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《スウェーデン》規制当局が原子力廃棄物基金への2015年拠出単価の試算値を公表

スウェーデンの規制当局である放射線安全機関(SSM)は、2014年6月27日付のプレスリリースにおいて、政府に原子力発電所の廃止措置、放射性廃棄物の処分等に係る基金への拠出金の単価の提案を行うのに先立って、原子力発電事業者等の見解を求めるため、2015年に適用される単価の試算値を公表した。

スウェーデンでは原子力発電所の廃止措置や放射性廃棄物の処分等の将来に必要となる費用を確保するための基金制度が確立されている。原子力発電事業者は、3年毎に政府が定める発電電力量1kW当たりの単価(事業者別に設定)に基づいて、実際の原子力発電電力量に応じて原子力廃棄物基金に拠出金を納付することになっている 1 。現在、次の3年間に当たる2015~2017年における適用単価の設定が進められている 2

SSMは、原子力発電事業者が共同出資して設立したスウェーデン核燃料・廃棄物会社(SKB社)が2014年1月に報告書「プラン2013」として取りまとめた将来費用の見積りを評価した結果、原子力発電電力量1kWh当たり平均で、現行の2014年の適用単価である2.2オーレ(0.33円)に対して、2015年の適用単価を3.8オーレ(0.57円)に引き上げることを提案している。単価の引き上げ理由として、原子力廃棄物基金の運用益が低迷する見込みであることのほか、SKB社が「プラン2013」において報告した2015年以降の将来費用が増加していることを挙げている。

SSMは、今回の提案に先立ち、SKB社の報告書「プラン2013」の評価を政府の専門機関である経済分析庁(NIER)に委託している。NIERは、SKB社の廃止措置及び最終処分の費用について、見積られた将来費用が少なくとも110億スウェーデン・クローネ(1,650億円)過小評価となっている可能性があることから、異なる算出方法で将来費用を見積るべきとの意見をSSMに提出している。これを受けてSSMは、今回は2015年に適用する単価のみを提案するにとどめ、2016年と2017年に適用する単価は、SKB社が新たに行う費用見積りの提示を受けた後で別途提案する考えである。

SSMは、今回のSSMの試算値及び提案に対する意見を踏まえた上で、2014年10月に政府に対する正式な提案書を取りまとめる予定としている。

なお、SSMは、今回のプレスリリースとともに公表した補足資料において、スウェーデンで運転中の3カ所の原子力発電所(リングハルス、オスカーシャム及びフォルスマルク)の廃止措置費用見積りに対する概括的な分析を英国の原子力廃止措置機関(NDA)に委託して実施したことを明らかにした。NDAは、英国における原子力発電所の廃止措置の計画策定や作業管理の経験を数多く有することから、スウェーデンでの廃止措置費用確保において考慮すべきリスクや不確実性に限定して評価意見を求めたとしている。NDAがSSMに提出した報告書では、スウェーデンで用いられているコスト評価のモデル及び方法論は、英国での方式と概ね合致しており、妥当であるとしている。ただし、現在適用されている費用算出の方法論に関しては、適用範囲を明確化することによって、費用見積り全体に対する信頼性を向上しうる部分が多くあること指摘している。

【出典】

【2014年10月15日追記】

スウェーデンの放射線安全機関(SSM)は、2014年10月13日付のプレスリリースにおいて、政府に原子力発電所の廃止措置、放射性廃棄物の処分等に係る原子力廃棄物基金への拠出金の単価の提案を行ったことを明らかにした。SSMは、原子力発電電力量1kWh当たりの平均で、現行の2014年の適用単価である2.2オーレ(0.33円)に対して、2015年の適用単価を4.0オーレ(0.6円)に引き上げることを提案している。

適用単価の引き上げの主な理由として、SSMは以下の3点を挙げている。

  • 廃止措置費用と処分費用の見積額が増加傾向にあること。
  • 原子力廃棄物基金の運用益の低下が見込まれること。
  • 適用単価の設定時に仮定した原子力発電電力量の推移よりも実績が低くなる傾向が続いており、原子力発電電力量に応じた原子力廃棄物基金への拠出額が今後も想定を下回ると考えられること。

【出典】

【2014年12月22日追記】

スウェーデン政府は、2014年12月18日付のプレスリリースにおいて、原子力発電所の廃止措置、放射性廃棄物の処分等に係る基金への拠出金の単価を公表した。2015~2017年の拠出金の単価は、原子力発電電力量1kWh当たり平均で4.0オーレ(0.6円)と決定された。拠出金の単価は、放射線安全機関(SSM)が2014年10月に提案していた単価と同額であるが、適用期間については、SSMが2015年1年間を適用期間とするよう提案したのに対して、政府決定では2015~17年の3年間が適用期間とされている。

【出典】


  1. 拠出金額は原子炉を40年運転する場合に発生する使用済燃料や放射性廃棄物を処分するために必要な費用を基にして、原子力発電会社ごとに発電電力量1kWh当たりの単価として決定される。また、資金確保法の1995年の改正により、基金への拠出金とは別に、原子炉を40年以上運転する場合に発生する追加費用等を電力会社が担保の形で預ける義務が導入されている。[]
  2. 資金確保令の第3条では、放射線安全機関(SSM)が、原子力発電事業者等が作成する費用見積りが提出される年の翌年から3年間において、それぞれの原子力発電事業者が拠出及び担保すべき額を提案すると規定されているが、第7条では、「放射線安全機関は、補足的な費用見積りが提出されたか、特別な理由がある場合には、第6条に基づく提案を3年より短い期間を対象として策定できる。」と規定されている。[]

(post by sahara.satoshi , last modified: 2023-10-11 )