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《米国》NRCがユッカマウンテン処分場の建設認可に係る許認可申請書の審査活動状況等を公表

米国の原子力規制委員会(NRC)は、2014年1月31日に、連邦控訴裁判所が2013年8月13日付けの判決で命令したユッカマウンテン処分場の建設認可に係る許認可申請書の審査の再開について、2013年12月の月次状況報告書を公表した。本月次状況報告書は、連邦議会下院の関連委員会に送付されたものであり、2013年12月までの審査再開に係る活動状況が示されている他、再開された審査活動のプロジェクト計画書も添付されており、今後の審査活動の内容、取組体制、スケジュールなどが示されている。

今回NRCが公表した2013年12月の月次状況報告書では、以下が示されている。

達成事項

  • 2013年11月18日のNRCの委員会決定に対応するための「ユッカマウンテン審査活動プロジェクトプラン」の策定
  • 審査活動を実施するための体制の再編、人員の確保を進め、安全性評価報告(SER)の審査を開始
  • 規制支援機関である放射性廃棄物規制解析センター(CNWRA)に対する作業仕様書の策定
  • 法務官によるユッカマウンテン関連の訴訟対応、許認可審査の再開方法への申立ての処理

今後の活動のスケジュール及び費用

  • 安全性評価報告(SER)の完成は、約12カ月を要し、2015年1月に終了予定
  • 許認可支援ネットワーク(LSN)(詳細はこちら)に登録されていた文書のNRCデータベース(ADAMS)の非公開領域への登録を2014年5月までに完了
  • エネルギー省(DOE)に策定を要求した補足環境影響評価書(SEIS)の採択に向けた対応予定等の検討(スケジュールはDOEのSEIS完了予定に依存)
  • 安全性評価報告(SER)の完成・発行に要する費用は、2013年9月の見積で830万ドル(約8.1億円)であり、補足環境影響評価書(SEIS)の審査やADAMSへの文書登録を含めた総費用の見積額は約960万ドル(約9.4億円)

放射性廃棄物基金の状況

  • 放射性廃棄物基金から支出される金額は、2013年12月までに約23万ドル(約2,300万円)であり、2013年12月末の未使用予算残高は約1,300万ドル(約12.7億円) 1

関係者とのコミュニケーション・対応など

  • エネルギー省(DOE)とのコミュニケーションを開始し、2014会計年度第2四半期 2 にSEIS策定に係るパブリックミーティングを計画

なお、月次状況報告書に添付された「ユッカマウンテン審査活動プロジェクトプラン」では、NRCが取り組むユッカマウンテン関連のスケジュールが下図のように示されている。

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NRCのユッカマウンテン関連活動のスケジュール
(NRC「ユッカマウンテン審査活動プロジェクト計画」より引用)

また、「ユッカマウンテン審査活動プロジェクトプラン」では、これらのNRCの審査活動のため対応計画や実施体制などが示されており、実施体制、安全性評価報告(SER)の策定方法は以下の通りとされている。

実施体制

  • 安全性評価報告(SER)の完成に係るNRCの主たる組織は核物質安全・保障措置局(NMSS)の使用済燃料代替戦略部(SFAS)となるが、他の関連部局による支援に加え、規制支援機関である放射性廃棄物規制解析センター(CNWRA)が技術的支援を行う。
  • 使用済燃料代替戦略部(SFAS)内では、4部門の内の3部門が、閉鎖前チーム(安全性評価報告(SER)第2分冊)、閉鎖後チーム(SER第3分冊)、管理・プログラムチーム(SER第4・5分冊と補足環境影響評価書(SEIS))としてSER策定作業等に専念する。
  • 核物質安全・保障措置局(NMSS)が主導し、委員会秘書室(SECY)や議会調整局などの関連NRC内部局や原子力安全・許認可委員会パネル(ASLBP)などで構成される「ユッカマウンテン・コアグループ」がユッカマウンテン関連活動の状況を定期的にレビューする。

安全性評価報告(SER)の策定方法

  • ユッカマウンテンチーム(YMT)が、技術評価報告書(TER)と安全性評価報告(SER)の最新ドラフトとを比較した上で、最も効率的な対応を検討する(例えば、規制上の確認も行われていたSER第3分冊はドラフト報告書を基に作業し、他の分冊はTERを基にするなど)。
  • 目標期限遵守のため、例えば、DOEによる対応の遅れなどのスケジュールに影響する問題が確認された場合には各担当管理者に解決を求める。
  • 安全性評価報告(SER)の各分冊が完成した場合には、核物質安全・保障措置局(NMSS)の責任者の署名を経てNUREGシリーズの文書として発行する。
  • 既存の作業ファイルの活用体制、執筆体制などについては、ガイドラインとして示したとおりとする。

【出典】

 

【2014年4月8日追記】

米国の原子力規制委員会(NRC)は、2014年3月28日に、連邦控訴裁判所が2013年8月13日付けの判決 で命令したユッカマウンテン処分場の建設認可に係る許認可申請書の審査の再開について、2014年2月度の活動状況をまとめた月次状況報告書を公表した。今回の月次状況報告書では、2014年2月末時点までの達成事項・活動状況、今後の活動に要する費用・スケジュールの見通し、支出実績などが示されている。

特に、これまでの月次状況報告書で2015年1月に終了する予定が示されていた安全性評価報告(SER)の策定については、各分冊・章ごとに、策定作業及び公表に向けたマイルストーンがチャート形式で示されている。各分冊の公表予定は以下のとおりであり、閉鎖後の処分場の安全性に係る第3分冊は、最も早い2014年11月6日の公表が予定されている。

分冊名 全章の策定完了 レビューを経て公表
第1分冊「一般情報」 (完成、公表済み) 2010年8月23日

第2分冊「閉鎖前の処分場の安全性」

2014年9月24日

2014年12月4日

第3分冊「閉鎖後の処分場の安全性」

2014年8月27日

2014年11月6日

第4分冊「管理上及びプログラム上の要求事項」

2014年9月10日

2014年11月20日

第5分冊「許認可仕様」

2014年9月24日

2014年12月11日

なお、今後の活動に要する費用については、安全性評価報告(SER)の策定等に要する費用は以前の想定から変化がないとされているが、エネルギー省(DOE)が補足環境影響評価書(SEIS)を策定しないことによる影響については評価を実施中とされている。

【出典】


  1. NRCが保有するユッカマウンテン許認可手続のための未使用予算残高は約1,100万ドル(約10億円)とされていたが、その後に締結済みの契約の解除などにより約220万ドル(約2.2億円)が利用可能となったため、使用可能な予算残高は増加している。[]
  2. 米国における会計年度は、前年の10月1日から当年9月30日までの1年間となっており、2014年1月~3月の四半期となる。[]

(post by inagaki.yusuke , last modified: 2023-10-11 )