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諸外国での高レベル放射性廃棄物処分

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フランス フランスにおける高レベル放射性廃棄物処分

フランスにおける高レベル放射性廃棄物処分

全体構成(章別)


1. 高レベル放射性廃棄物の発生状況と処分方針

ポイント

  • フランスでは、原子力発電で発生する使用済燃料を再処理しています。2006年に制定された放射性廃棄物等管理計画法において、再処理等に伴って発生する高レベル放射性廃棄物及び長寿命中レベル放射性廃棄物は「可逆性のある地層処分」を行う方針を定めています。


原子力エネルギー政策の動向

フランスの原子力発電所
フランスの原子力発電所

フランスの原子力発電所は、全てフランス電力株式会社(EDF社)が運転しています。EDFは、2015年末現在、58基の原子炉を運転しており、フランス全土に電力を供給し、輸出もしています。

フランス北西部のコランタン半島の先端にAREVA社(旧COGEMA社)のラ・アーグ再処理施設があり、UP2、UP3と呼ばれるプラントが操業しています。再処理で回収したプルトニウムをMOX燃料等に加工し、再び原子力発電の燃料として利用しています。フランスでは、高速増殖炉の開発も行われてきましたが、現在は運転中のものはありません。


使用済燃料の発生と貯蔵(処分前管理)

national-waste-inventory-reports.png
国家放射性廃棄物インベントリ報告書
source: ANDRA

フランスの全ての原子力発電所から発生する使用済燃料は年間約1,150トンであり、そのうち年間約1,050トンがラ・アーグ再処理施設で再処理され、残りは再処理されずに使用済燃料のままで貯蔵されています。再処理を待つ使用済燃料は、各発電所で貯蔵されるほか、ラ・アーグ再処理施設にも受入施設としての貯蔵施設があります(いずれもプールでの湿式貯蔵)。 また、ラ・アーグ再処理施設には、再処理後に発生する高レベルガラス固化体の貯蔵施設もあり、将来の地層処分場の開設まで貯蔵しています。

フランスでは、余剰プルトニウムを発生させないためにプルサーマル用MOX燃料の年間生産・装荷量から使用済燃料の年間再処理量を計画しています(現在、年間約120トンのMOX燃料の生産に見合う量として年間約1,050トンの使用済燃料を再処理しています)。そのため、発生する全ての使用済燃料が直ぐに再処理されるわけではなく、将来の再処理を待つために貯蔵されます。これらの使用済燃料の貯蔵量増加に対応するため、使用済燃料貯蔵施設の拡張等が計画されているほか、将来の高速炉開発計画(第Ⅳ世代炉の開発)において核燃料サイクルの確立(全量再処理)を目指しています。

2015年に処分実施主体の放射性廃棄物管理機関(ANDRA)が取りまとめた最新のインベントリレポートによれば、2013年末時点の貯蔵量は、ガラス固化体が3,200m3、長寿命中レベル放射性廃棄物が44,000m3、使用済燃料が19,500トンです。

処分量の予測
再処理シナリオ別の
使用済燃料及びガラス固化体の予測発生量

発生量の値は、処分場に定置する廃棄物パッケージの体積です。
source: ANDRA Dossier 2005 Argile. Architecture and management of a geological repository (2005)

フランスで最終的に管理する必要がある使用済燃料の量、並びに再処理の結果として発生する高レベル放射性廃棄物(ガラス固化体)と長寿命中レベル放射性廃棄物の構成と量は、今後の再処理等の状況によって変化することが予想されます。2002年には、既に発生している使用済燃料(及び使用済燃料)に加え、稼働中の58基の原子炉から発生する約45,000トン(40年間の運転を想定)の使用済燃料について、複数の再処理シナリオを仮定して、最終的に処分が必要となる廃棄物量を試算しています。

使用済燃料を全て再処理する場合
(全量再処理)
使用済MOX燃料のみを再処理しない場合
(一部再処理)
2010年に再処理を停止する場合
(再処理停止)


処分方針 …可逆性のある地層処分

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フランス放射性廃棄物管理機関(ANDRA)による地層処分の可逆性に関する検討報告書
source: ANDRA

2006年に放射性廃棄物等管理計画法が制定され、高レベル放射性廃棄物を含む、あらゆる放射性廃棄物の管理に関する基本方針が定められました。同法では、高レベル放射性廃棄物及び長寿命中レベル放射性廃棄物について「可逆性のある地層処分」を行うことを基本とし、目標スケジュールとして、2015年までに地層処分場の設置許可申請を提出すること、2025年には操業を開始することが示されています。

