海外情報ニュースフラッシュ

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スイスの連邦エネルギー庁(BFE)の2010年8月23日付のプレスリリースによると、BFEは特別計画「地層処分場」(以下「特別計画」という)(詳細はこちら)の方針部分に基づく3段階のサイト選定手続の第1段階を総括的に評価する成果報告書の草案を作成した。BFEは、公表した報告書の草案において、2008年10月に放射性廃棄物管理共同組合(NAGRA)が提案した全ての候補サイト地域 を第2段階のサイト選定手続において引き続き候補とするよう提案している。また、プレスリリースによると、NAGRAの提案やそれに対する規制機関等による審査、及びBFEの成果報告書の草案などに対する意見聴取が2010年9月1日から開始されるとしている。

スイスのサイト選定手続は、2008年4月に連邦評議会によって承認された特別計画に基づいて進められており 、第1段階では、2008年10月に放射性廃棄物管理共同組合(NAGRA)が6カ所の低中レベル放射性廃棄物処分場、3カ所の高レベル放射性廃棄物処分場のための候補サイト地域を提案し 、候補サイト地域の選定に向けた検討が行われてきた。

同プレスリリースは、第1段階の成果として、以下を示している。

  • 地層処分場が環境、経済、社会に及ぼす影響を評価するためにサイト選定手続の第2段階で適用される「地域開発上の評価手法」の開発
  • 処分場の地上施設が建設される可能性のある「計画範囲」の案の確定
  • 候補サイト地域の安全性に関する安全規制当局の審査1
  • サイト選定手続の第2段階以降で実施される地域参加プロセスに参加する自治体の候補の確定

特別計画は、連邦エネルギー庁(BFE)が、サイト選定手続の各段階の最後に成果報告書とファクトシートの草案を作成し、処分義務者である放射性廃棄物管理共同組合(NAGRA)の提案、当局の審査結果、州委員会の見解2 などとともに公表して、3ヵ月にわたって意見聴取を実施することを定めている。プレスリリースにおいてBFEは、サイト選定の第1段階は最終局面を迎え、全ての報告書などが既に作成されており、これらの資料に基づく意見聴取を2010年9月1日から11月30日まで開催するとしている。さらに、BFEは、意見聴取の間に候補サイト地域に関係する自治体において住民説明会を実施するとしている。 

特別計画に基づくサイト選定手続の第1段階は、意見聴取の結果などに基づき、2011年半ばに連邦評議会が最終的に候補サイト地域を確定して終了する予定である。

参考:成果報告書とファクトシート

特別計画は、サイト選定の各段階で、成果報告書とファクトシートを作成することを規定している。成果報告書とファクトシートは、地図と文章で構成され、候補サイト地域の規模と「計画範囲」、並びに空間と環境の観点からの評価などを具体的に示すものである。各段階の終了後に、成果報告書とファクトシートで確定された内容が連邦評議会によって承認されると、その内容は特別計画に盛り込まれ、同計画の一部となる。

特別計画によると、成果報告書とファクトシートの草案は、意見聴取の後に更新され、最終的な見解表明のために州に提出される。州は、成果報告書とファクトシートについて、連邦評議会に承認を求める前に、都市計画法によって規定された調整手続きを要求することができる。成果報告書とファクトシートに関する連邦評議会の決定に対しては、異議申し立てを行うことはできない。

今回、連邦エネルギー庁(BFE)が公表した成果報告書の草案は、サイト選定の第1段階の成果とファクトシートで構成されている。ファクトシートは、それぞれの候補サイト地域について、「計画範囲」に含まれる自治体や地質の特徴、安全性に関する当局の審査結果などについて記述している。また、候補サイト地域や「計画範囲」、及び文化財や保護対象となる自然景観等を示した地図が掲載されている。高レベル放射性廃棄物の地層処分場の候補サイト地域の地図は、以下の通りである。

ベツベルク

北部レゲレン

チュルヒャー・ヴァインラント

ファクトシートに掲載された、高レベル放射性廃棄物の候補サイト地域の地図(連邦エネルギー庁(BFE)、「特別計画 第1段階 成果報告書:決定内容とファクトシート」の草案(2010年8月20日)より引用・作成)

【出典】


  1. 連邦原子力安全検査局(ENSI)は2010年2月に(2010年3月5日既報)、原子力安全委員会(KNS)は2010年5月に(2010年5月12日既報)、NAGRAの提案を承認する審査結果を公表している。 []
  2. 州委員会は、特別計画に基づき、関係する州の代表等によって設置されているものである。なお、2010年8月に州委員会は、全体として第1段階のプロセスが目的に適っていると評価する見解を公表している(2010年8月24日既報)。 []

2010年8月23日、米国の原子力規制委員会(NRC)は、エネルギー省(DOE)によるユッカマウンテン処分場の建設認可に係る許認可申請書に対する安全性評価報告(SER)の第1分冊(一般情報の審査)を公表した。NRCは、同報告において、ユッカマウンテン処分場計画における、処分場、スケジュールなどについて、DOEは適切に情報提供しているとしている。

