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カナダ

カナダの使用済燃料処分の実施主体である核燃料廃棄物管理機関(NWMO)は、2012年6月付のニュースレターにおいて、使用済燃料処分場のサイト選定プロセスにおいて、2012年6月末時点で、11地域で詳細な情報提供及び初期スクリーニングを実施する第2段階が進められており、8地域で第3段階1 が進められていることを公表した。

カナダでは、NWMOが、2010年5月から、9段階で進められる使用済燃料処分場のサイト選定を開始しており、2012年5月14日までに16地域が関心を表明し、10地域について初期スクリーニング結果が良好であることが示されていた。また、地域によるサイト選定プロセスへの関心表明の期限は2012年9月末に設定されていた。

今回のニュースレターにおいては、新たに第2段階が進められている地域として以下の4地域が示されている。

  • ホワイトリバー・タウンシップ(オンタリオ州)
  • アラン=エルダースリー自治体(オンタリオ州)
  • ソーギーンショアーズ町(オンタリオ州)
  • ヒューロン=キンロス・タウンシップ(オンタリオ州)

これまでにカナダにおける使用済燃料処分場のサイト選定に対して関心表明したのは、以下の20地域であり、それらのサイト選定における検討状況を下表に示す。

地域 サイト選定における検討状況
①イングリッシュリバー先住民族保留地 サスカチュワン州 第3段階実施中
②パインハウス村 サスカチュワン州 第3段階実施中
③クレイトン・タウンシップ サスカチュワン州 第3段階実施中
④イアーフォールズ・タウンシップ オンタリオ州 第3段階実施中
⑤イグナス・タウンシップ オンタリオ州 第3段階実施中
⑦シュライバー・タウンシップ オンタリオ州 第3段階実施中
⑧ホーンペイン・タウンシップ オンタリオ州 第3段階実施中
⑩ワワ自治体 オンタリオ州 第3段階実施中
⑥ニピゴン・タウンシップ オンタリオ州 第2段階
初期スクリーニング結果公表済み(良好)
⑰ブロックトン自治体 オンタリオ州 第2段階
初期スクリーニング結果公表済み(良好)
⑨ホワイトリバー・タウンシップ オンタリオ州 第2段階
初期スクリーニング結果は未公表
⑪ブラインドリバー町 オンタリオ州 第2段階
初期スクリーニング結果は未公表
⑫エリオットレイク市 オンタリオ州 第2段階
初期スクリーニング結果は未公表
⑬ノースショア・タウンシップ オンタリオ州 第2段階
初期スクリーニング結果は未公表
⑭スパニッシュ町 オンタリオ州 第2段階
初期スクリーニング結果は未公表
⑮アラン=エルダースリー自治体 オンタリオ州 第2段階
初期スクリーニング結果は未公表
⑯ソーギーンショアーズ町 オンタリオ州 第2段階
初期スクリーニング結果は未公表
⑱ヒューロン=キンロス・タウンシップ オンタリオ州 第2段階
初期スクリーニング結果は未公表
⑲サウスブルース自治体 オンタリオ州 第2段階
初期スクリーニング結果は未公表
●レッドロック・タウンシップ オンタリオ州 初期スクリーニング結果公表済み(不適)
サイト選定プロセスの検討から排除

サイト選定の第2段階(青文字)及び第3段階(黒文字)が進められている地域

2012年6月付のニュースレターによると、サイト選定の第3段階であるフィージビリティ調査は、複数年にわたって実施され、各地域が使用済燃料の処分プロジェクトを受け入れる適性を有するかどうかが評価される。第3段階で主に検討されるのは、人間及び環境に対する安全性とセキュリティ、地域の福祉、地域がプロセスに残留する可能性、及び周辺地域の福祉の4点である。第3段階は、2つの連続するフェーズに区分され、それぞれ1年ないしそれ以上の期間が見込まれている。現在すでに着手されている第1フェーズは、机上調査として行われるものであるが、第2フェーズでは現地でのフィールド調査も実施され、また、調査対象には周辺地域も含められる。
第3段階の第1フェーズでは、地層科学的な評価2 と、処分プロジェクトが地域や周辺地域の福祉に及ぼしうる影響の評価が実施される。地層科学的な評価の目的は、各地域において地層処分場の設置に適する可能性のある特定の立地エリア3 が選定可能かを評価することであり、以下の項目が実施される。

  1. 地質学、構造地質学や天然資源、水文地質学及び土壌に関する、利用可能な情報の詳細な評価及び解釈
  2. 利用可能な物理探査の調査結果の収集と解釈
  3. 利用可能な衛星画像を活用したリニアメント調査、地形学及び物理探査の調査結果を活用した、候補となりうる岩盤の特性(破砕帯、断層、貫入等)についての配置や方向、及び出現頻度
  4. リモートセンシングのデータ収集と評価、及び地形分析と排水解析4 に関する結果の収集
  5. 必要に応じて、机上調査で特定された地質学的特徴の限定的な地上調査による視覚的な確認

また、第3段階では、地域連絡委員会が組織されるとしている。地域連絡委員会は、地元のボランティアによって組織されるものであり、住民に対する情報提供や地域の要望の反映などにおいて、重要な役割を果たすとされている。
2012年6月付のニュースレターによると、第3段階の第1フェーズの調査の一部は、2013年中に完了するものと見込まれている。また、第1フェーズの完了時点で、適性を有するサイトが存在する可能性が低いことや、地域の意向によって、いくつかの地域は除外されることが見込まれている。第3段階の第2フェーズにおけるより詳細な調査により、最も高い適性を有する1カ所または2カ所の地域、または立地エリアを絞り込む予定とされている。なお、これまでのサイト選定の進捗と同様に、地域は次の段階に進むに当たって、正式に関心を表明することが必要とされている。

