ベルギーの放射性廃棄物管理の実施主体である放射性廃棄物・濃縮核分裂性物質管理機関(ONDRAF/NIRAS)は、2013年1月31日付のプレスリリースにおいて、短寿命の低中レベル放射性廃棄物(カテゴリーAと呼称されている)の浅地中処分場に係る建設許可申請書を原子力安全の規制行政機関である連邦原子力管理庁(FANC)に提出したことを公表した。
ベルギーでは、短寿命の低中レベル放射性廃棄物の処分場をデッセル自治体に設置することが2006年6月に決定され 、ONDRAF/NIRAS、デッセル自治体の放射性廃棄物調査・協議グループ(STORA)及びモル自治体のモル放射性廃棄物協議グループ(MONA)のパートナーシップの構築 により、統合プロジェクトとして処分場建設に向けた準備が進められてきた。
ONDRAF/NIRASでは、建設許可申請に際して提出する安全報告書のドラフト版を2011年11月に取りまとめ、経済協力開発機構/原子力機関(OECD/NEA)による国際ピアレビューを受けており、長期安全戦略と長期安全評価の信頼性及び頑健性が立証されたとの評価を得ていた 。
今回、ONDRAF/NIRASからFANCに提出された安全報告書の最終版は、以下のような構成となっている。
第1章:報告書の構成
第2章:安全戦略と安全性の概念
第3章:放射性廃棄物の統合管理システム
第4章:処分場サイトの特性
第5章:処分場のバリアの構成と機能
第6章:処分される放射性廃棄物の種類
第7章:処分パッケージの設計及び製作
第8章:処分場の建設
第9章:処分場の操業
第10章:処分場の閉鎖
第11章:閉鎖後の重要な措置
第12章:放射線防護
第13章:操業の安全性
第14章:長期的な安全性
第15章:放射性廃棄物の処分場への受入を判断する基準
第16章:処分場における検査とフォローアップ
第17章:処分場の技術仕様
FANCは、安全報告書に基づいて許可申請書を審査し、その後、デッセル、モル、ヘール、レティ、カステルレーの関係機関や一般住民を対象に、安全報告書に関する意見調査を実施する方針としている。また、この意見調査と並行して、欧州原子力共同体(EURATOM)も、処分場の設置による越境影響評価を行う予定としている。
【出典】
- 放射性廃棄物・濃縮核分裂性物質管理機関(ONDRAF/NIRAS)ウェブサイト、2013年1月31日付プレスリリース「処分場の建設・操業のための大きな進捗」、
http://www.ondraf-cat.be/fr/getpage.php?i=157 - 放射性廃棄物・濃縮核分裂性物質管理機関(ONDRAF/NIRAS)ウェブサイト、
http://www.ondraf-cat.be/fr/getpage.php?i=147 - 放射性廃棄物・濃縮核分裂性物質管理機関(ONDRAF/NIRAS)ウェブサイト、
http://www.ondraf-cat.be/fr/getpage.php?i=152 - 放射性廃棄物・濃縮核分裂性物質管理機関(ONDRAF/NIRAS)ウェブサイト、安全報告書に関する一般公衆向け資料
http://issuu.com/niras-cat/docs/130131_niras-veiligheidsdossier-a4_inhoud_fr?mode=window
(post by inagaki.yusuke , last modified: 2023-10-11 )