ユッカマウンテン処分場の建設認可に係る許認可申請については、DOEは2008年6月に、一般情報、安全解析書(SAR)及び海軍原子力推進計画(NNPP)技術支援文書(TSD)で構成される許認可申請書をNRCに提出した 。NRCは、2008年9月に許認可申請書を正式に受理し 、NRCの原子力安全・許認可委員会(ASLB)が許認可申請に対するヒアリング手続を行っている。また、NRCは、許認可申請書の評価をSERとして取りまとめ、ヒアリングに提出することとなっている。

SERの準備状況に関してNRCは、2009年7月10日に、NRCの予算が限られていることから、予定された5分冊の全てを一括ではなく、分冊ごとに発行することとし 、第1分冊「一般情報の審査」を2010年3月、第3分冊「閉鎖後の処分場の安全性の審査」を2010年9月に発行する見込みを示していた 。今回公表されたSERの第1分冊は、DOEの許認可申請書のうち、一般情報に関するNRCの審査結果を示したものである。

SER第1分冊によれば、以下の項目について、DOEは連邦規則10 CFR 63.21(b)に従って一般情報を適切に記述しているとNRCは結論づけている。

  • ユッカマウンテン処分場の一般的な情報、処分場操業エリアの位置、処分場での活動の一般的な特徴、NRCの許認可発給に必要な基礎情報
  • 処分場建設、廃棄物受入れ、廃棄物の定置スケジュール
  • 高レベル放射性廃棄物の核物質防護のためのセキュリティの詳細な記述、核物質防護のための一般的な設計、保障措置の緊急時対策、セキュリティ組織の人員の訓練や資質に関する計画、核物質防護システムの機能など
  • 連邦規則10 CFR 63.78の要件を満たすための核物質管理計画
  • ユッカマウンテン・サイトの特性調査のために行われた作業

なお、ユッカマウンテン処分場の建設認可に係る許認可申請に関しては、DOEが2010年3月3日に、NRCのASLBに対して許認可申請書の取り下げ申請を行っており 、ASLBは2010年6月29日に申請の取り下げは認めないとの決定を行っている 。このASLBの決定については、NRCを構成する委員が最終判断を行う予定となっている。

【出典】

スイスにおいて、特別計画「地層処分場」(以下「特別計画」という)(詳細は こちら)に基づき設置されている州委員会は、2010年8月16日付のプレスリリースにおいて、地層処分場のサイト選定手続の第1段階1 に対する見解を公表した。州委員会は、全体としては第1段階のプロセスが目的に適っていると評価する一方で、候補サイト地域に関して明らかになっていない点を、今後の調査で解明するよう勧告している。 

州委員会は、関係する州、隣接州及び隣接諸国の政府代表者間の共働を実現し、サイト選定手続の実施において連邦政府を支援し、連邦政府に対して勧告を行うことを目的として設置されたものであり、8つの州2 の代表によって構成されている。スイスでは2010年の夏以降、3ヵ月間にわたって、サイト選定の第1段階における放射性廃棄物管理共同組合(NAGRA)の候補サイト地域の提案、及び提案に対する安全規制当局の評価に対する、州、隣接諸国、政党などからの意見聴取が実施されることとなっている。今回の州委員会の見解は、意見聴取における州による見解表明を支援するために取りまとめられたものであるが、意見聴取における各州の見解を拘束するものではないとされている。 

プレスリリースには、以下の5点について州委員会の見解がまとめられている。 

  1. 安全性と地質
  2. 「計画範囲」と地域参加プロセスに参加する自治体の設定
  3. 地域参加プロセスの構築
  4. 「地域開発上の評価手法」の策定
  5. 情報公開とコミュニケーション

1.  安全性と地質:透明性は高いものの、追加調査が必要

州委員会は、要求される安全性の実現のためには、適切なサイトの選定が必要であるという認識を示し、サイト選定手続が政治的な対立を克服するための必要条件として、以下の4点を示している。 

  • 候補となりうる全ての母岩を検討しなければならない。データの不足している点は、調査によって補わなければならない。
  • いずれかの母岩を候補から除外する際には、十分な知見に基づかなければならない。除外した場合には、科学的に根拠を明らかにし、透明性のある説明を行わなければならない。
  • 時期尚早で、不確実かつ不均質なデータに基づく候補サイト地域の評価は避けなければならない。
  • 明らかになっていない点が適切な調査によって解明されるまでは、適性を有する全ての候補サイト地域を候補として維持しなければならない。科学的な評価と予測が行われ、比較可能な知見が得られる前に、いかなる候補サイト地域の除外も優先順位の設定も行ってはならない。

州委員会は、低中レベル放射性廃棄物について6カ所、高レベル放射性廃棄物について3カ所の候補サイト地域を今後も対象とすることの必要性に留意しつつ、一方で、サイト選定の第2段階の終了前に、明らかになっていない点を、適切なフィールド調査3によって解明するよう勧告している。州委員会は、追加的な調査によってはじめて、全ての候補サイト地域の比較評価が可能になるとしている。なお、追加的な調査の例としては、処分容量及び広域的な透水特性の確認のための地震調査や、母岩と第四紀地質に関する知見の向上のためのボーリング調査が挙げられている。 

