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§ 2018年3月12日 発行 海外情報ニュースフラッシュ

ドイツでコンラッド処分場の操業開始の遅延を公表 -2027年前半の操業開始見込み‐

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ドイツの放射性廃棄物処分の実施主体である連邦放射性廃棄物機関(BGE)は2018年3月8日に、非発熱性放射性廃棄物1 の地層処分場であるコンラッド処分場の操業開始時期について、従来予定していた2022年から約5年間遅れ、2027年前半となる見通しであることを公表した。コンラッド処分場では、2007年から旧鉄鉱山を処分場とするための改造工事が進められている。BGEは今回のスケジュール変更について、2018年3月12日にコンラッド処分場の情報提供施設において開催する一般向けの情報提供イベントにおいて説明する予定である。

ドイツでは、2016年7月8日に成立した「最終処分分野における組織体制刷新のための法律」における原子力法改正により、コンラッド処分場を含む放射性廃棄物処分場の建設・操業・閉鎖を行う処分実施主体としての役割が、従来の連邦放射線防護庁(BfS)から、連邦政府100%所有の有限会社BGEに移管された 。この移管に際し、連邦環境・自然保護・建設・原子炉安全省(BMUB)はBGEに対して、コンラッド処分場の建設状況を検証し、あらためて建設計画全体の具体的なスケジュールを示すよう指示していた。これを受けてBGEは、外部専門家に委託してコンラッド処分場の建設状況を精査し、その結果として今回の操業開始時期の遅延を公表したものである。

スケジュールの遅延が見込まれる原因として、外部専門家は、コンラッド処分場が現行の原子力法の下での初めての地層処分場であり、操業前の確認等のプロセスに時間を要すると考えられること、実施主体がBGEとなったことで建設作業等の新たな契約を結ぶ必要性が出てきたことなどを挙げている。なお、BMUBは、原子力発電所の廃止措置に伴い発生する放射性廃棄物は各原子力発電所サイトなどで中間貯蔵が可能であるとして、コンラッド処分場の操業開始の遅延による原子力発電所の廃止措置作業への影響はないと説明している。

コンラッド処分場については、1982年に当時の実施主体であった連邦物理・技術研究所(PTB)により、原子力法に基づく計画確定手続の申請が開始され、2002年5月にはニーダーザクセン州により計画確定決議が行われた。この計画確定決議に対する異議申し立てに関する裁判が実施されたが、2007年4月に計画確定決議が法的に有効となった。

 

【出典】

 

【2022年8月4日追記】

コンラッド処分場の積替建屋及びバッファ建屋

ドイツの放射性廃棄物処分の実施主体である連邦放射性廃棄物管理機関(BGE)は、2022年7月29日に、非発熱性放射性廃棄物2 の地層処分場であるコンラッド処分場について、廃棄物受入施設(積替建屋及び付属するバッファ建屋)の建設を受注する者が決定したことを公表した。受注者はヨーロッパ全土を対象とした入札で選定されており、応札した5社の中から、コンラッド処分場の地元州を拠点とするEd. Züblin社ハノーファ事業所が1.37億ユーロ(約195億円、1ユーロ=142円として換算)で落札した。廃棄物受入施設の全長は140mであり、コンラッド処分場の地上施設として最大のものである。建設工事は2023年第1四半期に開始され、2025年に竣工予定である。

コンラッド処分場における廃棄体受入から処分室への定置までの流れ

非発熱性放射性廃棄物は、発生者のもとでパッケージに収納されて廃棄体とし、コンラッド処分場まで鉄道、またはトラックで輸送される。受入施設に到着した廃棄体は、積替建屋で積み下ろされ、放射線計測などの検査を受けた後、地下処分施設に通じる立坑の入口(巻上げ塔)まで運ばれる。積替建屋に付属するバッファ建屋は、立坑のリフトにトラブルが発生した場合などに、廃棄体を一時的に保管するために使用される。

【出典】

 


  1. ドイツでは、処分した放射性廃棄物からの発熱によって処分空洞壁面の温度上昇が3℃以上となる場合、そのような廃棄物を「発熱性放射性廃棄物」と定義している。それ以外の「非発熱性放射性廃棄物」は、いわゆる低中レベル放射性廃棄物に相当する。 []
  2. ドイツでは、処分した放射性廃棄物の発熱量によって、処分空洞壁面の温度上昇が3℃以上となる場合、そのような廃棄物を「発熱性放射性廃棄物」と定義している。それ以外の「非発熱性放射性廃棄物」は、いわゆる低中レベル放射性廃棄物に相当する。 []

(post by tokushima.hideyuki , last modified: 2022-08-04 )