【出典】

 

【2012年9月27日追記】

核燃料廃棄物管理機関(NWMO)は、2012年9月19日付けでソーギーンショアーズ町(オンタリオ州)に対して初期スクリーニング結果を通知する書簡と報告書を公表した。初期スクリーニング結果に係る書簡と報告書によると、ソーギーンショアーズ町に関して、サイト選定手続きに関する今後の検討から除外するような明らかな条件は見つからなかったとしている。

NWMOは、これまでに11地域の初期スクリーニング結果を公表しており、今回公表されたソーギーンショアーズ町で12地域目となる。そのうち初期スクリーニング結果が良好であることが示されたのは、今回のソーギーンショアーズ町を含めて11地域である。

【出典】


  1. サイト選定プロセスの第3段階では、関心のある自治体に対して、潜在的な適合性の予備的評価を実施する。NWMOは自治体との協力の下で、自治体内のサイトが処分事業の詳細要件を満たす可能性があるかについてのフィージビリティ調査を行う。 []
  2. geoscientific assessments []
  3. siting areas []
  4. drainage analysis []

カナダの使用済燃料処分の実施主体である核燃料廃棄物管理機関(NWMO)は、処分事業及びサイト選定計画についての情報提供に対する関心表明の期限を2012年9月30日までとする声明を公表した。NWMOでは、2010年5月から使用済燃料の処分場のサイト選定を開始しており 、サイト選定プロセスの第2段階として、関心を表明した地域に対する初期スクリーニングを実施している。

NWMOが同時に公表した関心表明の期限設定に関する説明資料によると、今回期限を設定した理由として以下を挙げている。

  • 実施中の検討に知識や専門的な技術を集中させる
  • サイト選定プロセスに参加している地域への十分なサポートを提供する
  • 各地域が使用済燃料の処分プロジェクトの有力な候補地であるかどうかをできる限り早期に通知する
  • 周辺の自治体などの参画を計画し、全面的にサポートすることに寄与する

NWMOは、2012年9月30日の期限までに関心表明が行われた地域の中から、使用済燃料の処分事業を実施可能な地域が特定されるものと考えてはいるものの、将来的に新たな地域の検討が必要となった場合のため、関心表明の受付を再開する選択肢は排除しないとしている。

また、現在までに延べ16地域がサイト選定プロセスに関心を表明しており、これらの16地域には、これまでに初期スクリーニング結果が公表されている10地域に加えて、新たに以下の6地域が含まれているとされている。

  • ブラインドリバー町(オンタリオ州)
  • ブロックトン自治体(オンタリオ州)
  • エリオットレイク市(オンタリオ州)
  • ノースショア・タウンシップ(オンタリオ州)
  • サウスブルース自治体(オンタリオ州)
  • スパニッシュ町(オンタリオ州)

さらに、NWMOが2012年3月27日に公表した2011年度年報によると、初期スクリーニング結果が良好とされた地域のうち、2011年末までに以下の5地域がサイト選定プロセスの第3段階1 へ進む意思を正式に表明しているとしている。

  • イグナス・タウンシップ(オンタリオ州)
  • シュライバー・タウンシップ(オンタリオ州)
  • ホーンペイン・タウンシップ(オンタリオ州)
  • ワワ自治体(オンタリオ州)
  • クレイトン・タウンシップ(サスカチュワン州)

なお、これまでにカナダにおける使用済燃料処分場のサイト選定に対して関心表明した地域及びその状況を下表に示す。関心表明を行ったのが全部で16地域であり、初期スクリーニングの結果が良好、または初期スクリーニングが実施中であってサイト選定プロセスに関わっているのが15地域、初期スクリーニングの結果で適性がないとされたのが1地域となっている。

地域 状況
初期スクリーニング
結果
2
第3段階への
意思表明の有無
3
イグナス・タウンシップ オンタリオ州 良好 有り
シュライバー・タウンシップ オンタリオ州 良好 有り
ホーンペイン・タウンシップ オンタリオ州 良好 有り
ワワ自治体 オンタリオ州 良好 有り
クレイトン・タウンシップ サスカチュワン州 良好 有り
レッドロック・タウンシップ オンタリオ州 不適
パインハウス村 サスカチュワン州 良好
イングリッシュリバー先住民族保留地 サスカチュワン州 良好
イアーフォールズ・タウンシップ オンタリオ州 良好
ニピゴン・タウンシップ オンタリオ州 良好
ブラインドリバー町 オンタリオ州 未公表
ブロックトン自治体 オンタリオ州 未公表
エリオットレイク市 オンタリオ州 未公表
ノースショア・タウンシップ オンタリオ州 未公表
サウスブルース自治体 オンタリオ州 未公表
スパニッシュ町 オンタリオ州 未公表

【出典】

【2012年6月4日追記】

核燃料廃棄物管理機関(NWMO)は、2012年5月14日付けでブロックトン自治体(オンタリオ州)に対して初期スクリーニング結果を通知するレター及び概要報告書を公表した。初期スクリーニング結果に係るレター及び概要報告書によると、ブロックトン自治体については、サイト選定手続きに関する今後の検討から除外するような明らかな条件は見つからなかったとしている。

NWMOは、これまでに、10地域の初期スクリーニング結果を公表しており、今回公表されたブロックトン自治体で11地域目となる。なお、これまで関心表明を行ったのは全部で16地域であり、初期スクリーニングの結果が良好となったのは10地域であり、初期スクリーニングを実施中が5地域、適性がないとされたのが1地域であり、現在、サイト選定プロセスに関わっているのは15地域となる。

【出典】


  1. サイト選定プロセスの第3段階では、関心のある自治体に対して、潜在的な適合性の予備的評価を実施する。NWMOは自治体との協力の下で、自治体内のサイトが処分事業の詳細要件を満たす可能性があるかについてのフィージビリティ調査を行う。 []
  2. 良好:今後の検討から除外するような明らかな条件は見つからなかったとされた地域