2.  「計画範囲」と地域参加プロセスに参加する自治体の設定:透明性が高い

州委員会は、地上施設を建設する可能性のある地点である「計画範囲」の設定(2009年12月21日既報)については透明性が高いとしている。他方で、地域参加プロセスに参加する自治体4 の設定は、柔軟に理解する必要があり、第1段階の残りの期間においてさらに調整が必要であるとしている。 

3.  地域参加プロセスの構築:目的に適っている

州委員会は、これまで行われてきた地域参加プロセスの構築を目的に適っているものと評価しつつ、地域参加プロセスの構築において可能な限り裁量を認めることが必要であると勧告している。 

4.  「地域開発上の評価手法」の策定:追加調査が必要

サイト選定の第1段階において策定した「地域開発上の評価手法」を利用して、第2段階において地層処分場が環境、経済、社会に及ぼす影響が評価される(2009年5月22日既報)。この点について州委員会は、地域のまとまりと、地層処分場が地域のイメージに与える影響についての、比較可能な調査の実施を勧告している。 

5.  情報公開とコミュニケーション:透明性が高く、公平

州委員会は、特別計画による各組織間の明瞭な役割分担の規定が、はっきりとしたメッセージによるコミュニケーションの実現に貢献してきたと評価している。また、情報提供についても透明性が高く公平に実施されてきたと評価している。 

参考①:スイスにおけるサイト選定手続の決定の経緯

スイスでは、1990年代から2000年代前半にかけて、ヴェレンベルクにおいて低中レベル放射性廃棄物の地層処分場を建設するプロジェクトが進められたが、2度の州民投票で州が発給した許可が否決され、プロジェクトは断念された5

その後、2005年2月に施行された原子力法は、処分場を含む原子力施設についての地球科学的調査、概要承認、建設、運転(操業)、閉鎖に関しては、連邦政府のみが許可を発給することを規定している。また、2008年4月には、州などに対する意見聴取の結果も踏まえて、サイト選定手続等を定めた特別計画「地層処分場」が策定された(2008年4月10日既報)

原子力法及び特別計画「地層処分場」の規定によれば、地層処分場のサイトの決定には連邦評議会が発給する概要承認(詳細は こちら)が必要である。連邦評議会が発給した概要承認については、議会による承認が必要であり、議会承認は、5万人の有権者の申請等により実施される国民投票の対象となる。 

参考②:スイスにおける放射性廃棄物の処分の実現可能性の実証

スイスでは、1978年の「原子力法に関する連邦決議」及び連邦政府の要求によって、原子力発電所の新規建設・運転に必要な概要承認の発給及び既存の原子力発電所の運転許可延長の要件として、原子力施設を建設や操業しようとする者に対して、国内における放射性廃棄物の処分の実現が可能であることの実証が求められていた。

放射性廃棄物管理共同組合(NAGRA)は、スイス北部の結晶質岩や堆積岩を対象として、処分の実現可能性の実証のためのプロジェクトを実施し、2002年にはチュルヒャー・ヴァインラントのオパリナス粘土を対象とした調査結果に基づき、「処分の実現可能性実証プロジェクト」報告書を作成し、連邦政府に提出した(2002年12月25日既報)。連邦評議会は、関連当局の検証の結果(2005年10月6日既報)を踏まえ、2006年6月に、「処分の実現可能性実証プロジェクト」によって、処分の実現可能性が実証されたことを承認した(2006年7月5日既報)

なお、「処分の実現可能性実証プロジェクト」の提出の際に、放射性廃棄物管理共同組合(NAGRA)は今後の調査対象をチュルヒャー・ヴァインラントのオパリナス粘土のみに絞ることを提案したが、この提案を連邦評議会は却下している。

【出典】

  • 州委員会、2010年8月16日付プレスリリース
  • 州委員会、特別計画「地層処分場」第1段階に対する見解、2010年7月
  • 特別計画「地層処分場」(2008年4月2日)〔英訳版〕
  • 原子力法
  • 原子力令
  • 原子力法に関する連邦決議

  1. スイスにおける地層処分場のサイト選定は、第1段階(複数の候補サイト地域の選定)、第2段階(複数の候補サイトの選定)、第3段階(サイトを選定し、概要承認(詳細は こちら)手続を開始)の3段階で行われることとなっており、第1段階は、連邦評議会が候補サイト地域を選定することで2011年に完了する予定となっている。 []
  2. 8つの州は、州内に候補サイト地域が含まれるチューリッヒ州・トゥールガウ州・アールガウ州・シャフハウゼン州・ゾロトゥルン州・ニドヴァルデン州・オプヴァルデン州(2008年11月11日既報)に、地方バーゼル半州を加えた各州である。また、州委員会には、投票権は有さないが、スイスの連邦エネルギー庁(BFE)、連邦原子力安全検査局(ENSI)、ドイツの連邦環境・自然保護・原子炉安全省(BMU)、及びドイツの3つの自治体の代表者も参加している。 []
  3. フィールド調査については、2009年12月21日速報に対する2010年7月16日の追記を参照 []
  4. 地域参加プロセスは、候補サイト地域に一部でも含まれる自治体、「計画範囲」に一部でも含まれる自治体、及び「計画範囲」に含まれる自治体に隣接し、経済や観光の点で特別な関係を有する自治体で構成される。詳細は、2010年6月3日の既報を参照 []
  5. ヴェレンベルクにおける低中レベル放射性廃棄物の地層処分場の建設に向けたプロジェクトについては、2002年9月26日及び2004年1月14日の速報、並びに ポイントピックアップ「概要承認」の「放射性廃棄物処分事業における概要承認申請の例」を参照。なお、ヴェレンベルクは、特別計画「地層処分場」に基づくサイト選定手続においても、低中レベル放射性廃棄物の候補サイト地域として提案されている。 []

