米国の連邦議会上院のエネルギー・天然資源委員会の2006年7月18日付けプレスリリースによれば、エネルギー省(DOE)は、ユッカマウンテン高レベル放射性廃棄物処分場開発プロジェクトの新スケジュールを公表した。新たなスケジュールでは、処分場建設の申請書提出は2008年6月、処分場の操業開始は2017年3月とされている。ユッカマウンテン処分場は、当初は2004年末までの申請書提出及び2010年の操業開始が予定されていた が、申請書提出の予定が遅れる中で、公式なスケジュールの公表はされていなかった 。
委員会プレスリリースでは、DOEが公表した許認可スケジュールとして以下の予定が示されている。
2007年11月30日 | 申請のための設計完了 |
2007年12月21日 | 許認可支援ネットワーク(LSN:詳細はこちら)へ の登録証明 |
2008年5月30日 | 補足環境影響評価書(EIS)発行、申請書の最終検証完了 |
2008年6月30日 | 原子力規制委員会(NRC)への申請書提出、鉄道敷設の最終環境影響評価(FEIS)発行 |
2008年9月30日 | NRCが申請書を受理 |
また、処分場の建設から操業に至るスケジュールとしては、最速で達成可能なものとして以下が示されている。
2009年10月5日 | ネバダ州での鉄道建設開始 |
2011年9月30日 | NRCからの建設認可 |
2013年3月29日 | 廃棄物受け入れ及び保有のための許可申請書をNRCに提出 |
2014年6月30日 | 鉄道運用開始 |
2016年3月30日 | 初期操業のための建設完了 |
2016年12月31日 | 立ち上げ及び操業前試験完了 |
2017年3月31日 | 廃棄物受け入れ開始 |
なお、同プレスリリースでは、エネルギー・天然資源委員会のドメニチ委員長の声明として、ユッカマウンテンのスケジュール公表を歓迎するとともに、DOEによる使用済燃料引取期限から10年が経過しようとしている状況では、DOE公表の長期プランを補足するものとして、同議員が上院歳出法案において提案している統合・準備(CAP)施設が必要との見解が示されている。
【出典】
- 上院エネルギー・天然資源委員会プレスリリース(2006年7月18日)
(energy.senate.gov/public/index.cfm?FuseAction=PressReleases.Detail&PressRelease_id=235035&Month=7&Year=2006)
【2006年7月20日追記】
2006年7月19日、DOE民間放射性廃棄物管理局(OCRWM)は、プレスリリースとともに、ユッカマウンテンの新スケジュールを示したOCRWM局長の議会証言資料を公表した。同資料では、「最速で達成可能」なスケジュールは、必要な歳出予算承認や原子力規制委員会(NRC)による遅滞無い許認可など、DOEが2006年4月に提案した法案 に織り込まれた法制度の変更を前提としていることが示されている。
また、同資料によれば、申請書草案や重要な技術的プロセス及び品質保証問題について外部の専門家による独立した評価を実施する予定とされている他、2006年6月に新局長が就任したOCRWM新体制下での戦略目標として、予定期日までの申請書提出、スタッフの充足・訓練、廃棄物引取等の連邦の契約上債務への対応、包括的輸送計画の開発・実施の4点が示されている。
(post by 原環センター , last modified: 2023-10-10 )