    不適:サイト選定プロセスにおける適性のある候補地とは見なさない地域 []

  3. 2011年末までに意思表明した地域 []

カナダでの低・中レベル放射性廃棄物処分場の計画

カナダの低・中レベル放射性廃棄物の地層処分場プロジェクトについては、許認可申請の前段階として、環境影響を審査する段階に入っている。カナダ環境評価局(CEAA)は、2月3日に、オンタリオ・パワー・ジェネレーション(OPG)社が提出した環境影響評価書(EIS)及び予備的安全評価書等について、合同評価パネル(JRP)がパブリックコメントの募集を開始することを公表した。コメントの募集期間は最大で6カ月とされ、必要に応じ延長するとしている。

合同評価パネル(JRP)は、審査の開始に当たり、EIS等の概要についてOPG社などから説明を受けるためのオリエンテーション会議を2月21日に開催することとしている。オリエンテーション会議では、OPG社の他、カナダ原子力安全委員会(CNSC)によるプレゼンテーションも予定されている。

OPG社は、オンタリオ州キンカーディン自治体のブルース原子力発電所サイトで低・中レベル放射性廃棄物処分の実施を計画しており、地下約680mの石灰岩層に建設される地層処分場において、OPG社の原子力発電所から発生する約20万m3の低・中レベル放射性廃棄物を処分することとしている。また、OPG社が2011年4月に提出したEIS、予備的安全評価書等については、CNSCとCEAAが合同評価パネル(JRP)を設置して審査することとされ、2012年1月にはJRPの委員3名が任命されていた(2012年1月26日追記参照)。

米国での新たな低レベル放射性廃棄物処分場の操業開始

米国では、2011年11月10日に、テキサス州アンドリュースで低レベル放射性廃棄物のWCSテキサス処分場が操業を開始した。WCSテキサス処分場の操業者は、ウェースト・コントロール・ スペシャリスト(WCS)社であり、1985年低レベル放射性廃棄物政策修正法で州または州が共同で処分を実施するとされた以降、初めて建設された低レベル放射性廃棄物処分場となる。

WCSテキサス処分場は、テキサス州とバーモント州で構成されるテキサス・コンパクト1 のクラスA・B・Cの低レベル放射性廃棄物2 と、エネルギー省(DOE)などの連邦政府の低レベル放射性廃棄物の処分を行うこととなっている。なお、WCSテキサス処分場では、テキサス・コンパクトを構成する州の他、現状でクラスB・Cの低レベル放射性廃棄物の処分ができない州でも、テキサス低レベル放射性廃棄物処分コンパクト委員会(TLLRWDCC)の特別な承認を受けることを前提として、クラスA・B・Cの低レベル放射性廃棄物を処分することが可能となっている。

なお、米国ではこの他に、以下の3カ所の民間低レベル放射性廃棄物処分場が操業されているが、処分可能廃棄物や受け入れ可能な州に制限がある。

処分可能廃棄物 受け入れ可能な州
バーンウェル処分場
(サウスカロライナ州)
クラスA・B・Cの低レベル放射性廃棄物 アトランティック・コンパクト(サウスカロライナ州、コネティカット州、ニュージャージー州)
リッチランド処分場
(ワシントン州)
クラスA・B・Cの低レベル放射性廃棄物 ノースウェスト・コンパクト(アラスカ州、ハワイ州、アイダホ州、モンタナ州、オレゴン州、ユタ州、ワシントン州、ワイオミング州)及びロッキーマウンテン・コンパクト(コロラド州、ネバダ州、ニューメキシコ州)
クライブ処分場
(ユタ州)
クラスAの低レベル放射性廃棄物 全ての州

【出典】


  1. 1985年低レベル放射性廃棄物政策修正法では、低レベル放射性廃棄物は州が単独またはコンパクトと呼ばれる共同協定グループを形成し、コンパクトに加盟する州からの廃棄物の処分に責任を持つこととされている。 []
  2. 米国では、1985年低レベル放射性廃棄物政策修正法及び原子力規制委員会(NRC)の連邦規則(10 CFR Part 61)において、浅地中処分が可能な低レベル放射性廃棄物としてクラスA・B・Cの分類が定められている。また、クラスCを超える低レベル放射性廃棄物(GTCC廃棄物)は、連邦政府が処分を行うこととなっている。 []

カナダの使用済燃料処分の実施主体である核燃料廃棄物管理機関(NWMO)は、「適応性のある段階的管理」(APM詳細はこちら)の実施に関して、2012年~2016年の5年間における実施計画案を公表した。

使用済燃料の長期管理アプローチに関する2007年の政府決定 を受けて、NWMOは2008年以降、向こう5年間の実施計画を毎年策定している 。今回の実施計画案は2012年~2016年の5年間を対象としたものである。2010年に開始したサイト選定の進捗状況も踏まえ、9段階からなるサイト選定計画 の第4段階までを見据えた内容となっている。NWMOは、同計画案に対する意見募集を2011年12月31日まで実施し、寄せられたコメントへの対応等を行い、2012年3月に最終版を公表する予定である。

NWMOは、これまで、処分事業及びサイト選定計画に関する情報提供に関心を表明した自治体への検討支援、関心表明した自治体での初期スクリーニングの実施をしている 。また、処分場のセーフティケースの信頼性向上、処分場の安全性に影響する可能性のあるプロセスの科学的な理解の向上に取り組んできた。2012年からの実施計画案では、これまでの活動の継続に加えて、次の活動の開始を盛り込んでいる。

