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《フランス》放射性廃棄物管理機関(ANDRA)が地層処分場設置に関する公開討論会の開催を公開討論国家委員会(CNDP)に付託

フランスの放射性廃棄物管理機関(ANDRA)は2012年10月10日付のプレスリリースにおいて、独立した行政委員会である公開討論国家委員会(CNDP)に地層処分場の設置に関する公開討論会 1 を開催することを10月9日に付託したことを公表した。CNDPは今後数週間のうちに同付託への回答として、CNDPによる公開討論会の開催の可否やその開催時期等についての決定を行うとANDRAは想定している。 放射性廃棄物等管理計画法の第12条は、2015年迄に予定される地層処分場の設置許可申請に先立って、公開討論会を開催することを定めている。付託を受けたCNDPは自身のホームページで、この公開討論会に関して次のような見通しを示している。

  • ムーズ県及びオート=マルヌ県(県境)における可逆性のある地層処分場の設置という点に焦点があてられる。
  • 地層処分場に関する設計、安全性ならびに可逆性に加え、事業の実施やモニタリングなど、地層処分を基本方針として事業化に向けたスケジュールを定めた2006年の放射性廃棄物等管理計画法の制定以降における進捗などを示す機会がANDRAに与えられる。

なお、ANDRAが公開している情報によれば、公開討論会の開催から地層処分場の操業開始までについて、次のようなスケジュールが想定されている。

  • 2013年:公開討論会の開催
  • 2015年:地層処分場の設置許可申請
  • 2016年:可逆性の条件を定める法律の制定
  • 2018年:デクレ(政令)による設置許可の発給
  • 2025年:地層処分場の操業開始

【出典】

 

【2012年10月18日追記】

大統領府及び環境・持続可能開発・エネルギー省は10月15日付のプレスリリースで、ANDRAからCNDPへの公開討論会の開催に関する10月9日の付託に先立つ9月28日に、原子力政策会議が開催されたことを公表した。プレスリリースによれば、同会議において、2006年の放射性廃棄物等管理計画法で規定され事業化スケジュールに沿って地層処分事業を進めること、2013年に計画されていた公開討論会を計画どおりに開催できるようにエネルギー担当大臣が支援すべきであること等が確認された。 2008年より設置されている原子力政策会議は、大統領によって主宰され、首相及び関係閣僚等が出席し、フランスの原子力政策の方針等について決定するものである。9月28日の会議では、地層処分事業に関する上記確認のほか、将来の原子力発電シェアの縮減に向けたフェッセンハイムの2基の原子力発電プラントの2016年末までの閉鎖方針なども確認された。なお、2012年5月に就任したオランド大統領は、現在約75%である原子力発電シェアを2025年までに50%に縮減する目標を掲げており、将来のエネルギー転換に関する全国規模の討論会を2012年11月から翌年4月にかけて開催し、その結果を踏まえた新たなエネルギー政策に関する法案を2013年6月頃に準備する方針である。

【出典】

【2012年11月9日追記】

放射性廃棄物管理機関(ANDRA)は11月8日付のプレスリリースで、公開討論国家委員会(CNDP)が地層処分場の設置に関する公開討論会を開催することを11月7日に決定したことを公表した。 プレスリリースによれば、CNDPは公開討論会の開催に加えて、公開討論会を主導する専門委員会を設置することを決定しており、今後、公開討論会の開催日程や開催方法の具体化に向けて、関係者との協議を行う予定である。

【出典】

 

【2012年12月10日追記】

放射性廃棄物管理機関(ANDRA)の12月6日付のプレスリリースによれば、地層処分場の設置に関する公開討論会を主導する特別委員会(CPDP)が、次の6名の委員構成によって12月5日に設置された。

  • Ÿ クロード・ベルネ氏(委員長):サラン・デ・ランドの天然ガス貯蔵プロジェクト等、過去に幾つかのCPDPの委員長を務めた実績を持つ
  • Ÿ ジャン=クロード・アンドレ氏:国立科学研究センター(CNRS)の名誉研究部長、国立安全研究所(INRS)の元科学部長
  • Ÿ ギズレーヌ・エスキアーギュ氏:パリ・県設備部元事務局長、国立交通安全研究所(INTRETS)、空港騒音公害規制局(ACNUSA)等の元事務局長
  • Ÿ ブルーノ・ド・ラステリ氏:農業及び農村地域の技術的・経済的発展を専門とする農業技師 2
  • Ÿ アリアヌ・ムテ氏:コミュニケーション戦略専門コンサルタント
  • バーバラ・レトリングスヘファー氏:国立農学研究所(INRA)で摂食行動を専門とする化学者・生物学者

