(公財)原子力環境整備促進・資金管理センター

諸外国での高レベル放射性廃棄物処分

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srsr:dossier2005:showcase

Dossier 2005 Argile (フランス)

評価結果

(Dossier 2005 粘土-地層処分の安全評価: 2005年)

* 以下コンテンツにおいて、フランス語の見出しを付した図は Dossier 2005 Argile より引用。



q02.gif安全評価の結果はどのように示されるのですか…


線量結果

処分場をビュール地下研究所所在地に立地したと仮定した場合の地下水の湧出地点として、ANDRAは水理地質学的モデルによって3ヶ所の湧出域(ソー、オルナン、バロワ)とドッガー層上部を抽出している。これらの中では、移行時間の短さと希釈率の低さからソー湧出域が線量的に最も不利であると考えており計算結果もその傾向を示している。

通常変遷シナリオ(SEN): The normal evolution scenario

scénario d’évolution normale (SEN)

通常変遷シナリオ(SEN)のレファレンス計算では、安全指針の定める年間0.25mSv/年の個人線量の制限値の範囲内であり、1万年後のはるか先までこのレベルが保たれる(C廃棄物の最大線量の現出時期は49万年後、B廃棄物の最大線量の現出時期は30万年後)。また、通常変遷シナリオ(SEN)の枠内で実施された感度解析についても、全ての計算ケースが個人線量制限値の範囲内であることが示された。なお、3種類の廃棄体カテゴリの中では使用済燃料の寄与が大きく、線量に寄与する核種はI-129である(表2参照)。

表2 通常変遷シナリオ:各湧出域における各廃棄物の最大線量(100万年後の地質環境モデル)

地下水の湧出地点 ガラス固化体
(カテゴリC)
廃棄物B
(カテゴリB)
使用済燃料
(CU廃棄物)
ソー湧出域 (最も不利なケース) 8.3×10-4 mSv 4.7×10-4 mSv 2.0×10-2 mSv
オルナン湧出域 (リファレンスケース) 2.0×10-6 mSv 6.0×10-4 mSv
バロワ湧出域 5.5×10-6 mSv 1.3×10-5 mSv 9.9×10-5 mSv
ドッガー層上部 <10-7 mSv <10-7 mSv 1.6×10-5 mSv


表3 通常変遷シナリオ(SEN)感度解析の線量の最大値とピーク値の出現時期の結果
dossier2005a-tes-table5.5-27.png

通常変遷シナリオの感度解析では、ANDRAは、

  • 処分システムがもつ潜在的なマージン(余裕しろ)の評価
  • レファレンス計算よりも保守性が低い最新の知見の取り込み

を目的とした感度解析を実施している。計算ケースおよび線量の最大値とピーク値の出現時期を表3に示す。感度解析ケースの中で線量が最大となるケースは母岩、コンクリート、ベントナイトに保守的な移行特性および保持パラメータを設定した計算ケースであり、その線量の最大値は通常変遷シナリオのレファレンス計算の2倍程度(=0.045mSv/y(レファレンス計算:0.02mSv/y;使用済燃料))である。


代替変遷シナリオ(SEA): Altered evolution scenarios

scénarios d’évolution altérée (SEA)

ANDRAは、代替変遷シナリオ(SEA)として以下の4種類のシナリオを検討している。

  1. シーリング材の欠陥
  2. パッケージの欠陥
  3. 試錐孔の掘削
  4. 機能の著しい劣化


SEA 1「シーリング材の欠陥」シナリオ

表4 SEA「シール材の欠陥」レファレンス計算で考慮された計算ケース
dossier2005a-tes-table7.2-2.png

シール材の全面的あるいは部分的な欠陥を扱うことを目的としたシナリオであり、これらの構成要素(立坑、水平坑道および処分区画)の様々な欠陥の組み合わせを対象としている。このシナリオには、掘削影響領域の発達がSENよりも大規模になることが要因となる欠陥や放射性核種の移行経路となる、あるいは長期的な処分場の変遷に影響を及ぼす可能性がある欠陥など想定されるあらゆる欠陥が包含されるように計算ケースを設定している。