  • 候補サイト及び輸送経路の評価に資する、中間貯蔵施設(原子力発電所でのサイト内貯蔵)から地層処分場までの使用済燃料の輸送オプションの検討
  • 候補サイトの評価の支援に資する、処分場の設計及び予備的安全評価に関する情報の提供
  • 地域の要請及び協力の下での、潜在的な適合性の予備的評価の実施(第3段階)
  • 関心を有する地域から、地域レベルでの調査或いはサイトの精密調査を実施するための、適性を有するサイトを選定するためのアプローチの開発
  • 地域の要請及び協力の下での、サイトの精密調査の実施(第4段階)
  • プロトタイプの処分コンテナの試験施設の設置

また同計画案には、2012年からの5年間のうちに作業を完了させる活動についても示しており、これらには以下のようなものを例示している。

  • 例証のための処分場の閉鎖後安全評価の実施
  • 規制機関であるカナダ原子力安全委員会(CNSC)による事前プロジェクト評価としての、処分場設計及びセーフティケースの評価の実施
  • 処分コンテナの配置及び処分容量の最適化研究
  • プロトタイプの処分コンテナ及び輸送キャスクの初期設計、製造及び試験
  • 適応性のある段階的管理のための概念設計及び費用見積りの更新

【出典】

  • 核燃料廃棄物管理機関(NWMO)ウェブサイト
    http://www.nwmo.ca/implementationplan
  • 核燃料廃棄物管理機関(NWMO)、2012-2016年実施計画書案
    Implementing Adaptive Phased Management 2012 to 2016 – Draft for Public Review, November 2011

カナダの使用済燃料処分の実施主体である核燃料廃棄物管理機関(NWMO)は、シュライバー・タウンシップ(オンタリオ州)及びホーンペイン・タウンシップ(オンタリオ州)の2地域に対する初期スクリーニング結果及び報告書を公表した。これまで5地域が、処分事業及びサイト選定計画についての情報提供に対して関心を表明し、同時に、サイト選定計画の第2段階として行われる初期スクリーニングの実施を要望していたが、今回のホーンペイン・タウンシップは、2011年3月21日に、新たに関心表明、初期スクリーニングの実施を要望していたものである。

今回初期スクリーニング結果が公表された2地域に関して、NWMOは、いずれの地域も今後の検討から除外するような明らかな条件は見つからなかったとしている。また、両地域内には、地層処分場の設置の可能性のある地層を有する地域が存在するとしている。さらに、これらの地域の適性に関しては、地元がサイト選定手続への関心を継続して有する場合、今後のサイト評価の段階で検討されるとしている。

NWMOは、これまでに4地域における初期スクリーニング結果を公表しており 、今回公表された2地域を含めると、初期スクリーニングの結果が公表された地域は以下の6地域となり、いずれも初期スクリーニングの結果は良好なものとなっている。

  • パインハウス村(サスカチュワン州)
  • イングリッシュリバー先住民族保留地(サスカチュワン州)
  • イアーフォールズ・タウンシップ(オンタリオ州)
  • イグナス・タウンシップ(オンタリオ州)
  • シュライバー・タウンシップ(オンタリオ州)
  • ホーンペイン・タウンシップ(オンタリオ州)

【出典】

【2011年6月28日追記】

核燃料廃棄物管理機関(NWMO)は、これまでに初期スクリーニングの結果を公表した6地域とは別に、新たにレッドロック・タウンシップ(オンタリオ州)の初期スクリーニングを行った結果として、サイト選定プロセスにおける適性のある候補地とは見なさないことを公表した。

初期スクリーニングは、関心表明と初期スクリーニングの実施を要望した地域について、5つのスクリーニング基準を適用して、その地域の潜在的な適合性を既存の情報に基づいて評価するものである 。レッドロック・タウンシップの初期スクリーニングの結果について、NWMOは、検討を行った地域は、地層処分場の母岩として潜在的に適するような地層を含んでいる可能性が低いとしている。また、スクリーニングで考慮した種々の地層について、サイト特性が受け入れられるものでなく、地層処分場の安全な閉じ込め・隔離の機能に合致する可能性が低いとしている。

【出典】

【2011年8月5日追記】

核燃料廃棄物管理機関(NWMO)は、クレイトン・タウンシップ(サスカチュワン州)に関する初期スクリーニング結果及び概要報告書を公表した。初期スクリーニング結果に係る報告書によると、クレイトン・タウンシップについては、サイト選定手続きに関する今後の検討から除外するような明らかな条件は見つからなかったとしている。

NWMOは、これまでに、8地域の初期スクリーニング結果を公表しており、今回公表されたクレイトン・タウンシップを含めると、以下の7地域の初期スクリーニング結果が良好なものであったとしている。

  • パインハウス村(サスカチュワン州)
  • イングリッシュリバー先住民族保留地(サスカチュワン州)
  • クレイトン・タウンシップ(サスカチュワン州)
  • イアーフォールズ・タウンシップ(オンタリオ州)
  • イグナス・タウンシップ(オンタリオ州)
  • シュライバー・タウンシップ(オンタリオ州)
  • ホーンペイン・タウンシップ(オンタリオ州)

なお、次のサイト選定計画の第3段階では、自治体との協力で選定したエリアにおいて、処分事業の詳細要件を満たす可能性があるかについてのフィージビリティ調査を行うこととなっている。

【出典】

【2011年11月1日追記】

核燃料廃棄物管理機関(NWMO)は、これまでに初期スクリーニングの結果を公表した8地域とは別に、新たにワワ自治体(オンタリオ州)に対する初期スクリーニングの結果を公表し、サイト選定手続きに関する今後の検討から除外するような明らかな条件は見つからなかったとしている。

NWMOは、今回のワワ自治体を含めて9地域の初期スクリーニング結果を公表しており、レッドロック・タウンシップ以外については、初期スクリーニング結果が良好なものであったとしている。なお、初期スクリーニング結果が良好なものとされた、8地域は以下のとおりである。

