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《米国》ユッカマウンテンへの輸送方法・ルート決定-主に鉄道輸送方式を採用

2004年4月5日、ネバダ州ユッカマウンテン処分場への高レベル放射性廃棄物の輸送は主に鉄道で行うとの連邦エネルギー省(DOE)の決定を、DOE民間放射性廃棄物管理局(OCRWM)がニュースリリースとして発表した。DOEは同時にネバダ州内における鉄道ルートをカリエンテ・ルートに決定したこと、鉄道敷設に向けての環境影響評価を実施していく予定も示している。なお、これらの廃棄物は、現在、全米127カ所で貯蔵されており、一部については道路輸送が必要とされている。

ユッカマウンテン処分場への廃棄物の輸送に関しては、2003年12月に、主に鉄道輸送方法を選択した場合の推奨輸送ルートが決定されていた。ニュースリリースによると、ネバダ州内の既存の鉄道とユッカマウンテン処分場を結ぶ鉄道経路として今回最終的に決定されたのは、推奨ルートとして示されていたカリエンテ・ルートである。また、決定に際して必要とされる意思決定記録(ROD)1 については、2004年4月5日の週内に連邦官報に掲載する予定が示されている。

さらに、DOEのニュースリリースによれば、鉄道建設のために必要となる環境影響評価の実施についての通知も上記RODと共に連邦官報に掲載される予定である。環境影響評価は国家環境政策法の規定により必要とされるもので、カリエンテ・ルートの中での具体的な線路敷設方法について代替案を含めた評価が行われる。ニュースリリースでは、環境影響評価でどのような検討を行うべきかを決定するスコーピングと呼ばれる手続についての公聴会の実施予定も示されている。この公聴会の目的としては、DOEからの鉄道経路及び環境影響評価の進め方についての情報提供や、公衆からのコメント及び情報取得とされている。公聴会は、2004年5月3日~5日にネバダ州内の3カ所で行われる予定である。

なお、輸送に関するDOEのこの決定は、2002年2月のユッカマウンテンサイト推薦に当たって提出されていた最終環境影響評価書に基づくものである。この最終環境影響評価書では、主に鉄道により輸送を行うことが好ましいとのDOEによる評価結果とともに、5ルートが鉄道輸送の経路として評価されていた。今回の決定に当たってはDOEによる補足分析が行われており、決定に伴う環境への影響は最終環境影響評価書において評価されていた範囲内であり、国家環境政策法に基づくさらなる環境影響評価の実施は不要であるとの判断が示されている。

【参考:輸送関係パンフレット】

【4月12日追加:2004年4月8日連邦官報(抜粋)】

【出典】

  1. 意思決定記録(ROD:Record of Decision):米国では連邦政府機関が環境に影響を及ぼす可能性がある措置を実施する際には環境影響評価の実施が国家環境政策法により規定されている。この場合、その最終的な決定内容については、検討した代替案や影響緩和策を含めて「意思決定記録」として連邦官報で告示することが必要とされている。 []

(post by 原環センター , last modified: 2023-10-10 )