スイスの連邦エネルギー庁(BFE)は、2007年4月23日付のプレスリリースにおいて、地層処分場のサイト選定手続きなどを定めた、特別計画「地層処分場」(詳細は こちら)(以下「特別計画」という)の方針(以下「特別計画の方針」という)の草案に対する意見聴取が終了したことを公表した。意見聴取においては、スイス以外にドイツやオーストリアの諸機関や個人から意見の表明があったとされている。
特別計画「地層処分場」の方針の草案は、2006年3月15日に公表され、改訂後の最新版が2007年1月11日に公表されていた。この最新の草案に対する意見聴取が、2007年1月15日から4月20日まで行われていたが 、今回公表されたプレスリリースは、この意見聴取が終了したことを伝えるものである。
同プレスリリースによると、意見聴取期間中に、スイス、ドイツ、オーストリアの当局、スイスの州及び様々な組織から、約150の意見が提出された。内訳は、スイスから125件、ドイツから22件、オーストリアから3件とされている。また、主に共同提出であるが、個人からも約1万600件の意見が提出されたとされている。
プレスリリースでは、表明された意見の中の重要な点として、地層処分場のサイト選定から操業に至るスケジュール、及び新規原子力発電所を将来稼動させた場合の処分場の拡張の可能性が挙げられている。また、サイト選定手続に関係する州の主要な役割をより明確にすべきであるという意見もあったことが示されている。
提出された意見は、今後、環境・運輸・エネルギー・通信省(UVEK)により詳細に分析・評価され、特別計画の方針の改訂において考慮されることとなっている 。また、連邦評議会が2007年夏頃に、特別計画の方針を決定し、議論されている諸問題について結論を下すこととされている。その後、放射性廃棄物の処分責任を有する放射性廃棄物管理共同組合(NAGRA)が当局の監督の下、サイト選定手続を実施することとされている。更に、今世紀の半ばまでに地層処分場の操業を開始することが目標として示されている。
【出典】
- 連邦エネルギー庁(BFE)、2007年4月23日付プレスリリース、http://www.bfe.admin.ch/energie/00588/00589/00644/index.html?lang=de&msg-id=12200
- 連邦エネルギー庁(BFE)、特別計画「地層処分場」の方針の草案(最新改訂版)、2007年1月11日、http://www.entsorgungsnachweis.ch/media/dokumente/Sachplan/Sachplan_
geologische_Tiefanlager070111_d.pdf
(post by 原環センター , last modified: 2023-10-10 )