  • パインハウス村(サスカチュワン州)
  • イングリッシュリバー先住民族保留地(サスカチュワン州)
  • クレイトン・タウンシップ(サスカチュワン州)
  • イアーフォールズ・タウンシップ(オンタリオ州)
  • イグナス・タウンシップ(オンタリオ州)
  • シュライバー・タウンシップ(オンタリオ州)
  • ホーンペイン・タウンシップ(オンタリオ州)
  • ワワ自治体(オンタリオ州)

【出典】

【2012年1月17日追記】

核燃料廃棄物管理機関(NWMO)によるサイト選定の第2段階での初期スクリーニングでは、8地域での結果が良好とされているが、このうち4地域の自治体議会は、2011年末にかけて、サイト選定プロセスの第3段階に進むことに対する関心表明の決議を行った。2011年11月から12月にかけて関心表明を行った4地域は、以下のとおりである。

  • イグナス・タウンシップ(オンタリオ州)
  • シュライバー・タウンシップ(オンタリオ州)
  • ホーンペイン・タウンシップ(オンタリオ州)
  • ワワ自治体(オンタリオ州)

サイト選定の第3段階は、①NWMOが自治体と共同で、その中に潜在的に適合するサイトがあるかどうかを評価するための「フィージビリティ調査」を行う、②潜在的に適合するサイトのある自治体は、詳細なサイト評価へと続行することに関心があるかどうかを評価する、との2つのステップで行われる。このうち、「フィージビリティ調査」は、既存の情報の入手の可能性によって約1年間から2年間で実施され、地球科学と自治体の福祉に関する基準を用いて判断される。

NWMOは各地域の協力の下、2012年初めに第3段階の調査を開始する予定とされている。ただし、自治体は、フィージビリティ調査の実施以後のプロジェクトへの参加を約束する必要はなく、続行することに関心を持たない自治体は、サイト選定プロセスへの参加が終了することとなっている。

【出典】

【2012年3月1日追記】

核燃料廃棄物管理機関(NWMO)は、使用済燃料の処分場のサイト選定に関心を表明した地域に対して、初期スクリーニングを実施して来ており、これまでに9地域の初期スクリーニングの結果を公表している。

今回、NWMOは、これまでの9地域とは別に、新たにニピゴン・タウンシップ(オンタリオ州)に対する初期スクリーニング結果及び報告書を公表した。初期スクリーニング結果に係る報告書によると、ニピゴン・タウンシップについては、サイト選定手続きに関する今後の検討から除外するような明らかな条件は見つからなかったとしている。

NWMOは、今回の新たな地域を含めて10地域の初期スクリーニング結果を公表しており、レッドロック・タウンシップ(オンタリオ州)以外については、初期スクリーニング結果が良好なものであったとしている。初期スクリーニング結果が良好なものとされたのは、以下の9地域である。

  • パインハウス村(サスカチュワン州)
  • イングリッシュリバー先住民族保留地(サスカチュワン州)
  • クレイトン・タウンシップ(サスカチュワン州)
  • イアーフォールズ・タウンシップ(オンタリオ州)
  • イグナス・タウンシップ(オンタリオ州)
  • シュライバー・タウンシップ(オンタリオ州)
  • ホーンペイン・タウンシップ(オンタリオ州)
  • ワワ自治体(オンタリオ州)
  • ニピゴン・タウンシップ(オンタリオ州)

上記の9地域のうち、これまでにイグナス・タウンシップ、シュライバー・タウンシップ、ホーンペイン・タウンシップ、ワワ自治体のいずれもオンタリオ州の4地域は、サイト選定プロセスの第3段階に進むことに対する関心表明の決議を行っており、この段階では潜在的に適合するサイトの存在を評価するための「フィージビリティ調査」等が実施されることとなる。

【出典】

カナダのオンタリオ・パワー・ジェネレーション(OPG)社は、2011年4月14日に、計画中の低・中レベル放射性廃棄物の地層処分場に関して、環境影響評価書(EIS)、予備的安全評価書等を連邦政府の合同評価パネル(JRP)に提出したことを公表した。EISによると、OPG社が提案している低・中レベル放射性廃棄物の地層処分場が環境に大きな影響を与える可能性は低いとしている。

EISは、カナダ環境評価法に基づいて、連邦政府が管轄するプロジェクトに必要とされるものであり、低・中レベル放射性廃棄物処分場に関するカナダ原子力安全委員会(CNSC)の許認可プロセスの一環として提出が求められていたものである。CNSCは、2006年12月に、低・中レベル放射性廃棄物処分場のEISのレビューを合同評価パネル(JRP)が行うことを提言し、2007年6月に環境大臣がJRCへの付託を決定していた。また、2009年1月には、CNSC及びカナダ環境評価局(CEAA)により、EISのガイドラインが公表されていた

EISによると、2009年1月に、OPG社とカナダ核燃料廃棄物管理機関(NWMO)とは、本プロジェクトに関する許認可プロセスをNWMOが担当する契約を締結しており、EISの作成はNWMOが実施したとされている。EISは、完全性、追跡可能性のある以下のようなステップで実施されている。

  • プロジェクトについての説明する
  • 現在の環境条件の特性を示す
  • プロジェクトと環境との間の潜在的な相互作用を特定する
  • 環境への無視できない影響があるかを判断するため、プロジェクト及び環境の相互作用をさらに評価する
  • 環境への無視できない影響があると判断されたものについて、環境に影響を与えるかどうか決定する。影響を与えるものについては、影響を取り除き、緩和するための対策を検討し、対策の実施後の残留影響については、他のプロジェクトとの複合的な影響についても評価する
  • 影響の緩和策の実施後の残留影響が重大であるかを評価する