レファレンス計算の計算ケースとANDRAがAQSにより特定した各計算ケースで処理すべき状況を表4に示す。欠陥があるシール材には通常変遷シナリオの掘削影響領域(EDZ)の亀裂帯および微小亀裂部分と同じ透水係数(=5E-9m/s、通常変遷シナリオのシール材の透水係数の500倍)を与えている。

表4に示したレファレンス計算の計算ケースの中で最も線量が高くなる計算ケースは「全てのシール材が欠陥を伴う」ケースである。通常変遷シナリオのレファレンス計算と比較して処分場内の水頭値が低下し、立坑の出口では流出水量が増加する(例えば、使用済燃料CU1の処分区域では水頭値が4m低下し、立坑出口での水量は2.4m3/y増加する)。しかし、このように廃棄物から放出した核種が構造物を通過して移行しやすい条件であっても、母岩を通過する移行経路による線量は構造物を通過する移行経路による線量よりも3桁大きい結果となっている。レファレンス計算の処分場全体の線量としては、ANDRAは、通常変遷シナリオのレファレンス計算と変わらない結果(=0.02mSv/y)を得ている。

表5 SEA「シール材の欠陥」感度解析で考慮された計算ケースdossier2005a-tes-table7.2-6.png

このシナリオの感度解析では表5に示す計算ケースを設定し、掘削影響領域(EDZ)の透水性、ガラス、ベントナイトの移行特性と保持特性、動水勾配に対する線量の感度を試験している。全てのシール材に欠陥がありEDZの劣化を考慮したケースでは、立坑出口の流出水量が7.5m3/yまで増加し、構造物を通過する移行経路の線量がレファレンス計算と比べて1桁増加する(ピークの出現時期も20万年後と早い時期に出現する)。しかし、レファレンス計算と比べて更に核種が構造物を通過しやすい条件を設定しているにも関わらず、線量に占める母岩を通過する移行経路が支配的であり、処分場全体の線量には感度が小さい結果を得ている。ANDRAは、これらの結果からSEA「シーリング材の欠陥」による放射線学的影響はSENの場合を上回ることはないと判断している。


SEA 2「パッケージの欠陥」シナリオ

SEA「パッケージの欠陥シナリオ」は、パッケージの製造の品質管理システムに大規模な不良が生じる不確実性と坑道内で発生したガスの放出と蓄圧に関連した最初の1万年間の水理学的過渡期の不確実性に対応している。

パッケージの欠陥に関する不確実性については、レファレンス計算では1ヶ月間にわたり欠陥キャニスタが製造されたと想定し、この場合のキャニスタ、コンテナの個数は以下に数に相当する。

  • ガラス固化体:C0タイプ 35体、C2タイプ 50体、C4タイプ 50体
  • 使用済燃料:CU1 30体、CU2 12体


欠陥キャニスタには、核種の溶解度、拡散係数、分配係数の温度効果を考慮し、キャニスタの担保期間を200年としている。また、欠陥キャニスタの数に関する不確実性に関しては、このシナリオの感度解析で全てのキャニスタを欠陥キャニスタとして取り扱う計算ケースを含めることにより取り扱っている。水理学的過渡期の不確実性に関しては、レファレンス計算では処分場の閉鎖後の過圧期に核種放出が始まるとは想定していないが、感度解析では線量が大きなI-129を対象として最初の1万年間の過圧状態を考慮している。また感度解析では、構造物の飽和度が透水係数に与える感度、およびシール材のアンカーの透水係数の感度を確認している。

dossier2005a-tes-figure7.3-2.png
図14 SEA「パッケージの欠陥」:1万年後~4万年後のオクスフォーディアン層内(Hp1-Hp4層準)の使用済燃料CU1のI-129濃度の水平断面図

