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《米国》エディ・リー・エナジー・アライアンス(ELEA)サイトにおける中間貯蔵施設の建設プロジェクトが中止

米国のホルテック・インターナショナル社(以下、「ホルテック社」という)は、ニューメキシコ州のカールズバッド市近傍の自治体で構成されるエディ・リー・エナジー・アライアンス(ELEA)の保有する土地(以下、「ELEAサイト」という。)における使用済燃料中間貯蔵施設の建設計画 について、2025年10月10日付けのSNS投稿記事で、同社とELEAの合意により土地購入契約を解消したことを伝えた。また、ニューメキシコ州知事のSNS投稿、環境団体や複数の報道においても同計画の中止が伝えられた。これらにより、この中間貯蔵施設の建設計画の中止が決定されたことが明らかになった1

ELEAサイトにおける中間貯蔵施設については、建設・操業を担当するホルテック社に対して、建設・操業に係る許認可が原子力規制委員会(NRC)から2023年5月9日に発給されているが、ニューメキシコ州や地元ステークホルダー等は訴訟を提起するなど中間貯蔵施設の建設に反対していた。ニューメキシコ州では、使用済燃料の処分場が操業開始されるまでは使用済燃料貯蔵・処分施設の州内での建設を禁止する州法(SB53)が2023年3月17日に制定されており、集中中間貯蔵施設の建設・操業は、現状では行うことはできない形となっている。

今回のホルテック社のSNS投稿では、ELEAとの土地購入契約の解消により、ELEAは、ELEAサイトを他の目的で利用することが検討可能となる一方、ホルテック社は集中中間貯蔵施設の立地に関心を持つ他のコミュニティや州との取組が可能になるとしている。

なお、ホルテック社の中間貯蔵施設建設・操業に係るNRC許認可を巡る訴訟では、第5巡回区連邦控訴裁判所が許認可を無効とする判決を2024年3月27日に下していたが、2025年6月30日の連邦最高裁判所判決で同判決は破棄・差戻しとなり、NRC許認可の有効性が維持されている2 。ただし、NRC許認可の手続段階から許認可発給に反対していた環境団体は、コロンビア特別区連邦控訴裁判所に提訴した訴訟に関して、同裁判所が2024年8月27日に下した棄却判決を不服として、2025年10月31日に最高裁判所に上訴している。本環境団体は、ホルテック社は許認可対象施設の操業計画を断念したものの、許認可を保持する限りプロジェクトの回復や許認可の譲渡も可能であることを最高裁判所への上訴許可申立書で訴えている。

【出典】

  1. ホルテック社、及びニューメキシコ州知事ともに、中間貯蔵施設建設計画中止について公式ウェブサイトでのプレスリリースなどの情報発信は行っていない。(2025年11月10日現在) []
  2. 第5巡回区連邦控訴裁判所の差戻審で、最終的に2025年10月20日付で本訴訟は却下されている。 []

(post by tokushima.hideyuki , last modified: 2025-11-14 )