また、EISでは、評価対象となる環境を以下の8つに分類して評価している。

  • 地質
  • 水文及び地表水の質
  • 陸上環境
  • 水環境
  • 放射線及び放射能
  • 大気環境
  • 先住民の利害
  • 社会経済環境

EISによると、これらの要素についての評価結果から、影響の緩和策の実施後の残留影響がいくつか特定されたが、これらの残留影響についての重大性の評価により、大きな影響はないと評価されたとしている。また、残留影響について他のプロジェクトとの複合的な影響についても評価が行われたが、影響はないと評価されたとしている。OPG社は、これらの評価結果を考慮すると、同プロジェクトが作業員の健康や安全性、公衆や生物への影響はなく、地域の社会経済には有益な結果をもたらすとして、環境に大きな影響を与える可能性は低いと結論付けている。

また、OPG社では、EISにおいて使用された仮定と評価結果の正確性及び影響の緩和策の効果を確認し、新たな対策の必要性を確認するため、処分場の建設・操業中に補足的な監視活動を実施するとしている。

EISによると、今後、JRPはEISのレビューに際してパブリックコメントや公聴会を実施し、評価結果を環境大臣に報告する予定である。また、低・中レベル放射性廃棄物処分場の操業開始を早ければ2018年前後とされている。

【出典】

【2012年1月26日追記】

カナダ原子力安全委員会(CNSC)とカナダ環境評価局(CEAA)は、2012年1月24日付の共同プレスリリースにおいて、オンタリオ・パワー・ジェネレーション(OPG)社が提案している低・中レベル放射性廃棄物の地層処分場プロジェクトを審査する合同評価パネル(JRP)の委員3名が任命されたことを公表した。

2009年1月にカナダ原子力安全委員会とカナダ環境評価局との間で締結された合同評価パネルの設置に関する協定 において、合同評価パネルは、環境影響評価法及び原子力安全管理法に基づいて、プロジェクトの環境影響評価書(EIS)、サイト準備・建設の許可申請に関して評価・審査を行うこととされている。

【出典】

カナダの使用済燃料処分の実施主体である核燃料廃棄物管理機関(NWMO)は、パインハウス村(サスカチュワン州)及びイングリッシュリバー先住民族保留地(サスカチュワン州)の2つの地域に対する初期スクリーニングの結果及び概要報告書を公表し、両地域を今後の検討から除外するような明らかな条件は見つからなかったとしている。

カナダにおける使用済燃料処分場サイト選定では、2010年5月にNWMOがサイト選定計画を公表し、サイト選定を開始していた 。2010年末までに、今回の初期スクリーニングの結果が公表された2地域を含む5地域が、処分事業及びサイト選定計画についての情報提供に対して関心を表明し、サイト選定の第2段階として行われる初期スクリーニングの実施を要望していた

サイト選定の第2段階で実施される初期スクリーニングは、関心を表明した地域の求めに応じて、既存の情報に基づいて、その地域の潜在的な適合性を評価するものである。初期スクリーニングでは、以下の5つのスクリーニング基準を適用して評価が行われている。

  • サイトには、地上及び地下施設を収容できる大きさの土地がなければならない。
  • 利用可能な土地は、保護区域、遺産地域、州立公園、国立公園の外側でなければならない。
  • 利用可能なサイトは、将来の世代による擾乱の可能性がないよう、飲用、農業及び工業用途に使用される既知の地下水資源が処分場の深さに含まれていてはならない。
  • 利用可能な土地は、処分場サイトに将来の世代による擾乱の可能性がないよう、既知の経済的に利用できる天然資源が賦存していてはならない。
  • 利用可能な土地は安全性の要因を考慮し、サイトの安全性を妨げるような地質及び水文地質学的特性を持つ区域に入っていてはならない。

初期スクリーニングの結果によると、両地域には、一部に除外すべき区域があるものの、候補から除外する明らかな条件は見つからなかったとしている。両地域がプロジェクトへの参画を継続するとした場合、地域の適性を確認するためのより詳細な技術的、社会的調査の対象となるとしている。また、これらの地域内から選定された1つのサイトにおいて、使用済燃料を安全に隔離することができるかを確認するためには、数年にわたる調査が必要であるとしている。

なお、次の調査段階は、サイト選定計画の第3段階に相当することとなり、NWMOと地域との協力の下、地域内から選定されたサイトが処分事業の詳細要件を満たす可能性があるかについてのフィージビリティ調査が行われることとなっている。

【出典】

【2011年4月20日追記】

核燃料廃棄物管理機関(NWMO)は、イグナス・タウンシップ(オンタリオ州)について、初期スクリーニング結果及び概要報告書を公表した。イグナス・タウンシップは、処分事業及びサイト選定計画についての情報提供に対して関心を表明し、サイト選定の第2段階となる初期スクリーニングの実施を要望していたものである。初期スクリーニング結果に係る報告書によると、イグナス・タウンシップは、サイト選定手続きにおける今後の検討から除外するような明らかな条件は見つからなかったとしている。なお、初期スクリーニングについては、これまでにパインハウス村(サスカチュワン州)及びイングリッシュリバー先住民族保留地(サスカチュワン州)の2地域についての結果が公表されており、今回で5地域のうちの3地域目となる。

【出典】

【2011年5月18日追記】

核燃料廃棄物管理機関(NWMO)は、イアーフォールズ・タウンシップ(オンタリオ州)について、初期スクリーニング結果及び概要報告書を公表した。初期スクリーニング結果に係る報告書によると、イアーフォールズ・タウンシップは、サイト選定手続きにおける今後の検討から除外するような明らかな条件は見つからなかったとしている。
2010年12月末時点で5つの地域が、情報提供に対する関心表明と同時に、初期スクリーニングの実施を要望しており、これまでにパインハウス村(サスカチュワン州)、イングリッシュリバー先住民族保留地(サスカチュワン州)、イグナス・タウンシップ(オンタリオ州)の3地域についての初期スクリーニング結果が公表されている。

