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《米国》改ざん問題の影響に関する報告書を公表 -ユッカマウンテンの技術的結論に影響なし

米国の連邦エネルギー省(DOE)は、2006年2月17日のプレスリリースにおいて、米国地質調査所(USGS)職員による書類の改ざん問題の影響について、DOE民間放射性廃棄物管理局(OCRWM)の報告書がまとめられ、ユッカマウンテンの技術的信頼性には影響が生じないとの結論が得られたことを公表した。報告書はOCRWMのウェブサイトで公表されている。

問題となった改ざん事件は、2005年3月にDOEが公表して明らかになったもので、地質調査所(USGS)の職員複数がユッカマウンテン・プロジェクト関係の業務実施中に品質保証(QA)手続きを守らず、書類やデータの改ざんを行っていたことが、1998年から2001年の電子メール記録から発覚したものである。改ざんが行われたのは、主に水の浸透のモデルに関する作業とされている。

公表された民間放射性廃棄物管理局(OCRWM)の報告書では、改ざん問題に関して次の3種の調査が開始されたことが示されている。

  • OCRWMによる技術的影響の可能性についての調査。(今回公表の報告書)
  • OCRWMによる品質保証問題に関連するプロジェクト上の影響(別途報告を取りまとめ)
  • 職員の不正行為に対するDOE監察官及び地質調査所(USGS)管轄の内務省監察官による調査

プレスリリースでは、今回の報告書の結論として、地質調査所(USGS)職員が算定した正味浸透の範囲は、米国の他の乾燥・準乾燥地域を研究している他の科学者の評価による地下水涵養率と整合性があり、2002年のサイト推薦に使用されたモデルには妥当な入力が行われていたことを示している。また、今回の報告によって水の浸透率の想定値に確証が得られたとしても、民間放射性廃棄物管理局(OCRWM)は、必要に応じて浸透モデルの入替え又は補強を行い、支援文書のレビューを行う予定であることが示されている。

プレスリリースによると、今回の評価に当たっては、報告書のドラフト段階でDOEからは独立した3人の水文学やコンピュータモデルの専門家によるレビューを受けており、これら専門家の意見は最終報告書に反映されている。

【出典】

【2007年3月28日追記】

2007年3月27日、DOE民間放射性廃棄物管理局(OCRWM)は、改ざん問題に関する根本原因分析書を公表した。根本原因となる問題は、水の浸透に関する作業の品質確保について、OCRWMの上級管理者が組織として責任ある体制の確立・維持に失敗したことであるとしている。

(post by 原環センター , last modified: 2023-10-10 )