韓国政府の知識経済部(MKE)1 の2010年8月5日付のプレスリリースによると、知識経済部と中低レベル放射性廃棄物処分場の立地自治体である慶州(キョンジュ)市 は、放射性廃棄物管理における政府と自治体の協力を規定した放射性廃棄物管理法に基づき、「知識経済部・慶州市間の放射性廃棄物処分場の建設に関する協力覚書」を締結した。本覚書は、処分場建設に伴う地域支援事業の推進や、今後の処分場建設を円滑に進めることなどを確認するものである。慶州市は2005年11月に住民投票を経て処分場のサイトとして決定されており(2005年11月8日既報)、2009年1月には処分事業の実施主体として韓国放射性廃棄物管理公団(KRMC)が設立されていたが、KRMCは同年6月に、岩盤等級が当初の想定よりも低いことが判明したため、処分場の竣工が遅れることを明らかにしていた(2009年1月22日既報)

本覚書では、主として以下の3点に関する確認事項が示されている。

  1. 特別支援事業の推進
  2. 一般支援事業のうち、優先的に取り組む事業
  3. 処分場建設を円滑に進めていく上での協力事項

(以下、100ウォン=7.5円で換算)

1.  特別支援事業の推進

4件の特別支援事業2 について、下記の点が示されている。

  • 特別支援金:総額3,000億ウォン(約225億円)が慶州市に支給されており、そのうち1,500億ウォンは放射性廃棄物の搬入時に使用可能となる3
  • 放射性廃棄物搬入手数料:放射性廃棄物が搬入されると、ドラム缶1本当たり637,500ウォン(約4万7,800円)が支払われる4
  • 韓国水力原子力株式会社(KHNP)本社の移転:覚書によれば、KHNP本社とともに、韓国放射性廃棄物管理公団(KRMC)の本社も、2014年までに慶州市に移転される。
  • 陽子加速器事業:422億ウォン(約31億6,500万円)の国費の追加により事業を推進する。

2.  一般支援事業のうち、優先的に取り組む事業

55件の一般支援事業(総予算約2.8兆ウォン(約2,100億円))の中から、優先的に取り組む12件の事業(下表)が選定されている。55件の一般支援事業は、「中低レベル放射性廃棄物処分場の誘致地域に関する特別法」に基づき設置された誘致地域支援委員会が選定したものである。なお、これらの事業のうち、コンベンションセンター及び多目的施設の建設と、エネルギー博物館の建設は、韓国水力原子力株式会社(KHNP)が実施するものである。

優先的に進められる一般支援事業(12件)

事業名 総事業費(億ウォン) 事業終了期限
コンベンションセンター及び多目的施設の建設 1,280 2014年
エネルギー博物館の建設 2,000 2014年
国民賃貸住宅の建設 500 2012年
地方道路929号線の迂回道路の建設 338 2012年
慶州甘浦(カンポ)港の総合開発 322 2015年
観光客休憩施設の整備 100 2012年
慶州歴史都市文化館の建設 600 2014年
市立火葬場の整備事業 144 2011年
放射性廃棄物処分場周辺地域における上水道の拡充 218 2015年
下水最終処理施設の設置 766 2012年
廃棄物焼却場の設置 350 2012年
慶州東学発祥地の整備事業 100 2014年

3.  処分場建設を円滑に進めていく上での協力事項

了解されている協力事項として、以下が示されている。

  • 知識経済部(MKE)と韓国放射性廃棄物管理公団(KRMC)による、中低レベル放射性廃棄物処分場の第1段階における建設の安全な実施のための管理
  • 放射性廃棄物の貯蔵施設への早期搬入に向けた、知識経済部と慶州市の協力(なお、同処分場における放射性廃棄物の貯蔵施設の使用許可は、2010年6月7日に慶州市より発給されている。)
  • 中低レベル放射性廃棄物処分場における第2段階(ドラム缶12万5,000本)の処分に向けた、知識経済部と慶州市の協力
  • 協力の実現のための、知識経済部の放射性廃棄物課と慶州市の国策事業団で構成される協議会の活用

参考:韓国における中低レベル放射性廃棄物処分場のサイト選定と建設の経緯

韓国では、中低レベル放射性廃棄物処分場と使用済燃料の貯蔵施設を同一のサイトに建設する方針でサイト選定が進められてきたが、中低レベル放射性廃棄物の原子力発電所サイトにおける貯蔵容量の逼迫等を背景として、2004年12月に、2つの施設の建設を分離して推進する政策が策定された(2005年1月7日既報)

その後、地域振興策を含めたサイト選定に関する法制度が整備され、中低レベル放射性廃棄物処分場の誘致に応じた4自治体の中から、住民投票で最も賛成率が高かった慶州市が、2005年11月にサイトとして決定された(2005年11月8日既報)

