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《カナダ》サイト選定プロセスへの関心表明の受付を一時中断 ―受け付け済み21地域への調査・対応に注力―

カナダの使用済燃料処分の実施主体である核燃料廃棄物管理機関(NWMO)は自身のウェブサイトにおいて、処分事業及びサイト選定計画に係る情報提供に対する関心表明の受付について、2012年9月30日をもって一時中断し、当面は受付済みの地域を対象とした調査とサポートに注力していくことを明らかにした。今回の関心表明の受付の一時中断について、NWMOは6ヶ月前の2012年4月に予告を行っていたものである。NWMOは、2010年5月から9つのステップからなる使用済燃料処分場のサイト選定を開始しており、自治体からの関心表明はその第2段階である

関心表明をおこなった地域の地図

関心表明をおこなった地域(clickでGoogle Mapで表示)

NWMOが公表した関心表明の受付の中断に関する説明資料によると、2012年9月30日時点で、21の地域がサイト選定プロセスに参加している。うち、早くに関心表明を行っていた地域では、第2段階で実施される初期スクリーニングが完了し、第3段階となる潜在的な適合性の予備的評価に進んでいる地域もある(下表参照)。NWMOの2012年6月付のニュースレターでは、サイト選定プロセスに参加している地域の数は19であったが、その後、新たにマニトウェッジ・タウンシップとセントラルヒューロン自治体の2地域が関心表明を行っている。

第3段階では、関心表明を行った地域の周辺自治体や、先住民族(北米インディアン、メティス、イヌイットなど)を含む関与プログラムも開始されることになっている。NWMOは、関心表明の新規受付を一時中断することによって、実施中の作業に集中するとともに、サイト選定プロセスに参加している地域へのサポート、周辺の自治体などの参画に関する計画や支援を強化していく考えである。なお、NWMOが進めているサイト選定プロセスの第3段階の作業期間は、約1~2年と予定とされている。

NWMOは、第3段階の潜在的な適合性の予備的評価が完了するまでは、適切な候補地が見いだせるかどうかは明確ではないため、将来的に新たな地域の検討が必要となった場合のため、関心表明の受付を再開する選択肢は排除しないとしている。受付を再開するまでの間に関心を示す地域が新たに現れた場合は、新たに初期スクリーニング等は実施しないものの、地域やグループ、個人の要請に応じて、サイト選定プロセス期間中の情報提供や定期的な更新情報の提供、説明会の実施等を行うとしている。

これまでにカナダにおける使用済燃料処分場のサイト選定に対して関心表明を行った地域及びその状況を下表に示す 。

地域 サイト選定における検討状況
イングリッシュリバー先住民族保留地 サスカチュワン州 第3段階実施中 1
パインハウス村 サスカチュワン州 第3段階実施中
クレイトン・タウンシップ サスカチュワン州 第3段階実施中
イアーフォールズ・タウンシップ オンタリオ州 第3段階実施中
イグナス・タウンシップ オンタリオ州 第3段階実施中
シュライバー・タウンシップ オンタリオ州 第3段階実施中
ホーンペイン・タウンシップ オンタリオ州 第3段階実施中
ワワ自治体 オンタリオ州 第3段階実施中
ニピゴン・タウンシップ オンタリオ州 第2段階 初期スクリーニング結果公表済み(良好) 2
ブロックトン自治体 オンタリオ州 第2段階 初期スクリーニング結果公表済み(良好)
ソーギーンショアーズ町 オンタリオ州 第2段階 初期スクリーニング結果公表済み(良好)
ホワイトリバー・タウンシップ オンタリオ州 第2段階 初期スクリーニング結果は未公表
ブラインドリバー町 オンタリオ州 第2段階 初期スクリーニング結果は未公表
エリオットレイク市 オンタリオ州 第2段階 初期スクリーニング結果は未公表
ノースショア・タウンシップ オンタリオ州 第2段階 初期スクリーニング結果は未公表
スパニッシュ町 オンタリオ州 第2段階 初期スクリーニング結果は未公表
アラン=エルダースリー自治体 オンタリオ州 第2段階 初期スクリーニング結果は未公表
ヒューロン=キンロス・タウンシップ オンタリオ州 第2段階 初期スクリーニング結果は未公表
サウスブルース自治体 オンタリオ州 第2段階 初期スクリーニング結果は未公表
マニトウェッジ・タウンシップ オンタリオ州 第2段階 初期スクリーニング結果は未公表
セントラルヒューロン自治体 オンタリオ州 第2段階 初期スクリーニング結果は未公表
レッドロック・タウンシップ オンタリオ州 初期スクリーニング結果公表済み(不適) サイト選定プロセスの検討から排除