可逆性のある地層処分」とは、処分事業を段階的に実施し、各段階において利用可能な知見をもとに、技術・環境・経済・社会的観点から処分場設計の変更や定置された廃棄物の回収などが行えるなど、将来世代に選択肢を残すことを目的とした柔軟性のある処分概念です。このため、地層処分の技術開発においては、一つ前の段階に戻るときに必要となる技術の実現性を実証する目的のプログラムも必要です。

上記の法律では、地層処分事業における可逆性を確保する期間を少なくとも100年以上(処分場の閉鎖段階までを意図)とし、処分実施主体による設置許可の申請後に可逆性の条件を定める法律を制定することを規定しています。


処分方針が決定するまでの経緯

放射性廃棄物等管理計画法成立までの流れ
放射性廃棄物等管理計画法成立までの流れ


[1] 議会科学技術選択評価委員会(OPECST)
1983年に法律で議会内に設置されている常設委員会です。国民議会(下院)と元老院(上院)から各18名、計36名で構成されています。一定数以上の議員からの要請を受けた科学技術政策の特定テーマについて、評価委員会メンバーである議員自身が調査活動を行います。通常は、調査の過程で公聴会を開催します。調査報告書を評価委員会で諮った後、議会に提出されます。

フランスの現在の処分方針―可逆性のある地層処分―は、1991年に制定された放射性廃棄物管理研究法が定めた、3つの管理方策に関する15年間にわたる研究の実施、及びそれらの研究成果の総括評価を経て決定されたものです。この法律の制定以前には、政府の主導で、当時は原子力庁(CEA、現在の原子力・代替エネルギー庁)の一部門であった放射性廃棄物管理機関(ANDRA)が4つの地域での地質調査に着手しましたが、地元の反対を受けて1990年に停止に至りました。その反対運動の原因を議会科学技術選択評価委員会(OPECST)[1]が調査した結果を踏まえて、1991年に放射性廃棄物管理研究法が制定されました。この法律において、高レベル・長寿命放射性廃棄物の管理方策に関する3つのオプションを設定し、研究を実施することにしました。

  • 長寿命の放射性核種の分離と短寿命の核種への変換を可能とする解決法
  • 地下研究所を利用した、可逆性のあるまたは可逆性のない地層処分の実現可能性
  • 長期中間貯蔵の方法、及び事前に必要となる廃棄物の前処理方法


同法はさらに、これらの研究活動の進捗を、政府が毎年、議会(国会)に報告するとともに、15年以内に研究全体を総括した評価結果を提示することを義務づけ、、その様な評価と報告書作成を行う国家評価委員会(CNE)を設置することも規定しています。

Dossier 2005
Dossier 2005:地層処分実現可能性研究成果報告書(ANDRA, 2005年)

これらの領域の研究は、処分実施主体の放射性廃棄物管理機関(ANDRA)、及び原子力・代替エネルギー庁(CEA)が進め、2005年には各管理方策に関する研究成果報告書を取りまとめました。議会はこの報告書を、議会科学技術選択評価委員会(OPECST)で検討し、2006年制定の放射性廃棄物等管理計画法に盛り込まれた基本方針のもととなる勧告を行いました。

このように、フランスでは、高レベル放射性廃棄物の処分方針の政策決定に、議会(国会)が大きな役割を果たしていることが特徴です。





〔参考資料〕

フランスの原子力発電利用状況

電源別発電電力量の変遷

[No canvas support]

電力需給バランス

2013年 フランス 単位: 億kWh (=0.01 x GWh)
総発電電力量 (Total Production) 5,725.17
- 輸入 (Imports) 116.87
- 輸出 (Exports) -601.48
国内供給電力量 (Domestic Supply) 5,240.56
国内電力消費量 (Final Consumption) 4,407.10

source: «Energy Statistics 2015, IEA» France 2013:Electricity and Heat

原子力発電の利用・導入状況

  • 稼働中の原子炉数 58基, 6,313万kW(2016年1月)

source: World Nuclear Power Reactors & Uranium Requirements (WNA, 世界原子力協会)


原子力関連施設

フランスの主要な原子力関連施設の立地点





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フランス
hlw/fr/prologue.txt · 最終更新: 2016/03/23 11:30 by sahara.satoshi

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