになっている。放射性廃棄物管理ブログラム2016によると、医療・産業・研究等から発生してNAGRAが処分することになっている放射性廃棄物を含め、最終的に地層処分する放射性廃棄物の総量は、最大で約9万2千m3となると推定している。

 

表:放射性廃棄物管理プログラム2016における放射性廃棄物発生量の推定

 

放射性廃棄物の分類と廃棄物量(廃棄体の体積m

放射性廃棄物の発生

高レベル放射性廃棄物(HAA)

アルファ廃棄物
(ATA)

低中レベル放射性廃棄物
(SMA)

合計

使用済燃料(BE)

8,995

8,995

英国、フランスに委託した再処理に伴って返還される廃棄物(WA)

398

414

812

炉内構造物等(BA)

31,271

31,271

原子炉の運転廃棄物(RA)

1,811

1,811

原子炉の廃止措置廃棄物(SA)

24

27,366

27,390

医療、産業及び研究分野の廃棄物(MIF)

8

634

19,010

19,652

使用済燃料及びガラス固化体の廃棄体製造施設から発生する廃棄物(BEVA)

2,302

2,302

合計

9,402

1,072

81,760

92,234

*:わが国のTRU廃棄物に相当

 

○処分場サイト選定のスケジュール

スイスでは、NAGRAが特別計画「地層処分場」(以下「特別計画」という)に基づき、3段階からなるサイト選定プロセスを実施しており、現在、サイト選定第2段階にある。放射性廃棄物管理プログラム2016においてNAGRAは、公衆参加や各段階での審査手続、許認可手続の所要時間に不確定要素が多いことなどから、処分サイトの決定と概要承認手続きの終了を2031年としている。また、低中レベル放射性廃棄物用地層処分場の操業開始を2050年、高レベル放射性廃棄物用地層処分場の操業開始を2060年としている。

スイスにおける地層処分場サイト選定スケジュール

〇処分費用見積り

NAGRAは放射性廃棄物管理プログラム2016において、原子力発電事業者の団体であるスイスニュークリアが2016年12月に提出した原子力発電所の廃止措置及び放射性廃棄物の処分に関する費用見積りに基づいて、処分及び廃止措置の費用を示している。低中レベル放射性廃棄物処分、高レベル放射性廃棄物処分、廃止措置の費用見積りはそれぞれ以下の表のとおりである。

表:放射性廃棄物管理プログラムにおいて示された費用の見積り

項目

費用(1スイスフラン=105円で換算)

低中レベル放射性廃棄物処分

44億2,400万スイスフラン(約4,645億円)

高レベル放射性廃棄物処分

76億9,400万スイスフラン(約8,079億円)

原子力発電所の廃止措置*

34億600万スイスフラン(約3,576億円)

*:原子力発電所の廃止措置は電力会社が実施する。

〇研究開発計画書

NAGRAは『放射性廃棄物管理プログラム2016』と合わせて取りまとめた研究開発計画書において、今後5~10年に実施する研究を以下の図のような6つのテーマに分けて示している。これらのテーマの間では相互にデータや情報を交換しながら取り組みが進められる。NAGRAは研究開発の基本戦略について、今後、サイト選定第3段階で地質学的候補エリアが確定した際に見直しが必要になるとの認識を示している。

放射性廃棄物処分についてNAGRAが実施する基礎研究テーマ

【出典】

ドイツの連邦環境・自然保護・建設・原子炉安全省(BMUB)は、2016年12月21日に、2013年7月に制定された「発熱性放射性廃棄物の最終処分場のサイト選定に関する法律」(以下「サイト選定法」という)を改正する法案(以下「改正法案」という)が同日に閣議決定されたことを公表した。サイト選定法の改正法案は、高レベル放射性廃棄物処分委員会(以下「処分委員会」という)が、2016年7月5日に提出した最終報告書で示した勧告を反映したものであり、サイト選定法を全面改正する内容となっている。

