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《米国》2011会計年度のユッカマウンテン処分場予算をゼロとする予算要求 -DOEは30日以内にユッカマウンテン処分場の許認可申請を取り下げへ

2010年2月1日、米国で大統領の2011会計年度 1 の予算教書が連邦議会に提出され、大統領府管理・予算局(OMB)のウェブサイトで公表されるとともに、エネルギー省(DOE)のウェブサイトでDOEの予算要求資料が公表された。DOEの予算要求資料では、ユッカマウンテン処分場開発は実行可能なオプションではないとするオバマ政権の決定を反映するとともに、これまでユッカマウンテン処分場開発を実施してきたDOEの民間放射性廃棄物管理局(OCRWM)を閉鎖することが示されている。また、高レベル放射性廃棄物の管理に関してユッカマウンテン処分場とは別の解決策が必要であるとして、原子力規制委員会(NRC)において審査中のユッカマウンテン許認可申請をDOEが2010会計年度中に取り下げるとの方針を示している。このため、土地取得、輸送のためのアクセスや追加工事を含むユッカマウンテン処分場開発及びOCRWMの全ての費用を削減するとしており、予算要求額はゼロとなっている。

DOEの予算要求資料では、OCRWMの閉鎖後はDOEの原子力局が関連業務を引き継ぐことが示され、ユッカマウンテン処分場開発の関連予算は2011会計年度には計上されていない。DOEの原子力局がOCRWMから引き継ぐ具体的な作業としては、2009年1月29日に設置が公表されたブルーリボン委員会での検討等に資する情報提供等を含む同委員会の活動支援に加え、これらの支援及び将来の高レベル放射性廃棄物管理方策の開発に必要とされる各種研究開発活動を実施することが示されている。また、放射性廃棄物基金(NWF)の管理を含む放射性廃棄物政策法(NWPA)に基づく責務についても原子力局が引き継ぐことが示されている。

この予算要求において示された、2010会計年度中のユッカマウンテン処分場の許認可申請の取り下げ、及び2011会計年度におけるユッカマウンテン処分場開発の関連予算を全て削減するとの方針を受け、DOEは、NRCの原子力安全・許認可委員会(ASLB)に対して2010年2月1日付で申請書を提出した。この申請書では、DOEが30日以内にユッカマウンテン処分場の許認可申請を取り下げる意向が示されるとともに、許認可申請取り下げの申請に対する対応が決定するまで、ユッカマウンテン処分場の許認可申請の審査手続を停止するよう要請している。

なお、上記のDOEによるユッカマウンテン処分場の許認可申請の取り下げの方針を踏まえ、ユッカマウンテン処分場の許認可申請書を審査するための原子力規制委員会(NRC)の2011会計年度の予算要求については、NRCのユッカマウンテン許認可申請の審査の終了に伴う後処理等の活動費用として1,000万ドル(2010会計年度歳出予算額比で1,900万ドル減)が要求されている。

【出典】

2010年7月26日追記

2010年7月22日、米国の連邦議会上院歳出委員会は、エネルギー関係等の歳出法案を上院本会議へ提出した。同歳出法案では、エネルギー省(DOE)のユッカマウンテン処分場開発関連の歳出予算額はゼロとされており、DOEの予算要求額と同額となっている。ただし、DOEに対しては、ユッカマウンテン・サイトの閉鎖などの監督のための費用として、250万ドル予算が割り当てられている。なお、その他の高レベル放射性廃棄物処分関連としては、原子力規制委員会(NRC)に対して1,000万ドル、放射性廃棄物技術審査委員会(NWTRB)に対して約389万ドルの予算が割り当てられている。

【追記部出典】


  1. 米国における会計年度は前年の10月1日から当年9月30日までの1年間となっており、今回対象となっている2011会計年度の予算は2010年10月からの1年間に対するものである。[]

(post by inagaki.yusuke , last modified: 2023-10-11 )