カナダでは、2002年11月15日付けで「核燃料廃棄物の長期管理に関する法律」(略称:核燃料廃棄物法)が発効されたが、これとほぼ同時期に、全般的な監督を行う「核燃料廃棄物局(NFWB)」が天然資源省内に創設され、処分の実施主体となる核燃料廃棄物管理機関(NWMO)1 も設立された。また、実施主体の諮問機関となる諮問評議会のメンバー構成についても発表が行われている。
核燃料廃棄物法に基づく要求事項に関しては、連邦政府(具体的には天然資源大臣)がNWMO、原子力事業者、カナダ原子力公社(AECL)の監督を行うこととされている。この監督責任を果たすため、連邦政府および天然資源大臣は、天然資源省内に新たな組織「核燃料廃棄物局(NFWB)」を創設した。この核燃料廃棄物局の任務は以下のとおりである。
- NWMO、原子力事業者およびAECLを含めた利害関係者と定期的に会合を行う。
- 適切かつ効果的な監査プログラムを実施する。
- 現在の知見、適切な専門的技術、および国内外における情報に基づき、(処分の)監督を行う。
- 連邦政府の果たすべき責任として先住民との相互交流を行う。
- ホームページを含めた様々なコミュニケーション媒体を通じて、一般市民への継続的な情報提供および協議活動を行う。
また、原子力事業者であるオンタリオ・パワージェネレーション社、ハイドロ=ケベック社、ニューブランズウィック社は、核燃料廃棄物法に基づく要求事項を実施するため、共同で処分の実施主体となる核燃料廃棄物管理機関(NWMO)を設立した。このNWMOの設立目的は、核燃料の長期管理方法を提案するとともに、総督が選定した管理方法を実施することである。NWMOの理事長には、政治、教育、外交といった幅広いキャリアを持つElizabeth Dowdeswell女史が選ばれた。
さらに、核燃料廃棄物法に基づき、NWMOの諮問機関として、合計8名の委員の指名が行われた。この諮問評議会は、NWMOに対し核燃料廃棄物の長期管理方法に関する独立した助言を与える任務を有する。
【出典】
- カナダ連邦政府天然資源省核燃料廃棄物局ウェブサイト http://www.nfwbureau.gc.ca/english/View.asp?x=1
- 核燃料廃棄物の長期管理に関する法律(An act respecting the long-term management of nuclear fuel waste)
- 法律では、廃棄物管理機関(Waste Management Organization)と記述されている [↩]
(post by 原環センター , last modified: 2023-10-10 )