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《カナダ》核燃料廃棄物管理機関(NWMO)が2018~2022年の実施計画書を公表

カナダの使用済燃料処分の実施主体である核燃料廃棄物管理機関(NWMO)は、自身のウェブサイトにおいて、「適応性のある段階的管理」(APM詳細はこちら)の実施に関して、2018年から5カ年の実施計画書を公表した。NWMOは2008年以降毎年、今後5年間の行動計画をまとめた実施計画書の案を公表し、広く国民から意見を聴取した上で最終化する手順を踏んでいる。NWMOは、今回の2018年からの実施計画書の公表に先がけて、2017年9月末から11月末までの約2ヶ月間にわたり意見募集を行っていた。2018~2022年の実施計画書では、今後5年間の戦略的目標として以下の8点を挙げている。

  • 国民や地元住民との持続的な関係の構築、及び社会の期待や価値観の変化等に対応した計画の変更
  • コミュニティとの協力によるサイト選定プロセスの前進
  • 処分場及び人工バリアシステムの安全性と実現可能性の実証
  • 建設及び操業の計画立案
  • 技術的知見の向上
  • 輸送計画の策定
  • 資金面での安定性の確保
  • ガバナンスの確保と説明責任の履行

今回公表された実施計画書からは、これらの戦略的目標や、その実現のための活動の適切性について、2018年7月20日まで意見を求める巻末アンケートが添付されており、NWMOは国民からの意見募集をより長い期間にわたって実施する意向を表明している。

候補サイト選定後、操業開始までの参照スケジュール

カナダでは現在、サイト選定プロセス第3段階にあたる“使用済燃料処分場の潜在的な適合性の予備的評価”が進められており、2017年末時点において、5つの自治体がサイト選定プロセスに残っている。NWMOは、2023年には1カ所の好ましいサイトを選定する準備が整うこと見込んでおり、サイト選定プロセスに参加している自治体や関係組織に対して、NWMOの最新の情報に基づく最良のリファレンスとなるスケジュールを提示していく意向である。2018~2022年の実施計画書においてNWMOは、使用済燃料処分場プロジェクトのスケジュールは以下のように見込んでいることを明らかにしている。

2023年 1カ所の好ましいサイトを特定
2024年 サイト特性調査及び専門技術センター建設を開始
2028年 許可申請書の提出
2032年 建設許可の発給(推定)
2040~2045年 地層処分場の操業開始
 

《参考》カナダにおける核燃料廃棄物処分場のサイト選定プロセス

カナダにおける核燃料廃棄物処分場のサイト選定プロセス

【参考出典】『連携して進む:カナダの使用済燃料の地層処分場選定プロセス』(NWMO, 2010年)

【出典】

(post by sahara.satoshi , last modified: 2023-12-28 )