 

 

【出典】

 

【2012年10月11日追記】

核燃料廃棄物管理機関(NWMO)はこのほど、新たに下記の6地域の初期スクリーニング結果及び報告書を公表した。

  • エリオットレイク市
  • ブラインドリバー町
  • スパニッシュ町
  • ノースショア・タウンシップ
  • サウスブルース自治体
  • ヒューロン=キンロス・タウンシップ

初期スクリーニング結果に係る書簡と報告書によると、今回公表された6地域に関して、サイト選定手続きに関する今後の検討から除外するような明らかな条件は見つからなかったとしている。

【出典】

【2012年10月30日追記】

核燃料廃棄物管理機関(NWMO)は10月17日付で、ホワイトリバー・タウンシップに対して初期スクリーニング結果を通知する書簡と報告書を公表した。初期スクリーニング結果に係る書簡と報告書によると、ホワイトリバー・タウンシップに関して、サイト選定手続きに関する今後の検討から除外するような明らかな条件は見つからなかったとしている。

また、NWMOのウェブサイトにおいて、地元住民とのコミュニケーションを目的として設置される地域連絡委員会のウェブサイトを紹介している。地域連絡委員会は、サイト選定プロセスの第3段階に進んだ地域において、地元のボランティアによって組織されるものであり、地域住民に対する情報提供や地域の要望の反映などにおいて、重要な役割を果たすとされている。現在、6カ所の地域連絡委員会のウェブサイトが開設されている。

【出典】

 

【2013年1月22日追記】

核燃料廃棄物管理機関(NWMO)はこのほど、マニトウェッジ・タウンシップについて、サイト選定手続きに関する今後の検討から除外するような明らかな条件は見つからなかったとする初期スクリーニング結果を通知する2013年1月7日付の書簡と報告書を公表した。

【出典】


  1. サイト選定の第3段階以降では、使用済燃料の処分プロジェクトに対する各地域の適合性の評価が、より詳細な科学・技術的調査や、地域の福祉に関する調査を通じて実施される。これらの調査では、使用済燃料を長期間にわたって閉じ込め、隔離することのできる地質を有するサイトが存在することや、プロジェクトがその地域の福祉を向上させることができるかどうかが確認される。また、地域住民や周辺の自治体、先住民族の意識向上、学習及び関与が重要な要素であるとされている。[]
  2. 初期スクリーニングでは、以下の5つのスクリーニング基準を適用して評価が行われる:(1) サイトには、地上及び地下施設を収容できる大きさの土地がなければならない。(2)利用可能な土地は、保護区域、遺産地域、州立公園、国立公園の外側でなければならない。(3)利用可能なサイトは、将来の世代による擾乱の可能性がないよう、飲用、農業及び工業用途に使用される既知の地下水資源が処分場の深さに含まれていてはならない。(4)利用可能な土地は、処分場サイトに将来の世代による擾乱の可能性がないよう、既知の経済的に利用できる天然資源が賦存していてはならない。(5)利用可能な土地は安全性の要因を考慮し、サイトの安全性を妨げるような地質及び水文地質学的特性を持つ区域に入っていてはならない。[]

(post by sahara.satoshi , last modified: 2023-10-11 )