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《米国》廃棄物隔離パイロットプラント(WIPP)が100回目のRH廃棄物受け入れを達成

2008年1月5日、米国における超ウラン核種を含む放射性廃棄物(TRU廃棄物)の地層処分場である廃棄物隔離パイロットプラント(WIPP)における「遠隔ハンドリングが必要なTRU廃棄物」(RH廃棄物)の受け入れが100回に達したことが、連邦エネルギー省(DOE)のニュースリリースで公表された。RH廃棄物は比較的強い放射能を持つ廃棄物で、2007年1月からWIPPでの受け入れが開始されていた

ニュースリリースによると、これまで廃棄物隔離パイロットプラント(WIPP)に輸送されているRH廃棄物は、すべてアイダホ国立研究所(INL)からのものとされている。INLは米国におけるTRU廃棄物の大規模発生場所の一つであり、WIPPへの最大の廃棄物搬出者である。RH廃棄物の最初の受け入れは2007年1月23日に行われ、2007年秋には1週間に6回という受け入れ記録も達成している。

なお、RH廃棄物の廃棄物隔離パイロットプラント(WIPP)での処分に向けた輸送については、アイダホ国立研究所(INL)の他にアルゴンヌ国立研究所(ANL)についても環境保護庁(EPA)による施設毎の承認が得られている

また、廃棄物隔離パイロットプラント(WIPP)ウェブサイトで公表されている情報誌(TeamWorks)によれば、RH廃棄物の輸送時の事故を想定して、落下した輸送キャスク(RH-72B)の回収を含めた事故訓練が2007年11月に実施されている。同誌によれば、WIPPにおける2007年12月10日時点での廃棄物受け入れの総回数は6,306回で、処分された廃棄物量は52,364m3となっている。

WIPPにおけるRH廃棄物輸送時の事故訓練 (TeamWorks誌2007年12月11日号から引用)

【出典】

【2009年3月3日追記】

DOEは、2009年3月2日付のニュースリースにおいて、DOEのオークリッジ国立研究所(ORNL)からの「遠隔ハンドリングが必要なTRU廃棄物」(RH廃棄物)の輸送が開始されたことを公表した。ORNLのRH廃棄物の輸送・受け入れについては、2009年1月に環境保護庁(EPA)や州などの許可が発給されており、これにより、すべての国立研究所のRH廃棄物発生サイトについて、WIPPへの処分が認められたことになる。

(post by 原環センター , last modified: 2023-10-10 )