処分場の総処分容量は200リットルドラム缶80万本であり、現在進められている第1段階では10万本を、地下80mの岩盤に設置される垂直円筒状の空洞に処分することとされている。2006年6月の情報では、処分場の面積は約210万㎡で、総事業費は1兆1,445億ウォン(約858億3,800万円)となっている(2006年7月5日既報)

処分事業の実施主体は、韓国水力原子力株式会社(KHNP)であったが、2009年1月に施行された放射性廃棄物管理法の規定に従い、新たな実施主体として韓国放射性廃棄物管理公団(KRMC)が設立された(2009年1月22日既報)
KRMCは、放射性廃棄物の発生者による負担金等で構成される放射性廃棄物管理基金などによって運営されている。

【出典】

  • 知識経済部(MKE)、2010年8月5日付プレスリリース
  • 放射性廃棄物管理法
  • 中低レベル放射性廃棄物処分場の誘致地域に関する特別法
  • 中低レベル放射性廃棄物処分場の誘致地域に関する特別法施行令

  1. 韓国の「部」は、わが国の「省」に相当 []
  2. 「中低レベル放射性廃棄物処分場の誘致地域に関する特別法」は、4件の事業のうち、特別支援金の支給、搬入手数料の徴収、及び韓国水力原子力株式会社(KHNP)本社の移転について規定している。なお同法には、陽子加速器事業に係る規定はない。 []
  3. 「中低レベル放射性廃棄物処分場の誘致地域に関する特別法」によれば、原子力発電事業者は処分場の建設自治体に対して、特別支援金による支援を行うことができる。2006年5月に、韓国水力原子力株式会社(KHNP)は慶州市に対して、特別支援金3,000億ウォンを支給したことを公表した。3,000億ウォンのうち、1,500億ウォンは処分場建設の実施計画承認によって、既に使用可能となっている(2006年5月17日既報)。 []
  4. 「中低レベル放射性廃棄物処分場の誘致地域に関する特別法」によれば、放射性廃棄物の管理事業者は放射性廃棄物の納入者より、放射性廃棄物の納入手数料を徴収することができる。同法は、この手数料は施行令の規定に従い処分場の建設自治体と管理事業者に割り当てるとしている。施行令は、建設自治体の地域支援に充てる手数料を、ドラム缶1本当たり637,500ウォンと規定している。 []

ドイツの連邦環境・自然保護・原子炉安全省(BMU)は、2010年8月5日付のプレスリリースにおいて、高レベル放射性廃棄物等の最終処分場候補サイトであるゴアレーベン・サイトに関する予備的な安全評価を、施設・原子炉安全協会(GRS)に委託したことを公表した。この予備的な安全評価では、ゴアレーベン・サイトに関するこれまでの知見と調査結果を取りまとめるとともに、同サイトでの発熱性放射性廃棄物(高レベル放射性廃棄物を含む)の処分について、2009年7月にBMUが策定した「発熱性放射性廃棄物の最終処分に係る安全要件」 への適合性を検討することになっている。

プレスリリースによれば、ゴアレーベン・サイトに関する予備的な安全評価では、長期安全性に重点を置き、同サイトでの安全な処分が可能か否かを明らかにするとともに、どのような条件において処分が可能になるのかが、検証可能な形で示されることになるとしている。さらに、予備的な安全評価の結果を基に、安全操業のために最適な最終処分場概念の策定、及び今後調査すべき項目の確定が必要になるとしている。

ゴアレーベン・サイトに関する予備的な安全評価は、2012年末までに終了する予定であり、その後、評価結果についての国際ピア・レビューが予定されている。予備的な安全評価に関する中間結果と報告書はBMU、GRS及び連邦放射線防護庁(BfS)の各ウェブサイトにおいて公開されるほか、BfSは、予備的な安全評価に関する作業、ゴアレーベン・サイトでの探査活動などの取組の進捗状況を積極的に公開していくとしている。

プレスリリースによれば、予備的な安全評価においては、GRSのほかに、ゴアレーベン・サイトに関する専門的な知識を有する以下の機関の研究者の協力も得るとしている。

  • 連邦地球科学・天然資源研究所(BGR)
  • DBEテクノロジー社(ドイツ廃棄物処分施設建設・運転会社(DBE)の子会社)
  • カールスルーエ研究所放射性廃棄物研究所(INE)
  • ライプツィヒ岩盤力学研究所(IfG)

また、安全評価の品質保証については、クラウスタール工科大学最終処分技術研究所が外部機関として監視・評価を担当するとしている。

なお、ドイツでは、1998年に成立した連立政権の脱原子力政策により、2000年からゴアレーベンでの新たな探査活動が凍結されていたが 、2009年秋に成立した中道右派の連立政権は、連立協定においてゴアレーベンにおける探査活動の凍結等をただちに撤廃し、探査を再開する方針を示していた 。その後、2010年3月にBMUは、今回公表された予備的な安全評価の実施を含む、複数の段階からなる探査活動によってゴアレーベン・サイトの最終処分場としての適性を確認し、適性が確認された場合には、原子力法に基づく計画確定手続(詳細は こちら)を実施することを発表していた

