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諸外国での高レベル放射性廃棄物処分

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(簡略版)

ロシア ロシアにおける高レベル放射性廃棄物処分

ロシアにおける高レベル放射性廃棄物処分

  • ロシアでは原子力発電所から発生する一部の使用済燃料を再処理しています。2011年に放射性廃棄物管理法が制定され、今後地層処分を前提とした放射性廃棄物管理のための統一的な国家制度が整備される予定です。放射性廃棄物処分場として花崗岩地帯の候補地域が提案されています。


使用済燃料の発生と貯蔵(処分前管理)

ロシアでは2015年現在国内で10カ所に原子力発電所があり、合計で35基の原子炉が稼働しています。 このなかには、ナトリウムを冷却材として用いる高速増殖炉も1 基含まれます。

ロシアの核燃料サイクル政策は「核物質は可能な限り再利用する」ことであり、原則的に使用済燃料を再処理する方針です。そのため、ロシアでは使用済燃料を放射性廃棄物に分類していません。

原子力発電所から発生した使用済燃料は、一部(VVER-400型とBN-600型の原子炉から発生したもの)が再処理されていますが、それ以外は発電所内または集中貯蔵施設で貯蔵されています。ロシアで貯蔵されている使用済燃料の量は、原子力発電所内や再処理プラント、集中貯蔵施設で保管されているものを含めて、2010年末で約22,000トン(重金属換算)です。また、2011年の使用済燃料の再処理量は発生量の16%に留まっています。


使用済燃料の再処理

ロシアにおける使用済燃料管理の状況

生産合同マヤーク(P.A. Mayak)が操業するRT-1と呼ばれる再処理工場がチェリャビンスク州オジョオルスク市にあり、1971年から使用済燃料を引き受けています。RT-1の再処理能力は年間400トン(重金属換算)ですが、この施設で扱える使用済燃料の種類の制約などから、実際の再処理量は年間約100トン程度に留まっています。RT-1では、フィンランドや旧東ドイツなどから返送された使用済燃料を受け入 れて再処理していましたが、外国からの受け入れは1990年代にほとんど打ち切られています。

RT-1で回収されたウランは、RBMK型の核燃料として使用しています。一方で分離されたプルトニウムはMOX燃料として利用する計画ですが、現在は貯蔵しています。再処理に伴って発生する高レベル放射性液体廃棄物はガラス固化した後、マヤークのサイト内で貯蔵されています。

なお、VVER-1000型の原子炉から発生する使用済燃料は、クラスノヤルスク地方ジェレズノゴルスクの鉱業化学コンビナート(MCC)の再処理工場RT-2で再処理する計画でした。1984年からRT-2の建設を開始しましたが、資金不足により建設が中断されました。

現在MCCでは複数の再処理技術を試験実証するための試験実証センター(PDC)が計画されており、2016年の操業開始が見込まれています。PDCの再処理能力は年間100トンの計画ですが、PDCにおける成果を踏まえた、大規模なRT-2施設の操業開始が2025年頃に見込まれています。


使用済燃料の集中貯蔵

鉱業化学コンビナート(MCC)でのRT-2再処理工場の建設は中断されたものの、併設の使用済燃料貯蔵プール(貯蔵容量6,000トン)が1985年に完成し、VVER-1000型の原子炉から発生する使用済燃料が集中的に中間貯蔵されています。集中貯蔵施設の貯蔵容量は現在8,400トンまで拡張されています。

MCCの集中貯蔵施設では、ロシア以外にもウクライナやブルガリアからのVVER-1000型原子炉由来の使用済燃料を引き受けて貯蔵しています。

また、MCCでは2004年から乾式の集中貯蔵施設の建設が始まり、2012年からは最初のフェーズとしてRBMK-1000型原子炉から発生する使用済燃料の受け入れと貯蔵を開始しています。この施設では将来的にはVVER-1000型原子炉由来の使用済燃料も含めて37,000トンの使用済燃料を貯蔵する計画となっています。


放射性廃棄物の管理

ロシアで発生する放射性廃棄物は、採鉱・燃料加工・原子力発電所の運転・使用済燃料の再処理といった核燃料サイクルのプロセスに伴い発生する廃棄物、医療・産業・研究活動に伴う廃棄物、原子力施設の廃止措置や汚染された地域の環境修復に伴い発生する廃棄物があります。

2013年末時点でロシアに蓄積された低レベル・中レベル・高レベル放射性廃棄物の総量は、液体状のものが約4億9千万立方メートル、固体のものが約9千立法メートルと見積もられています。これらの放射性廃棄物はロシア連邦の44の地域において、120の企業の830か所の一時貯蔵施設、及び3カ所の液体廃棄物注入施設において貯蔵されています。

