(公財)原子力環境整備促進・資金管理センター

諸外国での高レベル放射性廃棄物処分

Learn from foreign experience in HLW management

ユーザ用ツール

サイト用ツール


サイドバー

諸外国の状況

諸外国における高レベル放射性廃棄物処分の状況(あらまし)あらまし

一覧表

国別編(詳細情報)

スウェーデン

フィンランド

フランス

スイス

ドイツ

英国

米国

カナダ


その他の国(簡略情報)

スペインスペイン
ベルギーベルギー
ロシアロシア

アジア諸国(簡略情報)
中国中国
韓国韓国
日本日本


諸外国での原子力発電

関連情報
  • リンク集+1
諸外国トピカル情報


hlw:fr:chap3
HLW:FR:chap3

フランス フランスにおける高レベル放射性廃棄物処分

フランスにおける高レベル放射性廃棄物処分

全体構成(章別)


3. 処分事業に係わる制度/実施体制

3.1 実施体制

ポイント

  • 高レベル放射性廃棄物処分に関わる規制行政機関は、原子力安全機関(ASN)です。また、ASNに対しては放射線防護・原子力安全研究所(IRSN)が技術的な支援や諮問への答申を行います。
  • 放射性廃棄物管理機関(ANDRA)が、高レベルを含む放射性廃棄物の長期管理の責任を有し、深地層研究を目的とした地下研究所の建設、操業及び処分場の設計、設置、運営等を行うことになっています。

実施体制の枠組み

処分事業の実施体制
処分事業の実施体制

右図は、フランスにおける高レベル放射性廃棄物処分に係る実施体制を図式化したものです。実施主体である放射性廃棄物管理機関(ANDRA)を含め、主要な関係機関としては政策決定等を行う政府や議会、規制行政機関である原子力安全機関(ASN)が挙げられます。

政府や議会は2006年放射性廃棄物等管理計画法などの法律制定や各種政省令等の制定・公布を行い、放射性廃棄物管理の政策や方針の決定を行います。とくに、議会(国会)の常設委員会である議会科学技術選択評価委員会(OPECST)は、「可逆性のある地層処分」という基本方針の策定に深く関与しています。

政府の諮問組織として「放射性物質及び放射性廃棄物の管理研究・調査に関する国家評価委員会」(CNE、右図中では単に「国家評価委員会」と表記)が設置されています。CNEは当初、1991年の放射性廃棄物管理研究法に基づき、高レベル・長寿命放射性廃棄物の管理方策に関する3つの研究分野の進捗を毎年評価し、15年目に総括報告書をまとめる役割を担う組織として設置されました。その後も2006年の放射性廃棄物等管理計画法により、全ての放射性廃棄物の管理を評価対象として、年次評価報告書を取りまとめています。

原子力安全機関(ASN)の戦略計画
原子力安全機関(ASN)の戦略計画
ASNのコミッションは、ASNの運営戦略を策定・公表し、ASNのVision, Task, Values, Goalを明確化しています。
source: ASN, STRATEGIC PLAN FOR 2010-2012

原子力分野の規制体制は、2006年6月に制定された原子力安全・情報開示法により、独立性を高めた形で再編されました。規制機関である原子力安全機関(ASN)は、中央省庁から独立させるために大統領府の下に新設され、大統領が任命する3名、議会(国会)の両院議長が任命する各1名の、計5名のコミッショナー制で運営されています。ASNを技術面で支援する組織として、放射線防護・原子力安全研究所(IRSN)が設置されています。

また、原子力安全・情報開示法に基づき、ASNとは独立した「原子力安全情報と透明性に関する高等委員会」(HCTISN)が設置されており、国レベルで原子力安全及びその情報提供に関する問題の検討や意見提示を行います。


実施主体

CSFMA CSTFA

ANDRAが操業している低中レベル放射性廃棄物処分場
(左:CSFMA  右:CSTFA) source: ANDRA/4 vents

ANDRAは、放射性廃棄物の長期管理を実施する責任を有する、廃棄物発生者とは独立した立場の「商工業的性格を有する公社」(EPIC)という形態で設置されています。ANDRAは、当初フランス原子力・代替エネルギー庁(CEA)の一部門として1979年に創設されましたが、1991年の放射性廃棄物管理研究法の規定により、CEAから独立した組織として、現在の役割や機能が定められています。

ANDRAは、高レベル放射性廃棄物の処分実施主体であるほか、低中レベル放射性廃棄物の処分も実施しています。


安全規則

フランスにおける高レベル放射性廃棄物及び長寿命中レベル放射性廃棄物の地層処分に適用される安全規制として基本となるものは、原子力安全・情報開示法です。同法の施行デクレでは放射性廃棄物処分場も対象となっている原子力基本施設(INB)の定義やその具体的な設置許可手続などが規定されています。

