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諸外国での高レベル放射性廃棄物処分

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米国 米国における高レベル放射性廃棄物処分

米国における高レベル放射性廃棄物処分

全体構成(章別)


5. 情報提供・コミュニケーション

5.1 公衆との対話

ポイント

  • 1982年放射性廃棄物政策法では、エネルギー長官がユッカマウンテンを処分場サイトとして推薦するに当たり、地域の住民に対して、検討状況について情報を提供し、サイト推薦に対する意見を求めるため、サイトの近辺で公聴会を開催することを定めています。その他、環境影響評価の手続でも、住民やさまざまな関係者に情報を提供し、意見を求めることが必要とされています。
  • また、地元ネバダ州には、サイト推薦に不承認の意思を表明することが認められていますが、連邦議会はそれを覆すことが可能とされており、2002年7月に連邦議会の立地承認決議が行われました。

情報提供と住民のコメント募集

ネバダ州ユッカマウンテンを処分場サイトとして推薦し、処分場建設の許認可を行うためには、2つの枠組みで情報の提供とコメントの募集が行われることとなっています。

1つは環境影響評価の手続で、計画段階やドラフト環境影響評価書の公表後に公聴会やパブリックコメントの募集が必要とされています。ユッカマウンテンの環境影響評価でも、計画段階で15 回の公聴会が1995年に行われたのを始め多くの公聴会が開催され、2002年のサイト推薦までに1万件以上のコメントが寄せられ、エネルギー省(DOE)の回答が示されています。

もう1つは1982年放射性廃棄物政策法で定められた処分場に特別な手続です。特に、エネルギー長官による大統領へのサイト推薦に際しては、同法第114条等により、ユッカマウンテン・サイト周辺の住民に対し、情報の提供とコメント募集のため、事前にサイト周辺で公聴会を行うことが求められています。

[情報提供]

DOE は、サイト推薦のための情報提供として、公聴会などに先立って、科学的根拠を示した「ユッカマウンテン科学・工学報告書」とドラフト環境影響評価書の補足書、「予備的サイト適合性評価報告書」などを公表しています。

[住民のコメント募集]

DOEは、2001年5月から12月にかけて、ユッカマウンテン・サイト周辺での公聴会と、ユッカマウンテンのサイト推薦に関するパブリックコメントの募集を行いました。公聴会はネバダ州17郡とカリフォルニア州1郡で開催されました。

パブリックコメントは約4,600件が寄せられ、その結果を検討した上で、上の「情報提供」の項で示した各報告書が改定されています。また、寄せられたコメントの要約とそれに対するDOEの回答をまとめた「サイト推薦コメント要約文書」も発表しています。


地元の意思表明と許認可手続への参加

1982年放射性廃棄物政策法では、州や地元自治体等が処分場開発に係る意思決定手続に参加できる仕組みも定められています。

まずサイト推薦の手続では、エネルギー長官が大統領に処分場のサイト推薦を行う決定をした場合には、事前にネバダ州知事と州議会に通知を行うことが必要とされています。そして、州知事または州議会は、大統領から連邦議会へのサイト推薦について、60日以内に不承認通知を連邦議会に提出することができることも決められています。しかし、この州の不承認通知は、連邦議会が覆すことが可能となっています。ユッカマウンテンのサイト推薦では、前述の通り、この手続に従って連邦議会が立地承認決議を行い、地元ネバダ州の不承認は覆されています。

また、米国では原子力施設の許認可手続では裁判に似た形で審理が行われますが、州と関連する自治体などは、この審理に当事者として参加することが認められています。ユッカマウンテンの審理手続では、ネバダ州及び同州の7つの郡の他、カリフォルニア州なども当事者として参加が認められ、特にネバダ州は、200件以上の論点を提出して、争う姿勢を示していました。

なお、前述の通り、このような手続への参加が行えるよう、州や関連する自治体等には放射性廃棄物基金(NWF)から補助金が支給されます。


5.2 意識把握と情報提供

ポイント

  • 実施主体のエネルギー省(DOE)は、インターネットやインフォメーション・センターなどによって地元住民だけでなく国民全体の理解促進のためにユッカマウンテン・プロジェクトの情報提供活動を行っていましたが、現政権のユッカマウンテン計画中止の方針に伴い、こうした情報提供活動は廃止されています。

広報・情報提供活動

実施主体のエネルギー省(DOE)は、1982年放射性廃棄物政策法で必要とされる地元住民や公衆に対する情報提供活動の他に、地元住民や国民全体の理解促進のための情報提供活動も行っていました。その主な方法としては、小冊子やインターネットによるものと、インフォメーション・センターによるものがあります。

[小冊子やインターネットでの情報提供]

DOEの民間放射性廃棄物管理局(OCRWM)は、許認可申請書等の正式文書や専門的な分析報告書など膨大な情報の公開に加え、一般市民にも理解しやすいように工夫されたパンフレットなども作成し、ウェブサイトでも提供していました。

2002年1月には、ユッカマウンテンのサイト推薦関連の情報提供として、『何故、ユッカマウンテンか?』『ユッカマウンテン・プロジェクトのQ&A』などの小冊子がウェブサイトでも公開されたほか、『科学、社会、そしてアメリカの放射性廃棄物』というオンライン教育カリキュラムも1992年から改定を重ねて公開されていました。

2008年6月の建設認可に係る許認可申請書の提出後には、『ユッカマウンテン安全性説明書』及び『ユッカマウンテンにおける国の処分場』という小冊子が作成され、ウェブサイトでも公開されていましたが、現政権のユッカマウンテン計画中止の方針に従ってウェブサイトは廃止されています。

[インフォメーション・センター]

ユッカマウンテン最寄りの町パーランプには、DOEのOCRWM のインフォメーション・センターが設置されていました。同センターでは、展示、ビデオ・ディスプレイ、対話型コンピュータ・プログラム、その他教育プログラムが整備され、またバーチャルリアリティにより処分場の内部に入る擬似体験ができるようになっていました。

ただし、その後の予算削減の影響や現政権のユッカマウンテン計画中止方針によりインフォメーション・センターは閉鎖されています。





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hlw/us/chap5.txt · 最終更新: 2017/10/27 18:43 (外部編集)

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