サイト選定法の改正法案では、ドイツ全土から3段階のサイト選定手続き (下表参照)により候補サイトを絞り込むこと、公衆参加の枠組みとして、連邦、地域横断、地域の各レベルで委員会や合議体を設けてサイト選定手続きへの関与を図ることが具体的に規定されている。また、処分委員会の最終報告書で提示していたサイト選定における除外基準と最低要件、地質学的な評価基準といった技術的な要件も条文に組み込まれている(下記参照)。なお、処分委員会は、高レベル放射性廃棄物処分の安全要件もサイト選定法で規定することを求めていたが、今回の改正法案では処分の安全要件に関しては、別途政令で定めるとしている。

BMUBのウェブサイトによれば、サイト選定法の改正法案の議会審議は2017年第1四半期に終える見込みであり、その後、連邦官報公示の翌日に発効することになる。今後、今回の改正法案によって改正されたサイト選定法が発効した後に、実際のサイト選定手続きが開始される。なお、今回の改正法案では、2031年までに最終的な処分場サイトを決定するとしているサイト選定法での当初のスケジュールについては変更していない。

■サイト選定における地球科学的な除外基準と最低要件

処分委員会が最終報告書で提示していたサイト選定における除外基準と最低要件は、サイト選定手続きの各段階において適用されることになっており、除外基準に該当する、あるいは最低要件を満たさない地域やサイトは手続きから除外されることになる。処分委員会の最終報告書で示された除外基準及び最低要件には、以下の事項が含まれている。

〇地球科学的な除外基準

  • 一定以上の広域的な隆起が予想される
  • 活断層が存在する
  • 現在または過去の鉱山活動の影響が存在する
  • 一定以上の地震活動が予想される
  • 過去の火山活動が存在する、または将来予想される
  • 年代の新しい地下水が存在する

〇地球科学的な最低要件

  • 岩盤の透水係数が10-10m/s以下
  • 閉じ込め機能を果たす岩盤領域1 の厚みが100m以上
  • 閉じ込め機能を果たす岩盤領域の深度が300m以深
  • 閉じ込め機能を果たす岩盤領域の広がりが処分場建設に可能な面積を有している
  • 閉じ込め機能を果たす岩盤領域の健全性が100万年にわたり維持されることが疑問視されていない
表 ドイツ全土から3段階のサイト選定手続き
段階

各段階での取り組み

段階の終了

第1段階

ドイツ全土を対象にサイト選定プロセスを開始。地質学的な除外基準及び最低要件に基づき、対象外となる地域を除外。地質学的な評価基準及び項目を限定した予備的安全評価(第1次予備的安全評価)に基づき、主に連邦地球科学・天然資源研究所(BGR)や州の地質調査所が保有する既存のデータを元に地域間の比較を実施し、候補地域と地上探査の対象サイトを選定。

連邦放射性廃棄物機関(BGE)の提案に基づき、候補地域とサイト地域内の地上探査の対象サイトを連邦法によって決定。

第2段階

地上からの探査を実施。地質学的な除外基準、最低要件、評価基準及び第1段階より範囲を拡大した予備的安全評価(第2次予備的安全評価)に基づき、サイト間の比較を実施し、地下探査の対象サイトを選定。

BGEの提案に基づき、地下探査の対象サイトを連邦法によって決定。

第3段階

地下探査などの処分の安全性の観点からの詳細な調査を実施。包括的な予備的安全評価を実施し可能な限り安全性の高いサイトの特定に向け、サイトの比較を実施し、処分場サイトを選定。

連邦放射性廃棄物処分安全庁(BfE)の提案に基づき、処分場サイトを連邦法によって確定。

【出典】


  1. 人工バリアや地質工学的なバリアとともに、隔離期間に廃棄物の閉じ込めを保証する地質バリアの一部 []

英国のスコットランド政府は、2011年1月に公表した「スコットランドの放射能レベルの高い放射性廃棄物の管理方針」(以下「2011年管理方針」という)について、スケジュール及び実施内容等を示した実施戦略を取りまとめた。今後、原子力発電所の廃止措置で発生する「放射能レベルの高い放射性廃棄物」(Higher Activity Radioactive Waste、HAW)については、地表近くに設置する長期管理施設において管理を継続することとしている。なお、スコットランドでは、2カ所の原子力発電所において4基の改良型ガス冷却炉(AGR)が運転中であるものの、発生した使用済燃料は原子力廃止措置機関(NDA)のセラフィールド再処理施設へ貯蔵のために輸送されており、再処理した後に高レベル放射性廃棄物(ガラス固化体)としてNDAが地層処分するか、もしくは直接処分される予定である。

