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《ロシア》初となる低中レベル放射性固体廃棄物の浅地中処分場の操業が開始

ロシアにおける放射性廃棄物管理実施主体の国営企業ノオラオ社(NO RAO)1 は、2016年12月5日のプレスリリースにおいて、ロシアにおける最初の浅地中処分場(PPZRO)の操業を開始したことを公表した。浅地中処分場はウラル山脈の東麓にあるスヴェルドロフスク州のノヴォウラリスク市にあり、低中レベル放射性固体廃棄物を受け入れて処分する2 。浅地中処分場は長さ140m、幅24m、深さ7mの鉄筋コンクリート構造の処分区画を備えており、合計で1万5千立方メートルの廃棄物を処分できるとしている。

低中レベル放射性固体廃棄物の浅地中処分場(PPZRO)の立地点(スヴェルドロフスク州のノヴォウラリスク市)

低中レベル放射性固体廃棄物の浅地中処分場(PPZRO)の立地点(スヴェルドロフスク州のノヴォウラリスク市)

また、浅地中処分場は、天然バリアと人工バリアの多重システムで構成されており、マグニチュード6の地震にも耐える構造を備えている。また、浅地中処分場は、2011年に制定されたロシアの放射性廃棄物管理法の要件と国際原子力機関(IAEA)の国際的な基準に則った施設であるとしている。現在のところ、浅地中処分場で処分が許可された廃棄物は、ノヴォウラリスク市でウラン濃縮事業を行っているウラル電気化学コンビナート社から発生する放射性廃棄物に限られており、それ以外の廃棄物を受け入れて処分する場合には、別途許可を取得する必要がある。

なお、国営企業ノオラオ社は、高レベル放射性廃棄物の処分に関する計画について、クラスノヤルスク地方の鉱業化学コンビナート(MCC)に近いニズネカンスキー花崗岩に地下研究所を建設する計画である。地下特性調査などを実施したうえで、2029年までに、最終処分場を立地するかどうかの決定を行う予定である。

【出典】

 

【2018年10月31日追記】

ロシアにおける放射性廃棄物管理実施主体の国営企業ノオラオ社(NO RAO)は、2018年10月29日のプレスリリースにおいて、スヴェルドロフスク州ノヴォウラリスク市で操業している低中レベル放射性固体廃棄物の浅地中処分場(PPZRO)において、処分場の第2期拡張工事の一部となるコンクリート打設作業が開始されたことを公表した。

ロシア初となるノヴォウラリスクの浅地中処分場では、第1期で建設されたコンクリートピット型の処分場(処分容量15,000m3)が2016年から操業を開始している。第2期では、新たにコンクリートピットを3つ建設することにより、39,000m3の処分容量を追加する計画である。2020年を予定している工事完了後は、浅地中処分場全体の処分容量は54,000m3となり、操業期間は2036年までとなる見通しである。

なお、ノオラオ社(NO RAO)は、スヴェルドロフスク州ノヴォウラリスク市の他に、チェリャビンスク州オジョルスク市やトムスク州セヴェルスク市などでも低中レベル放射性固体廃棄物の浅地中処分場を立地する計画である。

図 浅地中処分場のレイアウト(NO RAO社資料を一部加工)

図 浅地中処分場のレイアウト(NO RAO社資料を一部加工)

【出典】

  1. ロシアでは、2011年に放射性廃棄物管理法が制定され、同法で規定された安全で経済的な放射性廃棄物管理を実施する国家事業者として、2012年3月に国営企業ノオラオが設立された。 []
  2. ロシアでは処分方法に関連させて放射性廃棄物を6つのクラスに分類している。クラス1は発熱性高レベル放射性固体廃棄物、クラス2は高レベル放射性固体廃棄物と長寿命中レベル放射性廃棄物に分類され、いずれも地層処分相当としている。クラス3は100mの深さまでの浅地中処分施設への処分相当の低中レベル放射性固体廃棄物、クラス4は地表レベルの浅地中処分施設への処分相当の低レベル放射性固体廃棄物及び極低レベル放射性固体廃棄物に分類される。クラス5は低中レベル放射性液体廃棄物、クラス6は探鉱や精錬等で発生する廃棄物に分類されている。浅地中処分場(PPZRO)で処分する廃棄物は、クラス3から4の放射性廃棄物である。 []

(post by t-yoshida , last modified: 2023-10-11 )