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《カナダ》OPG社の低・中レベル放射性廃棄物の地層処分場建設プロジェクトが代替サイト検討へ

カナダのオンタリオ・パワージェネレーション(OPG)社は、2020年1月31日に、同社が所有するブルース原子力発電所サイトでの建設を目指していた低・中レベル放射性廃棄物の地層処分場(DGR)プロジェクトに関して、今後、DGRプロジェクトの代替となる安全かつ恒久的な解決策を検討する意向を示すプレスリリースを公表した。これは、同日に、DGRの建設予定地のあるブルース半島に居住するソーギーン・オジブワネーション先住民 1 により、DGRプロジェクトに対する賛否を問う投票が行われ、賛成170票、反対1,056票の結果となったことを受けたものである。OPG社は、先住民の意思を尊重するとともに、主要なステークホルダーの関与によるサイト選定プロセスの策定を進めていく考えを明らかにした。

OPG社は、オンタリオ州内に3ヶ所の原子力発電所(原子炉計20基)を所有しており、これらの原子力発電所で発生した低・中レベル放射性廃棄物の地層処分場の立地に関して、2004年に地元キンカーディン自治体との間で立地協定を締結していた。その後、OPG社は2011年4月に、DGRプロジェクトの環境影響評価書(EIS)、予備的安全評価書等を連邦政府の合同評価パネル(JRP)に提出し、2015年5月にJRPは、環境に重大な影響が及ぶ可能性は低いと結論していた。OPG社は、JRPによる審査過程で、2013年に開催された公聴会において、ソーギーン・オジブワネーション先住民の支持なくDGRを建設しないことを確約していた。なお、その後の手続きとしては、環境大臣による環境影響に関する決定を受けた上で、JRPがサイト準備・建設に関する許認可を発給するのみとなっていた。

OPG社は、新たなサイト選定プロセスは先住民や関心のある自治体の関与を含むものにするとの考えを表明するとともに、これまで構築してきた相互の尊重や協力、信頼関係を基礎として、ソーギーン・オジブワネーション先住民と対話を継続する意向を明らかにした。また、OPG社は、放射性廃棄物処分のための恒久的な解決策を検討しつつ、廃棄物の減容技術の開発、非汚染物質の再利用など、発生元において放射性廃棄物の発生量を最小化する取組を行っていくとしている。

【出典】

 

【2020年6月29日追記】

カナダ影響評価庁(Impact Assessment Agency of Canada, IAAC)は、2020年6月26日に、オンタリオ・パワージェネレーション(OPG)社が計画していた低・中レベル放射性廃棄物の地層処分場(DGR)の環境影響評価プロセスの終了を公告した。2020年1月31日に実施されたソーギーン・オジブワネーション先住民による投票結果を受けて、OPG社は2020年5月27日に、DGRプロジェクトの環境影響評価プロセスを公式に終了するよう求める書簡を環境大臣に提出していた。

OPG社は、環境大臣に提出した書簡において、環境影響評価書等の審査のために連邦政府が指名した合同評価パネルの4年間の活動に感謝するとともに、キンカーディン自治体及び隣接する自治体から受けた15年にわたる支援に対する感謝の意を明らかにした。また、OPG社は、同社が所有する原子力発電所から発生する放射性廃棄物の安全かつ恒久的な解決策の開発に引き続き取り組んでいくとしている。

【出典】


  1. ※ソーギーン・オジブワネーション先住民(SON)の居住地域は、ブルース原子力発電所サイトが立地しているブルース半島の大部分を占めている。先住民は特定の法的権利を有しており、その土地の占有者としての管理義務を果たすこととなっている。[]

(post by nunome.reiko , last modified: 2023-10-17 )