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《カナダ》核燃料廃棄物管理機関(NWMO)が関心表明した2地域の初期スクリーニングの結果を公表

カナダの使用済燃料処分の実施主体である核燃料廃棄物管理機関(NWMO)は、パインハウス村(サスカチュワン州)及びイングリッシュリバー先住民族保留地(サスカチュワン州)の2つの地域に対する初期スクリーニングの結果及び概要報告書を公表し、両地域を今後の検討から除外するような明らかな条件は見つからなかったとしている。

カナダにおける使用済燃料処分場サイト選定では、2010年5月にNWMOがサイト選定計画を公表し、サイト選定を開始していた 。2010年末までに、今回の初期スクリーニングの結果が公表された2地域を含む5地域が、処分事業及びサイト選定計画についての情報提供に対して関心を表明し、サイト選定の第2段階として行われる初期スクリーニングの実施を要望していた

サイト選定の第2段階で実施される初期スクリーニングは、関心を表明した地域の求めに応じて、既存の情報に基づいて、その地域の潜在的な適合性を評価するものである。初期スクリーニングでは、以下の5つのスクリーニング基準を適用して評価が行われている。

  • サイトには、地上及び地下施設を収容できる大きさの土地がなければならない。
  • 利用可能な土地は、保護区域、遺産地域、州立公園、国立公園の外側でなければならない。
  • 利用可能なサイトは、将来の世代による擾乱の可能性がないよう、飲用、農業及び工業用途に使用される既知の地下水資源が処分場の深さに含まれていてはならない。
  • 利用可能な土地は、処分場サイトに将来の世代による擾乱の可能性がないよう、既知の経済的に利用できる天然資源が賦存していてはならない。
  • 利用可能な土地は安全性の要因を考慮し、サイトの安全性を妨げるような地質及び水文地質学的特性を持つ区域に入っていてはならない。

初期スクリーニングの結果によると、両地域には、一部に除外すべき区域があるものの、候補から除外する明らかな条件は見つからなかったとしている。両地域がプロジェクトへの参画を継続するとした場合、地域の適性を確認するためのより詳細な技術的、社会的調査の対象となるとしている。また、これらの地域内から選定された1つのサイトにおいて、使用済燃料を安全に隔離することができるかを確認するためには、数年にわたる調査が必要であるとしている。

なお、次の調査段階は、サイト選定計画の第3段階に相当することとなり、NWMOと地域との協力の下、地域内から選定されたサイトが処分事業の詳細要件を満たす可能性があるかについてのフィージビリティ調査が行われることとなっている。

【出典】

【2011年4月20日追記】

核燃料廃棄物管理機関(NWMO)は、イグナス・タウンシップ(オンタリオ州)について、初期スクリーニング結果及び概要報告書を公表した。イグナス・タウンシップは、処分事業及びサイト選定計画についての情報提供に対して関心を表明し、サイト選定の第2段階となる初期スクリーニングの実施を要望していたものである。初期スクリーニング結果に係る報告書によると、イグナス・タウンシップは、サイト選定手続きにおける今後の検討から除外するような明らかな条件は見つからなかったとしている。なお、初期スクリーニングについては、これまでにパインハウス村(サスカチュワン州)及びイングリッシュリバー先住民族保留地(サスカチュワン州)の2地域についての結果が公表されており、今回で5地域のうちの3地域目となる。

【出典】

【2011年5月18日追記】

核燃料廃棄物管理機関(NWMO)は、イアーフォールズ・タウンシップ(オンタリオ州)について、初期スクリーニング結果及び概要報告書を公表した。初期スクリーニング結果に係る報告書によると、イアーフォールズ・タウンシップは、サイト選定手続きにおける今後の検討から除外するような明らかな条件は見つからなかったとしている。
2010年12月末時点で5つの地域が、情報提供に対する関心表明と同時に、初期スクリーニングの実施を要望しており、これまでにパインハウス村(サスカチュワン州)、イングリッシュリバー先住民族保留地(サスカチュワン州)、イグナス・タウンシップ(オンタリオ州)の3地域についての初期スクリーニング結果が公表されている。

【出典】

(post by inagaki.yusuke , last modified: 2023-10-11 )