スコットランド政府は、長期管理施設のサイト選定プログラムの策定プロセスを2030年以降に開始し、施設の建設開始を2070年以降とする予定であり、今後、下表のような3つの段階に分けて作業を進めるとしている。

表:スコットランドにおける放射能レベルの高い放射性廃棄物(HAW)の長期管理スケジュール
段階 期間 実施内容

第1段階

2016~2030年

  • 今後発生する廃棄物についての見直し
  • 現時点で利用可能な技術による廃棄物管理オプションの見直しと更なる研究開発

第2段階

2030~2070年

  • コミュニティ及びステークホルダーの関与プログラムやサイト選定プログラムの策定
  • 原子力廃止措置機関(NDA)、廃棄物発生者、規制機関と協働して、長期管理概念を策定
  • 長期管理施設の設計(モニタリングの実施方法や廃棄物の回収方法を含む)、立地、建設に関するプログラム策定
  • 長期管理施設のサイト選定プログラムの策定
  • 長期管理施設のサイト選定作業
  • 立地地域への便益供与プロセス・内容の決定

第3段階

2070年以降

  • 長期管理施設の建設

スコットランド政府は、長期管理を行う放射能レベルの高い放射性廃棄物(HAW)の量を約41,400m3と推定しており、これらは4カ所の原子力発電所、1カ所の軍事サイト、1カ所の研究サイトから発生するとしている。その多くは、原子力発電所の廃止措置が開始される数十年後に発生する見込みである。また、スコットランドで発生した低レベル放射性廃棄物は、ドーンレイ処分場(スコットランド)やドリッグ村近郊の低レベル放射性廃棄物処分場(イングランド)で処分されている。

スコットランド政府は、今回取りまとめた実施戦略において、今後、コミュニティやステークホルダーの関与プログラムの策定、革新技術の開発や知見の共有などに向けた研究開発等を行うとしている。また、2011年に策定したスコットランドの放射能レベルの高い放射性廃棄物の管理方針と今回取りまとめた長期管理の実施戦略との双方について、今後10年以内に見直しを行うとしている。

《参考》英国における高レベル放射性廃棄物等の管理方針

英国では、2001年より英国政府(当時の中央省庁である環境・食糧・農村地域省(Defra))は、高レベル放射性廃棄物等の解決策を見出すため、地方自治政府(ウェールズ、スコットランド、北アイルランド)とともに「放射性廃棄物の安全な管理(MRWS)」プログラムを進めた。これら3つの地方自治政府の管轄領域においては、英国政府ではなく、当該自治政府が放射性廃棄物管理に係わる権限を有している。

2006年10月に英国政府(主にイングランドを所管)とウェールズ政府は、高レベル放射性廃棄物等を地層処分する方針を決定している。一方、スコットランド政府は、2007年6月に廃棄物の輸送距離が必要最小限となるように、地表近くに設置する施設で長期管理を行う方針を採用する意向を表明し、公衆協議を経て2011年1月に「スコットランドの放射能レベルの高い放射性廃棄物の管理方針」を決定した。また、北アイルランド政府は地層処分方針を支持しているが、北アイルランドでは地層処分対象となる高レベル放射性廃棄物等が発生していない。

こうしたことから、英国において現在進められている、高レベル放射性廃棄物等の地層処分施設の設置に向けたサイト選定では、イングランド、ウェールズ、北アイルランドを対象として、地質学的スクリーニングの作業が行われている。高レベル放射性廃棄物等の地層処分の実施主体である原子力廃止措置機関(NDA)の放射性廃棄物管理会社(RWM)は、2017年までにスクリーニング結果を公表した上で、自治体を含む地域との正式な協議を開始する予定としている。