評価結果の例として、オクスフォーディアン層内(Hp1-Hp4層準)の使用済燃料CU1を起源とするI-129の水平断面図を図14に示す。同図の2万年後に現れる低濃度のI-129が欠陥パッケージより放出したものであり、このプルームは時間の経過とともに現れる欠陥を含まないパッケージから放出されたI-129のプルームの拡がりに覆い隠される。レファレンス計算の線量の最大値、最大値の出現時期、支配核種を表6に示す。支配核種はSENのレファレンス計算と同じI-129、Cl-36であり、処分場全体の線量の最大値はSENの結果と比べて大きく変わらない。「キャニスタの欠陥」シナリオでは、核種の早期放出という擾乱を想定する。処分場全体の線量に対しては、「キャニスタの欠陥」シナリオにおいてもSENと同じく母岩を通過する移行経路が主となる。「キャニスタの欠陥」シナリオで想定する核種の早期放出が起きる時間は、核種が母岩を通過する時間と比べると短いため、処分場全体の線量に対する感度が小さくなっている。感度解析では特に水理学的過渡状態の効果を考慮した計算ケースにおいて構造物を通過する移行経路における核種濃度や線量が著しく増加した。それであっても構造物を通過する移行経路の線量が母岩を通過する移行経路の線量を上回ることはなく、ANDRAは「欠陥キャニスタ」シナリオでで設定した条件が処分場全体での線量への影響が小さいことを確認している。

表6 SEA「パッケージの欠陥」:レファレンス計算-ソー湧出域における線量の最大値と支配的な核種(100万年後のモデルを使用、全ての廃棄物)
dossier2005a-tes-table7.3-3.png


SEA 3「試錐孔の掘削」シナリオ

「試錐孔の掘削」シナリオでは、以下の状況を評価している。

  • 試錐孔より地上に抽出したコア、岩石屑等からの外部被ばく
  • 一つもしくは複数の試錐孔の放棄

試錐孔より地上に抽出したコア、岩石屑等からの外部被ばく

表7 SEA「試錐孔の掘削」(廃棄物のコアが地上に抽出された場合の外部被ばく):掘削作業員が受ける線量dossier2005a-tes-table7.4-3.png

このシナリオは、ボーリング作業者が廃棄物パッケージ内から直接採取したコアから放出される放射線による被ばくを扱い、被ばく時間は掘削作業者が掘削機を引き出して調整するために必要な時間として10分間を設定している。また廃棄体は、使用済燃料CU1、ガラス固化体C2、廃棄物B1、B5(Ag-108mを含む廃棄物)、およびB8.3(線源を含む廃棄物)の5種類を代表的な廃棄体として対象としている。

廃棄体を貫通した試錐孔からのコア(直径10cm、長さ1m)を想定し、コアの長さ1mのうちの廃棄物相当分の長さ(CU1:21.4cm、C2:40cm、B1、B5、B8.3:1m)を廃棄物の定置状況から想定し、核種のインベントリを与えている。シナリオでは、監視期間終了後500年後に被ばく時間10分の被ばくが起きると仮定している。掘削作業者が受ける単位時間あたり、および10分間の外部被ばく線量を表7に示す。10分間の被ばく線量は約10mSvよりも低い範囲に留まっている。最も不利なパッケージはAg-108mを多く含む廃棄物Bのパッケージであるが、Ag-108mの半減期が短いため、人間侵入が1,000年後に起きた場合には線量はガラス固化体や使用済燃料までと変わらないレベルまで低下する。Ag-108mを多く含まない他の廃棄物については10分間を上回る被ばく時間であっても直接的な接触が1~2時間を越えなければ、線量は低いレベルに維持される。RFS.Ⅲ.2.fでは「(将来の世代によって)利用される技術水準は現在のものと同じである」という想定を採用している。その想定に基づけば作業員の被ばく時間は10分となるが、ANDRAは作業員の被ばくが10分間を超える可能性は完全には否定していない。しかし、ANDRAは試掘孔から見慣れない物質が取り出された場合に、その状況に含まれる危険に気づくはずであると考えている。

一つもしくは複数の試錐孔の放棄

表8  SEA:試錐孔の掘削(一つもしくは複数の試錐孔の放棄)におけるレファレンス計算と感度解析の線量の最大値、最大値の出現時期、および支配核種
dossier2005a-tes-table7.4-27.png