【出典】

米国の連邦控訴裁判所1 は、2010年7月28日、エネルギー省(DOE)によるユッカマウンテン処分場許認可申請の取り下げ申請の可否について、サウスカロライナ州エイケン郡などが起こしている訴訟に関して、2010年9月23日に予定されていた口頭弁論などのスケジュールを破棄し、訴訟手続きを一時停止することを決定した。

ユッカマウンテン処分場の許認可申請の取り下げ申請に関連した訴訟としては、サウスカロライナ州エイケン郡が、2010年2月16日の原子力規制委員会(NRC)の原子力安全・許認可委員会(ASLB)による許認可審査手続きの一時停止決定(既報)を受け、2010年2月19日に、DOE、NRC等を相手取った訴訟を起こしていた(2010年3月5日既報、2010年3月24日追記参照)。同様に、2010年2月25日に民間3名、2010年2月26日にサウスカロライナ州、2010年4月13日にワシントン州が訴訟を起こしており、これらの4者による訴訟が併合されて手続きが進められてきた。これらの訴訟では、DOEによるユッカマウンテン計画の中止に向けた作業、ASLBでの許認可申請の取り下げ申請に関する審査手続きなどの差止請求を行うとともに、DOEによる許認可申請の取り下げ申請の可否が争点とされている。また、2010年5月3日、連邦控訴裁判所は、DOEによるユッカマウンテン計画の中止に向けた作業、及びASLBでの許認可申請の取り下げ申請に関する審査手続きなどの差止請求を却下したが、DOEによる許認可申請の取り下げ申請それ自体の可否については、口頭弁論を2010年9月に開催するなどとしていた(2010年3月5日既報、2010年5月7日追記参照)

その後、2010年6月29日にASLBが、DOEによるユッカマウンテン処分場の許認可申請の取り下げ申請を認めない決定を行ったことを受け、NRCなどは2010年7月2日に連邦控訴裁判所に対し、口頭弁論などのスケジュールの破棄、及びASLBの決定に対するNRCの委員会による最終判断が出るまで訴訟手続を一時停止することを求めて申立てを行っていた(2010年6月30日既報、2010年7月8日追記参照)。今回の連邦控訴裁判所の決定は、このNRCなどの申立てを認めたものである。

連邦控訴裁判所は、今後のスケジュールについて、ASLBの決定に対するNRCの委員会の最終決定から10日以内に、その後の訴訟手続きの管理に関する申立てを提出するよう当事者に命令している。

出典


  1. 連邦控訴裁判所のうち、コロンビア特別区(DC)巡回区控訴裁判所が担当(米国の首都ワシントンDC地区における訴訟事件を取り扱う)。 []

2010年6月29日、米国の原子力規制委員会(NRC)の原子力安全・許認可委員会(ASLB)は、エネルギー省(DOE)が提出していたユッカマウンテン処分場の許認可申請の取り下げ申請 を認めない決定を下した。

ASLBは6月29日付で公表した文書において、DOEによるユッカマウンテン処分場の許認可申請の取り下げ申請に関して、反対のために提出されていたヒアリング手続に対する当事者申請とともに、2010年3月3日にDOEが提出していた許認可申請の取り下げ申請 などについて以下の結論を示した。

  • サウスカロライナ州、ワシントン州、サウスカロライナ州エイケン郡、プレーリーアイランド・インディアン共同体、全米公益事業規制委員協会(NARUC)の当事者申請を承認する。
  • 1982年放射性廃棄物政策法(NWPA)において、DOEが許認可申請を取り下げる権限を持っていないとする当事者申請をした者の争点の有効性を承認する。
  • 上記の当事者申請をした者が提案していたその他のすべての争点についての判断を保留する。
  • フロリダ公共サービス委員会による第三者としてのヒアリング手続への参加及びDOEの許認可申請の取り下げ申請へ反対する覚書の提出を承認する。
  • DOEによる許認可申請の取り下げ申請は否認する。

ASLBは、DOEの許認可申請の取り下げ申請を認めない理由として、1982年放射性廃棄物政策法(NWPA)において連邦議会が規定した手続では、DOEは許認可申請を取り下げる権限を有していないためとしている。また、ASLBは、連邦議会はDOEに対し、処分場の許認可申請を提出すること、及びNRCが同申請を検討して最終的な決定を下すことを指示しており、DOEが連邦議会の指示なしに許認可申請を取り下げることで、法律で規定された意思決定プロセスを逸脱することはできないとしている。

さらに、ASLBは、DOEが同意していない政策に関する許認可申請を継続することは合理的でないなどとしている点について、法律が要求している場合、DOEやその他の行政機関は必ずしも同意していない政策を実施することを求められる場合があるとし、NWPAが要求するように、DOEは許認可申請を継続することが可能であり、継続するものと信じているとしている。

連邦議会上院の実質トップであるリード議員(民主党、ネバダ州選出)は、2010年6月29日のプレスリリースにおいて、ASLBの今回の決定は残念であるが、NRCの5名の委員がDOEの許認可申請の取り下げ申請について再度見直しを行い、NRCを代表して最終決定を行うであろうとしている。