【出典】

連邦原子力安全検査局(Eidgenössisches Nuklearsicherheitsinspektorat, ENSI)は2016年12月14日、処分実施主体である放射性廃棄物管理共同組合(Nationale Genossenschaft für die Lagerung radioaktiver Abfälle, NAGRA)に対し、地層処分場のサイト選定第3段階において検討する地質学的候補エリアに「北部レゲレン」を含めるべきとの見解を表明した。

NAGRAは、2016年8月に、地層処分場の技術的実現可能性に関するサイトの評価基準に関して、最大深度に係る補足文書をENSIに提出しており、最大深度700mより深いオパリナス粘土層での処分場の建設は極めて困難であり、建設・操業に関する安全面で不利になるなどの考え方を示した。オパリナス粘土層の多くが700m以深に分布している「北部レゲレン」については、予備候補として留保する提案を行っていた。

これに対してENSIは今回、北部スイスの地質学的データが十分とは言えない中で、NAGRAが示したオパリナス粘土層の安定性と堅牢性に関する想定は現在の科学技術的知見に照らして過度に保守的であると判断し、処分場建設上の適性の点で、北部レゲレンが明らかに不利であると判断できないとする見解を表明した。ENSIは今後、サイト選定第3段階において検討対象とする地質学的候補エリアを「チューリッヒ北東部」「ジュラ東部」「北部レゲレン」の3つとすべきとした審査報告書を2017年春に取りまとめる予定である。

今回のENSIの見解表明を受けてNAGRAは、ENSIの勧告を受け入れる意向を示している。NAGRAはすでに2016年2月の段階で、ENSIによる審査の結果により、北部レゲレンが予備候補ではなく優先候補とされた場合のスケジュールの遅延を避けるため、北部レゲレンにおけるサイト選定第3段階の探査を想定した準備作業(探査計画策定、三次元弾性波探査及びボーリング候補地点の検討等)に着手していることを公表している。NAGRAは、北部レゲレンにおいて、他の2つの優先候補と同様、2016年秋から三次元弾性波探査を実施しており、2017年春にはボーリング調査に向けた許認可申請も予定している。

○スイスにおけるサイト選定の現状

「第3段階に向けたサイト提案」 (NAGRA、技術報告書14-01「地質学的候補エリアの安全性の比較及び第3段階において検討対象とするサイトの提案」、2014年12月より)

「第3段階に向けたサイト提案」
(NAGRA、技術報告書14-01「地質学的候補エリアの安全性の比較及び第3段階において検討対象とするサイトの提案」、2014年12月より)

現在行われているサイト選定第2段階では、サイト選定第1段階で選定された高レベル放射性廃棄物の3つ、低中レベル放射性廃棄物の6つの地質学的候補エリアの中から、高レベル放射性廃棄物用、低中レベル放射性廃棄物用のそれぞれの地層処分場について、2カ所以上の候補を提案することが目標となっている。

高レベル放射性廃棄物の地層処分場について、当初の地質学的候補エリアは「ジュラ東部」「北部レゲレン」「チューリッヒ北東部」である。NAGRAは、2014年12月に取りまとめた技術報告書において、岩盤強度及び変形特性を考慮した上での建設上の適性の観点からの最大深度を地下700mと設定し、これに基づいて、オパリナス粘土層の多くが700mより深いところに分布している「北部レゲレン」をサイト選定第3段階で検討する優先候補とせず、予備候補として留保する提案を行っていた。

NAGRAの提案に対し、連邦原子力安全検査局(ENSI)の依頼に基づく外部専門家によるレビューにおいて、NAGRAが提出した岩盤力学的な基本情報や想定条件、設計基準等が不十分かつロバストではないと指摘しており、2015年11月にENSIは、「建設上の適性の観点から見た最大深度(岩盤強度及び変形特性を考慮して)」を用いた評価を可能とするため、NAGRAに補足情報の提出を求めていた。