安全規則としては、1991年に策定された安全基本規則(RFS III.2.f)を置き換えるものとして、深地層における放射性廃棄物の最終処分に関する安全指針が原子力安全機関(ASN)により2008年に策定されています。この指針では処分場閉鎖後の安全性を確保するために、放射性廃棄物の地層処分場の設計及び建設段階で遵守する必要のある目標を定めています。また、処分場の設計及び建設の責任を負う実施主体であるANDRAは、ASNに対して、この規則の適用状態に関する報告を行うことが定められています。本指針では、処分場閉鎖後の長期安全の線量基準として、0.25mSv/年(個人線量当量)を設定しています。


3.2 処分に関わる法制度

事業規制

  • 1991年に、高レベル放射性廃棄物及び長寿命中レベル放射性廃棄物管理研究に係る諸活動の法的枠組みを与えることを目的として、放射性廃棄物管理研究法が定められました。放射性廃棄物管理研究法では、長寿命放射性核種の分離・変換、可逆性のあるまたは可逆性のない地層処分、長期地上貯蔵の3つの研究実施が規定されました。また、2006年までに政府が議会にこれらの研究についての総括報告書、さらに必要に応じて、地層処分場の建設許可に関する法律案を提出することが定められていました。さらに同法のもとでは、放射性廃棄物管理機関(ANDRA)設置デクレ(政令)などが発給されています。
  • 2006年6月に放射性廃棄物等管理計画法が制定され、高レベル放射性廃棄物及び長寿命中レベル放射性廃棄物については、可逆性のある地層処分を実施することが規定されました。また、処分実施に向けた地層処分の研究とともに、長寿命放射性核種の分離・変換と中間貯蔵に関する研究も実施されることが定められました。
  • 放射性廃棄物等管理計画法では、処分場設置の許可対象が地下研究所で研究の対象となった地層に関するものに限ること、設置許可は可逆性についての条件を定める法律の制定後にデクレ(政令)によって発給されること、法律によって許可される処分場閉鎖の後、100年以上の可逆性を確保する期間を設定することが許可発給の条件として規定されています。
  • また、同法では政府が管理計画を策定すること、地下研究所区域に設置される地域情報フォローアップ委員会(CLIS)、地下研究所または地層処分場区域に設置される公益事業共同体(GIP)についても規定されています。
  • なお、放射性廃棄物等管理計画法は放射性廃棄物管理研究法の一部を改訂しており、CLIS やGIP の設置などについて新たに定めるデクレ(政令)も出されています。

安全規制

  • 放射性廃棄物に関する安全規制については、原子力安全・情報開示法が適用されています。原子力安全・情報開示法は、原子力安全・放射線防護の原則や許認可手続き及び情報公開に関する国の役割と責任を定めたものとされています。
  • 原子力基本施設(INB)等デクレ(政令)は、原子力安全・情報開示法の施行令として、INBの設置、操業、恒久停止、廃止措置の許認可手続きの詳細を規定しています。
  • 地層処分の安全指針は、処分場閉鎖後の安全性を確保するために、放射性廃棄物の地層処分場の設計及び建設において採用されるべき目標を設定しています。

資金確保

  • 放射性廃棄物等管理計画法では、中間貯蔵施設及び地層処分場の建設・操業等に必要な資金確保のためには、原子力基本施設(INB)操業者からの拠出による基金をANDRA内に設置することが定められています。また、INB操業者は、基金への拠出を行うまでは引当金によって資金を確保することが同法で定められています。
  • なお、管理費用の見積についてはANDRAが行い、エネルギー担当大臣が最終的な見積額を決定することとされています。また、中間貯蔵施設及び地層処分場に関する調査及び研究活動に必要な資金確保のため、『研究税』を資金源とする基金を放射性廃棄物管理機関(ANDRA)内に設置することが規定されています。

環境

  • 環境法典では、自然界に対して損害を与える可能性のある事業は、その影響評価ができるような調査を行うことや環境影響評価の実施項目と公衆意見聴取が行われる場合に環境影響評価を対象に加えることが規定されています。
  • また、事業が環境に及ぼす影響があるときは、工事に先立って公衆意見聴取を行う必要があることを規定しています。
  • さらに、天然資源や自然環境等の保護、開発、管理等の原則を定めていて、開発に先立つ公開討論会の開催や要件等が示されています。

原子力責任

  • 原子力分野における民事責任法は、フランスにおいて、原子力分野の第三者に対する責任に関するパリ条約の内容を、国内法として効力を持たせるために制定された法律です。本法律では、事業者の責任限度額及びその時効を規定していて、商業用または軍事用原子力施設を利用する個人または法人は、公的機関、民間を問わず、規定に従うことを定めています。





全体構成
フランス
hlw/fr/chap3.txt · 最終更新: 2015/10/19 13:41 (外部編集)

経済産業省の委託により、(公財)原子力環境整備促進・資金管理センターが運用しています。