【出典】

カナダの使用済燃料処分の実施主体である核燃料廃棄物管理機関(NWMO)は、2011年3月29日に、2008年度から2010年度までの事業内容等を取りまとめた報告書(以下「3年次報告書」という)を連邦天然資源大臣に提出したことを公表した。

2002年11月に施行された「核燃料廃棄物法」では、NWMOの活動に関する年次報告書に加えて、3年に一度、3年次報告書の作成が求められている。今回NWMOが公表した3年次報告書は、NWMOが初めて作成したものであり、核燃料廃棄物法の規定に基づいて、3年間の事業内容の他、2011年から2015年までの実施計画及び予算の見通し、過去3年間にNWMOが実施した活動に対する公衆の意見募集の結果、諮問委員会のコメントなどがまとめられている。

2010年度までの戦略的目標については、以下のような目標が示されている。

  • 関心のある人々との持続可能で長期的な関係の構築及び将来の方向性の設定への参画
  • 情報の提供を受け、処分場を受入れる意思のある地域での処分に向け、協力的なサイト選定手続きの実施
  • 結晶質岩及び堆積岩での処分のための設計及びセーフティケースの開発、最善な慣行と整合して継続的な向上を目指す研究開発の推進
  • 安全、長期の管理のための資金確保
  • 新たな知見、国際的な最善の慣行、技術の高度化、社会的な期待・価値の変化に対する処分計画の適応
  • NWMO事業の実施における一般公衆の信頼に寄与するような責任あるガバナンス体制の維持
  • 社会、環境、技術及び財務能力を持った実効的な実施主体の整備と維持

このような戦略的目標に対して、3年次報告書でNWMOは、2008年度から2010年度の取組における成果として、以下の点を挙げている。

  • 「適応性のある段階的管理(APM)」のためのサイト選定プロセスの確立
  • 2010年5月のサイト選定プロセスの開始
  • 地層処分に関するレファレンス設計やセーフティケースの開発・改良
  • 将来のAPMプログラムに関する財政的な枠組みの確立
  • NWMOの技術、監督、ガバナンスなどの能力の向上及び組織基盤の整備

また、3年次報告書では、サイト選定手続きの実施については、2010年5月にサイト選定プロセスを開始した後、2010年末までに以下の5つの地域が、処分事業及びサイト選定計画についての情報提供に対して関心を表明する決議を行ったことが示されている。

  • パインハウス村(サスカチュワン州)
  • イングリッシュリバー先住民族保留地(サスカチュワン州)
  • イアーフォールズ・タウンシップ(オンタリオ州)
  • イグナス・タウンシップ(オンタリオ州)
  • シュライバー(オンタリオ州)

NWMOは、これらの地域での検討を行うため、APMやプロジェクトを紹介する機会や情報を提供する取組を行っているとしている。また、NWMOは、関心を表明した地域の周辺の先住民に情報を提供するなどの取組を開始したとしている。

さらに、3年次報告書では、2010年10月のドラフトに基づいて検討した2011年から2015年までの実施計画の最終版も示されている。この実施計画では、2015年までの戦略的目標としてサイト選定手続きの実施を掲げ、2011年には9段階からなる選定プロセスの第2段階(詳細な情報提供、初期スクリーニングの実施)及び第3段階(潜在的な適合性の予備的評価の実施)を実施するとしている。

なお、2002年に、核燃料廃棄物発生者である原子力事業者及びカナダ原子力公社(AECL)は、各々が信託基金を設定しており、その資金残高は、2010年12月末時点で合計約21億カナダドル(約1,700億円)とされている。

【出典】

カナダの使用済燃料処分の実施主体である核燃料廃棄物管理機関(NWMO)は、新たに開設したサイト選定計画に関するウェブサイトにおいて、サイト選定計画の最終版を示し、サイト選定計画の第1段階を開始したことを公表した。第1段階においてNWMOは、関心のある個人、団体及び自治体に対して、使用済燃料の長期管理計画、NWMOの活動、サイト選定計画について更なる情報提供を行うとしている。

今回公表されたサイト選定計画は、核燃料廃棄物管理機関(NWMO)が同計画策定に向けて2009年5月に公表した草案に対する意見聴取の結果を踏まえて最終版としたものである。同計画では、準備段階に続く9段階からなるサイト選定計画が示されており、サイト選定に関連する安全性に係る基準に加え、考慮されるべき社会、経済、文化等に関する基準も示されている。

準備段階 連邦政府及び州政府、先住民組織、規制機関などとの協議の後、NWMOが最終版としたサイト選定計画を公表する。
第1段階 NWMOは、処分事業及びサイト選定計画についての情報提供、質疑応答等の広範なプログラムを伴うサイト選定計画を実施に移す。

意識啓蒙活動は、サイト選定プロセスの全期間にわたって継続する。

第2段階 詳しく知りたい自治体に対して、NWMOが詳細な情報提供を行う。初期スクリーニングを実施する。

自治体からの要請により、NWMOが初期スクリーニング基準に基づいて潜在的な適合性の評価を行う。

第3段階 関心のある自治体に対して、潜在的な適合性の予備的評価を実施する。

NWMOは自治体との協力の下で、自治体内のサイトが処分事業の詳細要件を満たす可能性があるかについてのフィージビリティ調査を行う。

第4段階 関心のある自治体に対して、影響を受ける可能性のある周辺自治体を参加させるとともに、サイトの精密調査を完了する。

NWMOは、地域調査や複数年におよぶ精密調査に進むことを正式に表明した自治体から一つ、もしくは複数のサイトを選定する。関心のある自治体とともに、影響を受ける可能性のある周辺自治体、先住民政府、州政府の参加を得て、地域レベルでの健康、安全、環境、社会、経済、文化的な影響を評価する(地域調査)。