【出典】

【2013年2月8日追記】

地層処分場の設置に関する公開討論会に関して、公開討論国家委員会(CNDP)は2月6日に次の決定を行った。

  • 公開討論会を、2013年5月15日~7月31日および9月1日~10月15日の期間に開催する。
  • 具体的な方法として、15回の公開討論会を開催するとともに、インターネットやメディアも活用する。

公開討論に資する情報としてANDRAがCNDPに既に提出していた資料について、CNDPは討論を進めるうえで十分な内容であると評価する一方で、討論に際しては、地層処分事業に係る費用の問題や原子力政策の変化に対する地層処分事業の適応性といった点について、より明確にするようANDRAに要求している。

【出典】

 

【2013年5月1日追記】

公開討論国家委員会(CNDP)は、2013年4月26日付けのプレスリリースにおいて、地層処分場の設置に関する公開討論会の開催日と開催場所の詳細を明らかにした。CNDPのプレスリリースによると、公開討論会は2013年5月から10月にかけて全14回開催する予定であり、うち8回については特定のテーマを設定している。なお、以前CNDPは2013年2月6日付けのプレスリリースにおいて、公開討論会の開催回数を全15回と公表していた(2013年2月8日付け追記参照)が、開催日・場所を具体化した今回の公表資料では全14回としている。

公開討論会のスケジュールは以下のとおりである。

開催日時 開催場所
5月23日 ビュール 開会式
5月30日 サン・ディジエール テーマ «地層処分場の立地»
6月6日 ジョアンヴィル
6月13日 バール=ル=デュック テーマ «地層処分場の立地»
6月20日 ナンシー テーマ «地層処分の可逆性»
6月27日 ラ・アーグ テーマ «原子力の将来シナリオと発生する放射性廃棄物»
7月4日 リーニュ=サン=バロイ
7月11日 ショーモン
9月5日 サン=ローラン=デ=ゾー テーマ «Cigéoプロジェクト 3 と原子力発電について»
9月10日 ビュジェイ テーマ «Cigéoプロジェクトと原子力発電について»
9月19日 マルクール テーマ «管理フローについて: 核種分離・変換、貯蔵、処分»
9月23日 パリ テーマ «海外の事例について»
10月3日 コメルシー テーマ «コストと資金確保について»
10月10日 エシュネ 総括会議

 

公開討論会の開催場所 (CNDPプレスリリースより引用)

公開討論会の開催場所 (CNDPプレスリリースより引用)

【出典】

 

【2013年5月27日追記】

放射性廃棄物管理機関(ANDRA)は、2013年5月24日、公開討論会向けの特設ウェブサイトにおいて、フランスのビュールで2013年5月23日開催の公開討論会が中止となったことを明らかにした。

公開討論会の開始後の反対派の妨害のため、公開討論会の開始間もなく、地層処分場の設置に関する公開討論会を主導する特別委員会(CPDP)の委員長のクロード・ベルネ氏は、これ以上の討論の実施は不可能と判断して中止とした。

公開討論国家委員会(CNDP)は、5月24日付のプレスリリースにおいて、公開討論会への住民の参加が阻害されたことに対する遺憾の意を表明した。また、討議の機会の提供及び情報の周知については、公開討論国家委員会(CNDP)のウェブサイトで継続することを改めて周知した。

【出典】

【2013年5月30日追記】

公開討論国家委員会(CNDP)は、2013年5月28日付けのプレスリリースにおいて、5月30日(場所:サン・ディジエール)及び6月5日(場所:ジョアンヴィル)に開催予定であった、地層処分場の設置に関する公開討論会の延期を告知した。

延期の理由としてCNDPは、2013年5月23日の公開討論会が反対団体による妨害によって中止に追い込まれたことを受け、国民の意見を公開討論に取り入れる新たな方法を検討するための時間を設けるとしている。当面の予定として、国会議員や関連団体代表からなる円卓会議を招集して早急に検討を開始するとともに、インターネットを通じて国民からも意見を求めるとしている。

【出典】

 

 


  1. 〔仏語〕Le débat public sur le projet de création d’un centre de stockage réversible profond de déchets radioactifs en Meuse/Haute-Mame[]
  2. 農業技師とは、フランス国立高等農業学校等を卒業した者に与えられる資格。[]
  3. フランス語のCentre industriel de stockage géologique pour les déchets HA et MA-VL(高レベル及び長寿命中レベル放射性廃棄物の地層処分産業センター)から“Cigéoプロジェクト”とも称される。[]

(post by yokoyama.satoshi , last modified: 2023-10-11 )