このシナリオでは、処分場の記録が失われると想定した500年後に隣接する複数の処分区域に1本もしくは複数の試錐孔が掘削され、その後放置されることを想定している。

レファレンス計算では、以下の試錐孔の掘削場所を仮定している。

  • ガラス固化体と使用済燃料:処分坑道の近くのアクセス用水平坑道
  • 廃棄物B:処分坑道に到達するが、廃棄体の貫通の可能性は低い場所

感度解析では、試錐孔が使用済燃料の処分坑道や廃棄体Bのアクセス用水平坑道に貫通する場合を想定している。試錐孔は約10cm、透水係数1E-6m/sの円筒形で表現し、試錐孔は処分坑道の下側のドッガー層上部まで掘削する。試錐孔からの湧出域は、

  • 試錐孔近くのAEP取水場(揚水量10L/min)が湧出域となる場合
  • 試錐孔が放棄され、最も不利な湧出域(ソー湧出域)で単純化した場合

の2ケースを想定しているが、感度解析の結果から両者は線量に大きな影響をもたないことが確認されている。感度解析では、試錐孔の掘削位置に関する感度(使用済燃料の処分坑道もしくは廃棄物Bのアクセス用水平坑道への試錐孔の貫通、2本の試錐孔)、バリアに対する感度(ガラス固化体C2にベントナイトプラグと同じ透水係数の厚さ80cmの人工バリアの設置)、水理パラメータに対する感度(EDZの透水係数を1E-6m/sとし高拡散性、非吸着性を設定する「劣化したEDZ」)、化学パラメータに対する感度(シール材やプラグに低い吸着性と高い溶解度を設定する「ベントナイトの保守的パラメータ」、ガラス固化体の溶出モデルの保守性を取り払う「現象論的放出モデル」および高い初期溶解速度と破断率を設定する「V0Sモデルの保守的パラメータ」)を確認している。レファレンス計算と感度解析の線量の最大値、最大値の出現時期、および支配核種を表 8に示す。このシナリオでは、母岩の透水係数が小さく、シール材の遮水性が考慮されているため試錐孔が貫通した場合であっても、その影響は限定的となっている。2本の試錐孔により地表と処分場を繋ぐU字型の透水経路が生じやすいケースでも、水平方向の動水勾配が極めて小さいために試錐孔による線量への寄与は1桁程度であり、著しく線量を高める結果とはなっていない。またEDZ、ベントナイトのパラメータ値に対しても線量への感度が小さいことを示している。


SEA 4「機能の著しい劣化」シナリオ

処分システムの頑健性を示すために設定されたシナリオであり、3つの主要な安全機能(「水の循環を妨げる」、「核種放出を制限する核種の閉じ込め」、「核種の移行遅延」)に関連するパラメータを以下のように大幅に低下させた不利なモデルを採用している。

  • 「水の循環を妨げる」

   透水係数および動水勾配を不利になるように変更する。
     ・粘土岩(1E-12m/s):観測値が超えない透水係数
     ・亀裂帯(1E-6m/s)、微小亀裂帯(5E-9m/s):シール材が性能を発現しない透水係数
     ・埋戻材(1E-6m/s):顕著な効果はないと考えられるが補足的に保守側に設定
     ・健全な母岩を通る移行経路の鉛直方向の動水勾配:4%

  • 「核種放出を制限する核種の閉じ込め」

   核種放出について、保守側のモデル、設定を行う。
     ・B1xパッケージ(B1、B5.1以外のB5、B6.1以外のB6):瞬時放出
     ・ビチューメン固化体の放出期間:1,000年間
     ・ガラス固化体:早い溶解速度、不利な破断率をもつ放出モデル(V0.Sモデル)を採用
     ・使用済燃料:保守的な放出モデルと保守的なパラメータを用いた放射線分解による溶解モデル

  • 「核種の移行遅延」

   母岩およびEDZの微小亀裂帯の保守的な移行パラメータを設定する。

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図15 SEA:「機能の著しい劣化」シナリオ: 使用済燃料CU1のI-129のモル流量の経時変化

