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《フィンランド》TVO社、VLJ処分場での低・中レベル放射性廃棄物の処分開始から20年を迎える

フィンランドのオルキルオト原子力発電所を運転するテオリスーデン・ヴォイマ社(TVO社)は、2012年5月8日付のプレスリリースにおいて、同社が操業する低・中レベル放射性廃棄物処分場(一般にVLJ処分場と呼ばれている)が同日で1992年の処分開始から20周年を迎えたことを公表した。

VLJ処分場はオルキルオト1、2号機の北側、地下60~100mの岩盤内に掘削された2つのサイロから構成されており、TVO社は自社の原子炉の運転に伴って発生した放射性廃棄物を低レベル、中レベルに分別して専用のサイロで処分している。同プレスリリースによれば、VLJ処分場での処分量は年間100~180m3であり、これまでに処分容量の半分にあたる約5,500m3の廃棄物が処分されている。処分された廃棄物のうち約3分の2が低レベル放射性廃棄物、約3分の1が中レベル放射性廃棄物であるとしている。

TVO社は、将来において原子炉施設を廃止措置した後、その解体に伴って発生する低・中レベル放射性廃棄物もVLJ処分場で処分する予定である。また、建設中のオルキルオト3号機から発生する低・中レベル放射性廃棄物の処分に対応するために、VLJ処分場の処分容量の拡大を計画している。TVO社はプレスリリースにおいて、現在、雇用経済省(TEM)が同社による処分場の拡張設計をレビューしていることを明らかにした。

なお、VLJ処分場から約2km東方には、使用済燃料の処分実施主体であるポシヴァ社が、最終処分場建設に向けた調査・研究施設である地下特性調査施設(ONKALO)を建設している。ポシヴァ社は、VLJ処分場の建設時に得られた知見がONKALOの建設にも活用されているとしている。ポシヴァ社は、2012年に、使用済燃料処分場の建設許可申請を行う予定である。また、フィンランドではオルキルオトの他にロヴィーサでも原子力発電所が運転されており、2010年末時点で各発電所において貯蔵されている使用済燃料の量は、ウラン換算でそれぞれ約1,290トン、約500トンとされている。

【出典】

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【2012年11月26日追記】

テオリスーデン・ヴォイマ社(TVO社)の2012年11月22日付のプレスリリースによると、雇用経済省(TEM)は同日、TVO社が申請していた低・中レベル放射性廃棄物処分場(VLJ処分場)の操業許可の条件変更を認める許可を発給した。

プレスリリースによれば、TVO社は、建設中のオルキルオト原子力発電所3号機の運転開始後に発生する低・中レベル放射性廃棄物、及びフィンランド政府が処分責任を有する医療・教育用放射線源等の廃棄物をVLJ処分場で処分可能とするために、同処分場の操業許可の条件変更を2011年9月に政府に申請していた。TEMは、TVO社からの申請を受けて、放射線・原子力安全センター(STUK)の肯定的な見解をはじめとする関連機関からの見解を得た上で、許可条件の変更に係る申請は原子力法の規定を満たしているとして許可を発給した。

VLJ処分場は1992年に操業を開始し、オルキルオト原子力発電所1号機と2号機から発生する低・中レベル放射性廃棄物の処分が現在行われている。

【出典】

(post by t-yoshida , last modified: 2023-10-11 )