2003年2月20日、米国の2003年度予算が大統領の署名を得て決定した。この予算は2002年10月1日から2003年9月30日の期間に対するもので、本来であれば2002年9月に成立すべきものが遅れていたものである。ユッカマウンテン処分場に関する予算決定額は4億6,000万ドルで、要求額からは約1億3,100万ドルの減額となっており、エネルギー長官はスケジュール遅延の懸念を表明している。なお、2004年度予算については、これより先の2月3日に5億9,100万ドルの要求がエネルギー長官よりなされている。
米国における予算年度は前年の10月1日から当年9月30日までの1年間であるが、今回の2003年度の予算は大幅に遅れて決定されている。米国では予算承認に当たっては、通常は13の分野別の歳出法が制定されることとなっており、高レベル放射性廃棄物処分を含むエネルギー関係では「エネルギー・水資源歳出法」が制定されてきた。しかしながら、今回は先に承認されていた国防関係の分野を除いた分野全体についての包括歳出法として予算が承認されている。
2003年度予算の中で、放射性廃棄物政策法に定められた高レベル放射性廃棄物処分関係については、大統領要求額の5億9,080万ドルから約1億3,100万ドルの減額となった。前年度の2002年度との対比では約8,500万ドルの増加となっている。これを財源別に見ると、放射性廃棄物基金から1億4,500万ドル、国防分見合いとしては要求額通りの3億1,500万ドルとなっている。
また、この2003年度予算決定に先立つ2月3日には、2003年度予算が確定していない状態のまま、2004年度の予算要求額がエネルギー省(DOE)から公表されている。この2004年度の予算要求では、高レベル放射性廃棄物処分関係は5億9,100万ドルの要求が行われている。
こうした状況を受けて、エネルギー長官は、2月25日に行われた上院エネルギー・天然資源委員会における2004年度予算に関する証言において、「2004年度予算要求は2003年度予算要求と対をなすものとして行っている。2003年度予算の4カ月以上の遅れ、および大幅な削減は、2004年末までに建設認可申請を間に合わせることを危うくするものである」との懸念を表明している。
【出典】
- 2003年度包括歳出法案(抜粋)
- 2004年度エネルギー省要求予算(プレスリリース、詳細資料)
- エネルギー長官の上院エネルギー・天然資源委員会での証言(http://www.energy.gov/HQDocs/testimony/2003/20030225.htm)
(post by 原環センター , last modified: 2023-10-10 )