NAGRAは2016年8月に地層処分場の技術的実現可能性に関するサイトの評価基準に関して、最大深度に係る補足文書をENSIに提出し、地質学的候補エリアの地質工学的条件について、構造地質学的な履歴や処分深度に応じた変化を踏まえて評価するとともに、処分場の人工バリア及び天然バリアに及ぼす影響を長期安全性の観点から評価することにより、高レベル放射性廃棄物用の地層処分場の最大深度を地下700mとする根拠を明らかにしていた。NAGRAは、北部レゲレンを地層処分場とすることについて、「チューリッヒ北東部」及び「ジュラ東部」と比較して明らかに適性が劣ると評価していた

ENSIは、2014年12月にNAGRAが取りまとめた報告書と今回の補足文書とを合わせて、サイト選定第2段階の絞り込み結果について審査を継続しており、今回2016年12月に、オパリナス粘土等の堆積岩層においては、処分空洞やシーリング構造物を十分な信頼性をもって建設可能な深度は地下900mまでと考えられることから、処分場建設上の適性の点で、北部レゲレンが明確に不利であると判断できないとした見解を表明した。

ENSIは2017年春を目途に審査報告書を公表する予定であったが、サイト選定手続きを監督する連邦エネルギー庁(Bundesamt für Energie, BFE)はENSIと協議を行い、審査報告書の公表に先立ち、審査結果の概要を明らかするようENSIに依頼したとしている。

 

○今後の予定

今後、連邦原子力安全検査局(ENSI)による2017年春の審査報告書の公表の後、原子力安全委員会(KNS)1 と州委員会2 がENSIの審査結果に対する見解を表明する。なお、6つの地域会議もそれぞれ、NAGRAの絞り込み提案に対する見解(一部は暫定見解)を表明済みである。連邦エネルギー庁(BFE)はENSIの審査結果、KNSと州委員会の見解等を踏まえて、地質学的候補エリアの提案に関する成果報告書を作成する。2017年末には、成果報告書とENSIの審査結果、各種見解など資料一式が3カ月にわたって州、自治体、政党、関心のある住民、近隣諸国を対象とした意見聴取に付される。意見聴取の結果を踏まえ、2018年末に連邦評議会3 が地質学的候補エリアの提案を承認する予定となっている。

 

【出典】


  1. 原子力安全委員会(Eidgenössische Kommission für nukleare Sicherheit, KNS)は、ENSI、環境・運輸・エネルギー・通信省(UVEK)、連邦評議会に対して安全性に関する重要な問題に関して助言する。 []
  2. 州内に地質学的候補エリアが含まれる7つの州に、近接する地方バーゼル半州を加えた8つの州の代表が参加している。また、投票権は有さないが、BFE、ENSI、ドイツの連邦環境・自然保護・建設・原子炉安全省(BMUB)、及びドイツの3つの自治体の代表者も参加している。 []
  3. 日本の内閣に相当 []

米国のエネルギー省(DOE)は、2016年12月16日に、軍事起源の高レベル放射性廃棄物の独立した処分場の計画案を示す報告書を公表するとともに、2016年12月19日付の連邦官報において、2017年3月20日までコメントの募集を行うことを告示した。DOEは、核兵器開発等で発生した高レベル放射性廃棄物や海軍の船舶炉の使用済燃料を保有しており、今回公表された報告書は、これら軍事起源廃棄物の専用処分場の計画案を示すものである。

DOEは、核兵器開発に伴う高レベル放射性廃棄物は米国で新たに発生しておらず、民間の使用済燃料と比較して廃棄物量が限定されて発熱量も小さいことから、軍事起源の高レベル放射性廃棄物の処分場は、民間使用済燃料と共同の処分場よりも立地・建設計画の単純化が可能であり、より早期に開発できるとしている。DOEは、全米各地のDOEサイトで保管されている軍事起源廃棄物の撤去及び処分に責任を有しており、専用処分場の開発のために必要な活動について検討してきた。DOEは、軍事起源廃棄物の専用処分場を同意に基づくサイト選定プロセスで開発することにより、今後の米国の全体的な放射性廃棄物戦略に重要な経験をもたらすとしており、軍事起源廃棄物の専用処分場の計画案についてのコメントを募集することが適切としている。