また、各原子力発電所や、マヤーク等の施設において様々な種類の放射性廃棄物は再溶融、ガラス固化、焼却、セメント固化等の処理が行われています。


放射性廃棄物関連の法整備状況

ロシアにおける原子力分野の活動及び原子力利用の分野の許可活動を規制する安全規制機関として、ロシア連邦環境・技術・原子力監督局(Rostekhnadzor)が2004 年に設置されています。 放射性廃棄物管理に関する活動には同局の許認可が必要です。

ロスアトム社の放射性廃棄物管理計画をサポートするための法整備が進められており、2011年7月に「放射性廃棄物管理法」が制定されました。 この法律において、高レベル放射性固体廃棄物と長寿命中レベル放射性固体廃棄物は地層処分し、低レベル放射性固体廃棄物と短寿命の中レベル放射性固体廃棄物は浅地中処分することが定められました。放射性廃棄物管理法では廃棄物発生者が処分のための費用を特別基金に積立をすることについても定めています。

また、放射性廃棄物管理法で規定された安全で経済的な放射性廃棄物管理を実施する国家事業者として、2012年3月に国営企業ノオラオ(NO RAO)が設立されました。国営企業ノオラオが果たす役割は以下のように定められています。

  • 処分のために引き受けた放射性廃棄物の防護と安全確保
  • 放射性廃棄物処分施設の操業と廃止措置
  • 放射性廃棄物処分施設の設計と建設
  • 放射性廃棄物の発生量の分析と予測、及び放射性廃棄物管理インフラの開発
  • 放射性物質と放射性廃棄物の財務と管理に関する国家システムのための技術と情報支援
  • ロシア連邦法に基づくその他の活動

なお、放射性廃棄物管理法の適用範囲外としている使用済燃料の管理については、ロスアトム社が使用済燃料管理に関係する法整備を別途計画しています。


処分方針と実施体制

制定された「放射性廃棄物管理法」に基づき、放射性廃棄物の処分計画は、国内の原子力関連企業を束ねる国営原子力企業ロスアトム社が主導して検討しています。 ロスアトム社の前身はロシア連邦原子力庁ロスアトムであり、2007年に改組されて同じ名称の国営企業に変わりました。

放射性廃棄物の発生者は放射性廃棄物を中間貯蔵し、国家事業者が受入可能な状態に廃棄物を処理することとしています。国家事業者は発生者から廃棄物を受け入れて処分を実施します。 放射性廃棄物管理法では発生者が中間貯蔵する廃棄物の量や貯蔵期間について制限することを定めています。

高レベル放射性のガラス固化体の処分についてノオラオ社は、クラスノヤルスクの鉱業化学コンビナート(MCC)に近いエニセイスキー(Yeniseysky)と呼ばれる場所に地下研究所を建設し、最終処分場を立地する計画です。このサイトには、ニジュネカンスキー花崗岩塊と呼ばれる岩盤が存在することが知られています。ノオラオ社は2016 年に地下研究所の建設を開始し、そこでの地下特性調査や人工バリア等に関する現場での処分技術開発、設備・装置・掘削工法の設計や試験を行うことによって、2029年までにこの場所に高レベル放射性廃棄物を処分するかどうかを決定するとしています。



備考:通貨換算には、日本銀行の基準外国為替相場及び裁定外国為替相場のレート(平成27年12月中において適用)を使用しています。

  • 1ロシア・ルーブル=1.896円として換算
    (1ロシア・ルーブル=0.0158米ドル、1米ドルにつき本邦通貨:120円)





〔参考資料〕

ロシアの原子力発電利用状況

電力需給バランス(2013年)

  • 総発電電力量 10,591億kWh、うち原子力は16.3% (1,725億kWh)
  • 総電力消費量 7,441億kWh
2013年 ロシア 単位: 億kWh (=0.01 x GWh)
総発電電力量 (Total Production) 10,590.92
- 輸入 (Imports) 47.06
- 輸出 (Exports) -183.82
国内供給電力量 (Domestic Supply) 10,454.16
国内電力消費量 (Final Consumption) 7,440.91

source: «Energy Statistics 2015, IEA» Russian Federation 2013:Electricity and Heat

原子力発電の利用・導入状況

  • 稼働中の原子炉数 35基, 2,605.3万kW(2016年1月)

source: World Nuclear Power Reactors & Uranium Requirements (WNA, 世界原子力協会)


原子力関連施設

ロシアの主要な原子力関連施設の立地点





hlw/ru.txt · 最終更新: 2016/03/23 16:52 by sahara.satoshi

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