図 15は、使用済燃料CU1のI-129のモル流量の時間変化を通常の変遷シナリオ(SEN)の場合と比較した結果である。水平坑道に入るI-129の最大モル流量はSENに比べて1桁増加(同図赤実線)する。母岩の透水係数の増加により構造物と母岩での移行は移流成分が大きくなる。処分区域の水平坑道における核種のペクレ数は、区域の中間付近で10、出口付近で720の移流支配となる。構造物内の移行速度が速まることにより、核種は母岩を通過して放出されるよりも構造物を通過して放出される量が増加する。処分区域の出口のモル流量の最大値の出現時期は、SENで10万年後であったものがSEAでは2万年後(図 15水色実線)となる。

dossier2005a-tes-figure7.5-7.png
図16 SEA:「機能の著しい劣化」シナリオ: 使用済燃料CU1のI-129の移行経路分布

図 16は、使用済燃料CU1のI-129の移行経路分布をSENの結果と比較した図であり、立坑から放出するI-129は、SENでは初期質量の3E-5%であったものが0.38%と4桁以上増加する。しかし、初期質量の0.38%以外のI-129は母岩を通過する移行経路を通過しており、立坑を通過する核種は線量に著しい増加を及ぼさない。

表9 SEA:「機能の著しい劣化」:線量の最大値、最大値が出現する時期、支配核種
dossier2005a-tes-table7.5-5.png

表 9に母岩を通過する移行経路を通りソー湧出域に放出する核種の線量の最大値、最大値の出現時間、支配核種を示す。支配核種は、I-129、Se-79、Cl-36の3核種であり、線量の最大値は0.12mSv/yである。SEA「機能の著しい劣化」シナリオでは、全ての使用済燃料コンテナに想定よりも早く欠陥が生じる状況を扱う感度解析を実施しているが、線量の最大値が若干早く出現するものの線量の最大値は0.12mSv/yと変わらないことが確認されている。

ANDRAは、「機能の著しい劣化」シナリオにおいて3つの主要な安全機能に著しい劣化を想定したにも係らず線量計算結果が依然として低いレベルであることから、処分システムには頑健性があると判断している。



確率論的評価

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図17 確率論的評価で確率論的に取り扱うパラメータ

確率論的評価に関しては、人間侵入等を含む変動状態についてRFS Ⅲ.2.fでは奨励している状況ではないものの、リスク概念を導入しても良いことを示している。Dossier2005では、通常変遷シナリオ(SEN)及び代替変遷シナリオ(SEA)に関する感度解析パラメータに対する既述の感度解析(決定論的評価)に加え、確率論的なアプローチの取り組みについても検討している。

具体的には、SENとSEAで実施した決定論的手法を用いた安全評価結果を補完し、最も影響力が大きなパラメータを導出することを目的とした確率論的評価を試行的に実施している。確率密度関数で定義するパラメータを図 17に示す。パラメータ値は、Alliancesで使用可能な分布関数、パラメータ間の相関関係の種類の制約内で実験データの変動可能性、それらの相関関係を考慮して設定している。

解析はサンプリング手法にラテンハイパーキュービック法(LHS)を用い、1,000回のリアライゼーションで計算を実施している。確率論的安全評価に用いるモデルは決定論的安全評価で使用しているモデルと比較して単純化している。例えば、平行して存在する連絡水平坑道とアクセス水平坑道は1本の水平坑道として取り扱っている。

確率論的評価で設定したパラメータの範囲は、SENおよびSAEの「機能の著しい劣化」シナリオと「シール材の欠陥」シナリオに近い状況をカバーしている。確率論的評価では、母岩があらゆるケースにおいて核種の優先的な移行経路となることを確認している。図 17は、縦軸にパラメータの種類、母岩の最上部から放出されるI-129のモル流量の最大値と入力変数の相関係数を横軸に示した図であり、I-129の分配係数が最も相関係数が大きく(=0.85)、これが重要な入力パラメータであることを示している。

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図18 確率論的評価:母岩の最上部からのモル流量の最大値と様々な入力変数の相関係数のヒストグラム(C1/C2パッケージ-I-129の保持を考慮)

構造物を通過する移行経路については、EDZの微小亀裂帯の透水係数が重要である。図 18は、横軸にEDZの微小亀裂帯の透水係数、縦軸に立坑出口のモル流量の最大値を表す散布図であり、同図からはEDZの微小亀裂帯の透水係数が立坑出口のモル流量の最大値と強い正の相関があることを示している。




srsr/dossier2005/showcase.txt · 最終更新: 2013/09/27 14:05 (外部編集)

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