【出典】

【2010年7月8日追記】

2010年6月30日、原子力規制委員会(NRC)は、NRCの原子力安全・許認可委員会(ASLB)がユッカマウンテン処分場の許認可申請の取り下げ申請を認めないと決定したことに関し、ヒアリング参加者に対して以下の命令を行った。

  • すべてのヒアリング参加者は、2010年7月9日までに、NRCの5名の委員がASLBの決定を再審理する、決定を覆す、または支持すべきかどうかについて、最初に弁論趣意書を提出すること。
  • すべてのヒアリング参加者は、2010年7月16日までに、提出された弁論趣意書に対する意見を示した応答弁論趣意書を提出すること。

また、2010年7月2日、DOEによる許認可申請の取り下げ申請の可否に関する訴訟に関連し、NRCなどは連邦控訴裁判所に対し、2010年9月23日に口頭弁論を行うなどとしたスケジュールを破棄し、NRCの5名の委員が、ASLBの決定に対する最終判断を下すまで、訴訟手続を一時停止するよう申立てを行った。

【追記部出典】

2006-2009 : quatre années de recherches scientifiques pour le stockage des déchets radioactifs

報告書表紙 courtesy ANDRA

放射性廃棄物管理機関(ANDRA)は2010年6月25日付プレスリリースにおいて、2006年から2009年までに行われた放射性廃棄物処分の科学的な調査研究活動に関する報告書を公表した。ANDRAは4年間にわたる調査研究によって、放射性廃棄物管理研究法(詳しくはこちら)に基づき1991年から2005年にかけて実施された研究の成果 を確認するとともに、さらに精緻化することができたとしている。

2006年に策定された「放射性物質及び放射性廃棄物管理国家計画」(PNGMDR)及び同国家計画の施行令は、ANDRAが2009年末までに次の事項について政府に提案することを定めており、今回の報告書は、これらの一部を含めたこの4年間の調査研究活動を概要版として取りまとめたものである。

  • 処分場の建設に適した制限区域(30km2)の選定
  • 設計、操業安全及び長期安全、可逆性に関するオプション
  • 対象となる廃棄物のインベントリモデル
  • 処分場を補完する貯蔵施設のオプション

同プレスリリースによれば、公表された報告書は、ANDRAが行った放射性廃棄物処分に関する全ての調査研究分野をカバーしたものであり、廃棄物パッケージの物理的、化学的特性を踏まえた地質及び環境に関する研究や、大規模な空間的、時間的スケールでの数値シミュレーションに関する研究の成果が示されている。また、ANDRAは特に注目すべき事項として次のことを挙げている。

  • 地層処分場の設置が検討されているムーズ及びオート=マルヌの両県にわたる地域において、2007年から2008年にかけて実施されたボーリング調査 により、詳細な地質環境の把握が行われた。この調査結果に基づきANDRAは、今後詳細な地下の調査を行う30km2の区域(ZIRA)1 を2009年末に政府に提案し、2010年5月から同区域を対象とした3次元地震探査が実施されている
  • 地層処分場の地下人工構築物の状態や複雑な相互作用を再現することができる実験装置が開発された。同装置を用いた鉄、ガラス、粘土の相互作用に関する実験結果に基づき、高レベル放射性廃棄物の処分環境における鉄の腐食速度やガラスの劣化速度をより正確に評価することが可能となる。更に、この実験結果は、鉄の腐食に伴う水素の発生と移行に関するプロセスのモデリングに必要となる入力データを提供する。これらの実験から得られる知見は、地層処分場設計の最適化や(特に材料構成)、関連するインフラ施設の規模決定の際に考慮される。
  • 処分場開発における可逆性を担保すべき期間、更には、処分場の最終閉鎖後の数千年の期間に起こりうる、水、熱、応力及び化学に関する現象のより良い理解が得られた。
  • ビュール地下研究所において2005年から2009年にかけて実施された拡散実験等により、カロボ・オックスフォーディアン粘土層における放射性核種の移行速度に関する詳細な評価が可能となった。
  • 処分環境における、酸化還元条件、酸性度及び温度の影響を受ける化学的要素に関する挙動パラメータを整備した熱力学データベースの改善が継続的に行われている。
  • 性能評価の信頼性向上に資するソフトウェア等の改善が行われている。
  • 地層処分の可逆性概念を確立するために、2008年より社会科学分野における研究活動が進められている。

【出典】

  • 放射性廃棄物管理機関(ANDRA)、2010年6月25日付のプレスリリース、http://www.andra.fr/index.php?id=actualite_1_1_1&art=5383
  • 放射性廃棄物管理機関(ANDRA)「2006年から2009年までの放射性廃棄物管理研究に関する成果報告書」、«2006-2009 : quatre années de recherches scientifiques pour le stockage des déchets radioactifs»

  1. Zone d’Intérêt pour la Reconnaissance Approfondie []

国家評価委員会(CNE)がフランスにおける放射性廃棄物等の管理に関する調査研究の進捗状況等の評価について取りまとめた第4回報告書が、2010年6月16日に行われた議会科学技術選択評価委員会(OPECST)によるCNEへのヒアリングを経て公表された。

