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《ベルギー》放射性廃棄物・濃縮核分裂性物質管理機関(ONDRAF/NIRAS)が浅地中処分場の設置に関する環境影響評価報告書案の公開協議を開始

ベルギーの放射性廃棄物管理の実施主体である放射性廃棄物・濃縮核分裂性物質管理機関(ONDRAF/NIRAS)は、2019年4月5日に、短寿命の低中レベル放射性廃棄物(カテゴリーAと呼称されている)の浅地中処分場の設置に関する環境影響評価(EIA)報告書案について、公開協議を開始したことを公表した。ONDRAF/NIRASは、ベルギー北部のデッセル自治体に浅地中処分場を建設する予定であり、EIA報告書案の環境に関する分野について、下記の3点についてコメントを求めている。なお、公開協議は、2019年5月3日まで実施される予定である。

  • 地域レベルでの環境条件や問題点、懸念
  • 計画されている処分場の建設・操業に関する懸念
  • 想定される代替オプション、影響の緩和策等

今後、ONDRAF/NIRASは、寄せられた意見等を踏まえてEIA報告書を最終化して環境許可申請書を取りまとめ、デッセル自治体を管轄するフランダース地域政府に提出することとなっている。フランダース地域政府は、EIA報告書の内容を審査し、環境許可発給の是非を判断することになっている。なお、審査段階においても、公衆の意見聴取が実施される予定である。

デッセル自治体に建設予定の浅地中処分場の概観イメージ

図 デッセル自治体に建設予定の浅地中処分場の概観イメージ(EIA報告書案より引用)

ベルギーでは2006年6月に、短寿命の低中レベル放射性廃棄物の処分場をデッセル自治体に設置することが決定され、2013年1月には、ONDRAF/NIRASが浅地中処分場の建設許可申請書を連邦原子力管理庁(FANC)に提出していた。ONDRAF/NIRASは2019年2月に、浅地中処分場の安全報告書の改訂版をFANCに再提出しており、安全審査が進められている。今回の浅地中処分場の設置に関するEIA報告書は、安全報告書とともに、許認可取得に向けて必要となる提出書類の一つである1 。なお、FANCとフランダース地域政府は、それぞれの審査を円滑に進めるため、協定を結んでいる。

 

【出典】

 

  1. ベルギーの浅地中処分施設の許認可プロセスは、「電離放射線の危険に対する公衆、職業人、環境の防護に関する一般規則を定める2001年7月20日の王令」(GRR-2001)に基づくものである。また、環境影響評価に関しては、欧州指令1985/337/EEG及びユーラトム条約第37条の適用に関する欧州委員会の勧告2010/635/Euratomに基づき作成する必要がある。 []

(post by f-yamada , last modified: 2023-10-10 )