ロシアにおける放射性廃棄物管理の実施主体である国営企業ノオラオ社(NO RAO)は、2020年8月26日のプレスリリースにおいて、ロシア中南部のチェリャビンスク州オジョルスク市で計画している浅地中処分場に対して、安全規制機関である連邦環境・技術・原子力監督局(Rostekhnadzor)が立地・建設許可を発給したことを公表した。
NO RAO社のプレスリリースによれば、計画されている処分場の処分容量は22万5千立方メートルであり、主に同じオジョルスク市内で活動している生産合同マヤーク1 から発生する低中レベル放射性固体廃棄物を受け入れる計画である。処分場の建設は2021年から開始する予定であり、建設の第一段階では、管理棟や輸送インフラ、アクセス道路の建設等が実施されるとしている。
ロシアではこれまでに、スヴェルドロフスク州のノヴォウラリスク市において、国内で最初となる浅地中処分場の操業が2016年に開始されている 。また、NO RAO社は、トムスク州セベルスク市において、シベリア化学コンビナートから発生する低中レベル放射性固体廃棄物を受け入れる浅地中処分場の建設も計画しており、先月2020年7月に連邦環境・技術・原子力監督局から立地・建設許可の発給を受けている 。
【出典】
- ノオラオ社、2020年8月26日付けプレスリリース(ロシア語)
http://www.norao.ru/press/news/2442/ - 放射性廃棄物等安全条約に基づくロシア国別報告書(第5回)、2017年
https://www.rosatom.ru/upload/iblock/53d/53dc4676fb14b71f3e32ac651e64e3ff.pdf
- 生産合同マヤークでは、使用済燃料の再処理などが行われている。かつては軍事用プルトニウムの生産等を行っていた。 [↩]
(post by t-yoshida , last modified: 2023-10-17 )