2006年に制定された放射性廃棄物等管理計画法 の規定により、CNEが同評価を毎年行い、取りまとめられた報告書は議会に提出される。議会は同報告内容の審議をOPECSTに付託し、OPECSTによる審議の後に、同報告書は公表されることとなっている。上記法律に基づき、2007年6月に取りまとめられた第1回報告書 以降、CNEは報告書を毎年取りまとめており、今回の報告は第4回目のものとなる。

CNEが取りまとめた第4回報告書の「要約と結論」によれば、地層処分に関して次のような評価結果が示されており、OPECSTはCNEへのヒアリングの翌17日のプレスリリースにおいて、本評価報告により、地層処分や核種分離・変換に関する研究の進捗状況を確認することができたとして、CNEの活動を評価する旨を伝えている。

  • 放射性廃棄物の国家インベントリ策定の取組により 、放射性廃棄物管理機関(ANDRA)による地層処分場設計で考慮されるべき地層処分対象となる放射性廃棄物量の予測が可能となっている。これらの統計情報等に基づきANDRAは、処分場設計における規模について、その裕度の妥当性を示すことが要求される。
  • 地層処分場の設置に向けた詳細な地下の調査を行う区域(ZIRA)1 の決定 に関して、ANDRAから政府に提出された報告書は、科学的な質の高さ、及び将来の処分場設置における地質学的基準の点で、十分に満足なものであった。
  • カロボ・オックスフォーディアン粘土層における長期拡散実験により、放射性核種の封じ込めに関する同粘土層の優れた特性が確認された。一方で、人工構築物の経時的変化および処分の可逆性に対する安全性への影響を予測するうえで必要不可欠となる、同粘土層の熱水力学的挙動に関する有効なモデルの構築が必要とされる。
  • 2009年以降、ビュール地下研究所に隣接して設置された技術センターでの活動により 、処分技術に関する研究成果が得られているが、中レベル放射性廃棄物パッケージの多様性も念頭に、処分孔の幾何形状とこれらの廃棄物パッケージに関する更なる標準化が望まれる。
  • 可逆性のある地層処分場の設計オプションの開発がANDRAにより実施されているが、長期的な受動的安全を確保するために、処分場が最終的に密閉されるという処分場本来の目的を再認識する必要がある。処分場の開放期間の長期化により、シーリング材の密閉効果に悪影響が生じるようなことがあってはならない。
  • カロボ・オックスフォーディアン粘土層の封じ込めに関する研究により、その優れた性能が徐々に確認される一方で、地下人工構築物の設計オプションが安全性に及ぼす影響に関する研究にも同様の注意が向けられなければならない。操業時の安全性、処分の可逆性、及び長期的な受動的安全との間に相互矛盾があると思われる場合には、長期的な受動的安全が最優先されるべきである。
  • 地層処分場の観察・監視プログラムについて、その広範さや多様性が認められる。更に、このプログラムと、処分場の熱・水・応力及び化学的挙動に関するモデリング活動全体との間に密接な関係を構築する必要がある。
  • 様々なオプションに対応する処分費用は、設置許可申請等の諸段階において行われる議論の重要な要素となる。オプションの採用においては、原子力安全機関(ASN)によって策定された安全指針 に従って、処分場の放射線影響を合理的に達成可能な限り低いレベルに維持することを可能にすることが肝要になる。地層処分費用の水準、構造、及び計算方法に関する詳細な情報がCNEに定期的に提供されることが求められる。

【出典】


  1. Zone d’Intérêt pour la Reconnaissance Approfondie []

フィンランドにおける高レベル放射性廃棄物(使用済燃料)処分の実施主体であるポシヴァ社は、2010年6月17日付のプレスリリースにおいて、同社がオルキルオトで2004年6月から行っている地下特性調査施設(ONKALO) の建設について、2010年6月に掘削が処分深度の地下420mに到達したことを公表した【注1】。

プレスリリースによれば、今後、ONKALOの処分深度において、最終処分場の設計と実施に対応した、2つの試験・実証坑道が掘削されるとしている。これらの坑道の主な目的は、処分坑道とキャニスタの処分孔に適した岩盤領域を特定し、現行の要件に基づいて坑道を掘削するための準備態勢を示すこととしている。さらに、機器及びメンテナンスのための施設の建設に向けた岩盤の掘削も行われるとしている。これらの掘削は、2011年末までに終了する予定であるとしている。

また、プレスリリースによれば、ポシヴァ社は、現在、ONKALOにある5つの研究用ニッチ(アクセス坑道沿いに建設される短い坑道)において、岩盤応力、水文地球化学、透水性の調査を行っている。今後、ポシヴァ社は、研究用ニッチにおいて、岩盤特性のより詳細な調査を行うとしている。

ONKALOでの研究によって得られたオルキルオトの岩盤特性に関する情報は、2012年にポシヴァ社が予定している使用済燃料処分場の建設許可申請に必要とされている。また、ONKALOは最終的には処分施設の一部として使用される予定である

【注1】ONKALOは深度420m(メイン)及び深度520mの調査レベルから構成されるとされていたが、2009年9月に発行された、2010年から2012年における原子力廃棄物管理の研究開発計画(TKS-2009報告書)では、深度520mの調査レベルについては記述されていない。

【出典】