第5段階 適合性のあるサイトを有する自治体が処分場の受入可否を決定し、NWMOとの正式合意条件を提案する。
第6段階 NWMOと立地自治体が処分場受入に関して正式に合意する。
第7段階 規制機関は、独立・公式・公開プロセスで処分事業の安全性レビューを行い、すべての要件が満足される場合、事業を進めることを承認する。

環境評価、サイト準備、建設及び操業に関する許認可プロセスを通じ、規制機関によるレビューが実施される(使用済燃料の輸送に関する規制機関の承認も必要とされる)。

第8段階 地下実証施設の建設・操業

NWMOはサイトの特性を確認するための地下実証施設の建設と操業を含む地域拠点を設立する。

第9段階 処分施設の建設・操業

また、サイト選定計画においては、サイト選定に関する主要な指針として、以下のような考え方が示されている。

  • サイト選定は核燃料サイクルに直接関わる州内で集中的に行う。
  • 立地自治体は十分な情報提供を受け、処分事業を受け入れる意思のある自治体でなければならない。
  • 自治体は処分場受入の最終的な合意がなされるまで、サイト選定のどの段階においても選定プロセスから撤退できる。
  • 立地自治体は処分場受入により恩恵を受ける権利を有し、処分事業は自治体及び地域の長期的な福祉や生活の質を向上させるように実施されなければならない。

【出典】

  • 核燃料廃棄物管理機関(NWMO)、サイト選定計画に関するウェブサイト、http://www.nwmo.ca/sitingprocess
  • 核燃料廃棄物管理機関(NWMO)、NWMOサイト選定計画文書、 Moving Forward Together: Process for Selecting a Site for Canada’s Deep Geological Repository for Used Nuclear Fuel, May 2010

【2010年10月12日追記】

カナダの使用済燃料処分の実施主体である核燃料廃棄物管理機関(NWMO)は、2010年9月付ニュースレターにおいて、2010年9月までに以下の4つの地域が、処分事業及びサイト選定計画についての情報提供に対して関心を表明する決議を行ったとしている。これら決議には、地域の適性に関する初期スクリーニング(サイト選定計画の第2段階に相当)の実施についての要望も含まれている。初期スクリーニングには、2~3カ月かかると見込まれている。

  • パインハウス村(サスカチュワン州)
  • イングリッシュリバー先住民族保留地(サスカチュワン州)
  • イアーフォールズ・タウンシップ(オンタリオ州)
  • イグナス・タウンシップ(オンタリオ州)

【出典】

カナダの使用済燃料処分の実施主体である核燃料廃棄物管理機関(NWMO)は、自身のウェブサイトにおいて、2009年度の年報を2010年3月25日に連邦天然資源大臣に提出したことを公表するとともに、同年報を掲載した。NWMOによる年報の作成・公表は、2002年11月に施行された「核燃料廃棄物の長期管理に関する法律」(略称:核燃料廃棄物法)に基づくものである。今回の年報では、2007年6月に政府決定された使用済燃料の長期管理アプローチ「適応性のある段階的管理」の実施に向けた7つの戦略的目標について、2009年度における事業の進捗状況が報告されている。なお、適応性のある段階的管理の実施に向けた7つの戦略的目標は以下の通りである。

  • 公衆との長期的な関係構築
  • 研究推進
  • 処分費用の資金確保
  • 計画のレビュー、調整、有効化
  • 組織の統治・監督等
  • 実施主体の増強
  • サイト選定手続きの策定 (既報

このうち公衆との長期的な関係構築の分野では、2009年中に核燃料サイクルに関連している4州の17の地域において公衆との対話集会を開催し、合計で700人以上が参加したことが示されている。また、適応性のある段階的管理のためのサイト選定では、関心のある自治体の協力が必要であるため、核燃料廃棄物管理機関(NWMO)は、2009年中にNWMOが地方自治体とのコミュニケーションを行うための地方自治体フォーラムを設立し、3度の会合を行ったことが示されている。

また、研究推進の分野では、結晶質岩及び堆積岩の両岩種を対象とし、使用済燃料の地層処分場の概念設計やセーフティケースのアップデートに関するプロジェクトを開始したとしている。これらの概念設計やセーフティケースは、事前許可審査のため、2012年までに安全規制当局であるカナダ原子力安全委員会(CNSC)に提出するとしている。

さらに同年報では、2002年に核燃料廃棄物発生者の原子力発電会社及びカナダ原子力公社(AECL)によって設定された各信託基金の資金残高が、2009年12月末時点で合計約18億カナダドル(約1,400億円)とされている(1カナダドル=77円で換算)。

なお、核燃料廃棄物管理機関(NWMO)は、2009年5月に地層処分場のサイト選定計画案に関する協議文書を公表し、同案に対する意見募集を開始していたが、同年報によると、NWMOは、寄せられたすべての意見などを考慮に入れ、サイト選定計画を最終版として2010年中に公表することとしている。

【出典】

  • 核燃料廃棄物管理機関(NWMO)2009年度年報、 Moving Forward Together, Annual Report 2009, NWMO

【2010年4月2日追記】

核燃料廃棄物管理機関(NWMO)は、2010年3月31日、「適応性のある段階的管理」に関する2010年~2014年の実施計画書を公表した。同計画書では、2013年までに候補サイトでの詳細調査、社会経済的評価の開始準備が整う見込みであることが示されている。なお、同計画書は2009年11月に草案が公表され、意見募集が行われていた。

【追記部出典】

  • 核燃料廃棄物管理機関(NWMO)、Implementing Adaptive Phased Management 2010-2014, March 2010