軍事起源廃棄物について独立した専用処分場を開発する方針は、2015年3月に大統領覚書により示されていた。軍事起源廃棄物の処分について、1982年放射性廃棄物政策法第8条においては、費用対効果、保健及び安全、規制、輸送、社会的受容性及び国家安全保障に関連する要因を評価し、軍事起源の高レベル放射性廃棄物の処分場の開発が必要であると大統領が判断した場合、民間から独立した処分場を計画することができると規定されている。2015年3月の大統領の判断は、本法に沿った検討・評価と位置付けられる。

今回公表された報告書では、軍事起源廃棄物の専用処分場の開発に係る法的権限と規制枠組みを示した上で、計画、戦略、計画で必要とされる様々な活動などが示されている。軍事起源廃棄物の専用処分場の開発は、段階的なアプローチで進めるものとされ、同意に基づくサイト選定プロセスを構築した後、16年後には処分場の建設を開始し、23年後には操業を開始する予備的なスケジュール案が示されている。費用については、一例として30億ドル(3,600億円)の概算も示されているが、より信頼できる想定を行うためには、立地地点、地質環境、廃棄物量等の確定が必要としている。

【出典】

低中レベル放射性固体廃棄物の浅地中処分場(PPZRO)の立地点(スヴェルドロフスク州のノヴォウラリスク市)

低中レベル放射性固体廃棄物の浅地中処分場(PPZRO)の立地点(スヴェルドロフスク州のノヴォウラリスク市)

ロシアにおける放射性廃棄物管理実施主体の国営企業ノオラオ社(NO RAO)1 は、2016年12月5日のプレスリリースにおいて、ロシアにおける最初の浅地中処分場(PPZRO)の操業を開始したことを公表した。浅地中処分場はウラル山脈の東麓にあるスヴェルドロフスク州のノヴォウラリスク市にあり、低中レベル放射性固体廃棄物を受け入れて処分する2 。浅地中処分場は長さ140m、幅24m、深さ7mの鉄筋コンクリート構造の処分区画を備えており、合計で1万5千立方メートルの廃棄物を処分できるとしている。
また、浅地中処分場は、天然バリアと人工バリアの多重システムで構成されており、マグニチュード6の地震にも耐える構造を備えている。また、浅地中処分場は、2011年に制定されたロシアの放射性廃棄物管理法の要件と国際原子力機関(IAEA)の国際的な基準に則った施設であるとしている。現在のところ、浅地中処分場で処分が許可された廃棄物は、ノヴォウラリスク市でウラン濃縮事業を行っているウラル電気化学コンビナート社から発生する放射性廃棄物に限られており、それ以外の廃棄物を受け入れて処分する場合には、別途許可を取得する必要がある。
なお、国営企業ノオラオ社は、高レベル放射性廃棄物の処分に関する計画について、クラスノヤルスク地方の鉱業化学コンビナート(MCC)に近いニズネカンスキー花崗岩に地下研究所を建設する計画である。地下特性調査などを実施したうえで、2029年までに、最終処分場を立地するかどうかの決定を行う予定である。

【出典】


  1. ロシアでは、2011年に放射性廃棄物管理法が制定され、同法で規定された安全で経済的な放射性廃棄物管理を実施する国家事業者として、2012年3月に国営企業ノオラオが設立された。 []
  2. ロシアでは処分方法に関連させて放射性廃棄物を6つのクラスに分類している。クラス1は発熱性高レベル放射性固体廃棄物、クラス2は高レベル放射性固体廃棄物と長寿命中レベル放射性廃棄物に分類され、いずれも地層処分相当としている。クラス3は100mの深さまでの浅地中処分施設への処分相当の低中レベル放射性固体廃棄物、クラス4は地表レベルの浅地中処分施設への処分相当の低レベル放射性固体廃棄物及び極低レベル放射性固体廃棄物に分類される。クラス5は低中レベル放射性液体廃棄物、クラス6は探鉱や精錬等で発生する廃棄物に分類されている。浅地中処分場(PPZRO)で処分する廃棄物は、クラス3から4の放射性廃棄物である。 []