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§ 2020年10月5日 発行 海外情報ニュースフラッシュ

フランスの環境連帯移行省が「放射性物質及び放射性廃棄物の管理に関する国家計画」(PNGMDR)改定案に関する公開協議を開催

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フランスのエネルギー政策を所管する環境連帯移行省(Ministère de la Transition écologique et solidaire)は2020年9月28日に、第5版となる「放射性物質及び放射性廃棄物の管理に関する国家計画」(PNGMDR)の改定方針に関する公開協議(concertation)を実施することを公表した。公開協議は、2019年4月17日~9月25日に国家討論委員会(CNDP)が実施したPNGMDRに関する公開討論会の結果を踏まえ、環境連帯移行省及び原子力安全機関(ASN)による改定方針について、公衆に情報提供するとともに、意見を募集することが目的である。

国家討論委員会(CNDP)が公開協議の実施を指摘

PNGMDRに関する公開討論会のためにCNDPが設置した特別委員会(CPDP)は、2019年11月に公表された実施報告書の結論において、PNGMDRの継続的な改定への公衆やステークホルダーの参加を確かなものとするため、公開討論会のフォローアップとして公開協議を実施することが望ましいと指摘していた。その後、環境連帯移行省及び原子力安全機関(ASN)による改定方針の公表を受け、国家討論委員会(CNDP)は2020年4月の会合において、PNGMDRの改定方針を具体化する手順を熟考(elaborate)していくため、CPDPが指摘していた公開協議を行うことが望ましいとするCNDPとしての判断を決定した。CNDPは、PNGMDRの策定を担当する環境連帯移行省に対して、改訂方針に含まれる項目のうち、特に下記について熟考の必要性を強調している。

  • PNGMDRのガバナンスの変更を提案すること。
  • 特にPNGMDRの策定頻度を検討することにより、エネルギー政策の方向性とPNGMDRの関係性を強化すること。
  • 地層処分プロジェクトにおける意思決定のマイルストーンと、行われた選択を再検討できるようにするためのガバナンスを定めること。
  • 高レベル放射性廃棄物について、地層処分に代わる対策方法(alternatives)の研究を支援すること。

また、CNDPは、下記の項目をPNGMDRに含めるべきことに注意を喚起している。

  • 分野横断的な問題(環境、衛生、経済的影響、輸送の管理、地域への影響の考慮)の統合
  • 放射性物質と放射性廃棄物の間の区分の変更
  • 歴史的廃棄物の管理
  • 長寿命低レベル放射性廃棄物に関するシステムの確立

環境連帯移行省による公開協議の予定

今回の公開協議は、国家討論委員会(CNDP)によって任命された保証人の監督の下で、環境連帯移行省により実施される。公開協議は、放射性廃棄物及び放射性物質管理のガバナンス、PNGMDRとエネルギー政策との関係等のテーマごとに設定された専用ウェブサイトを通じた情報提供や意見募集、パリや地方で開催するパブリックミーティング等により構成されている。

パブリックミーティングは以下のような日程・テーマで実施予定であるが、新型コロナウイルス感染症の拡大状況によっては、インターネット上での開催に変更される可能性もある。

日程 場所 テーマ
2020年10月27日 パリ 極低レベル放射性廃棄物管理
未定 未定 地層処分プロジェクトのガバナンスとANDRAによる情報提供・公衆参加の取組みとの関係
2020年11月16日 パリ 地域や環境面での課題についてのPNGMDRにおける考慮
2020年12月2日 グランテスト地域圏(詳細未定) 高レベル放射性廃棄物及び長寿命中レベル放射性廃棄物管理
2021年2月3日 パリ 公開協議から得られた最初の教訓

また、専用ウェブサイトを通じた情報提供や意見募集が行われるテーマは以下の通りである。

テーマ
放射性物質及び放射性廃棄物のガバナンス
PNGMDRとエネルギー政策の関係
放射性物質の管理
極低レベル放射性廃棄物の管理
使用済燃料の貯蔵
長寿命低レベル放射性廃棄物の管理
高レベル放射性廃棄物及び長寿命中レベル放射性廃棄物の管理及び地層処分プロジェクトにおける論点
特別なカテゴリーに属する放射性廃棄物
放射性物質及び放射性廃棄物に関する分野横断的な問題(環境、健康、地域、経済等)

公開協議後の予定

今回のPNGMDRの改定方針に関する公開協議の結果は、2021年2月3日のパブリックミーティング後に、CNDPが任命した保証人により報告書として取りまとめられて公開される予定である。また、環境連帯移行省も、公開協議を通じて得られた教訓のPNGMDRの案への反映について報告書を作成する。その後、環境連帯移行省は、これらの結果を踏まえて、PNGMDR全体の案を作成し、環境当局(Autorité environnementale)の見解を聴取したうえで最終化することになる。その後、従来のPNGMDR策定プロセスと同様に、公的な意見聴取(consultation du public)に付した後、最終決定のため議会に提出する予定である。

【出典】

(post by eto.jiro , last modified: 2020-10-05 )