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《フランス》公開討論国家委員会(CNDP)が放射性廃棄物に係る公開討論の強化策を公表

フランスにおける地層処分場の設置に関する公開討論会に関して、公開討論国家委員会(CNDP)は2013年7月3日の会合において、Cigéo 1 プロジェクトに対するフランス国民からの意見等の収集・対応の状況について現状確認し、今後の「公開討論」の強化策を決定した。CNDPは公開討論の期間を当初の計画から2カ月延長(2013年12月15日まで)した上で、従来の公開討論会と並行して、次の3つの新たな方法を採用するとしている。

  1. Cigéoプロジェクトの実施地点の近傍の公衆の意見が国レベルまで届くようにするため、比較的小さい行政単位で地元会合をもつ。この会合には、自治体の代表者の参加を想定する。各会合の開催形式は地域の状況に合わせて、対面形式(住民参加の公開会合、あるいはより小規模な会合)またはホットラインでの会合とする。ムーズ県とオート=マルヌ県で地元会合を数十回程度開催する見込みであり、7月前半から順次開始していく。
  2. インターネット会議異なる意見による討論シリーズを定期的に開催する。双方向性を生かし、国民からの質問や意見に対して、ANDRAや国内外の専門家が直接オンラインで答える形式の会議である。最初の「異なる意見による討論」会議は「様々な放射性廃棄物」と題して、7月11日の現地時間の19時から公開討論会のウェブサイト上で生中継する予定である。また、この会議には専門家の立場から、放射線防護・原子力安全研究所(IRSN)のBenjamin Dessus氏が参加するほか、地層処分場の設置に関する公開討論会を主導する特別委員会(CPDP)の委員長クロード・ベルネ氏が司会を務めることとなっている。
  3. 公開討論の締め括りとして、市民会議を開催する。この会議の参加者はムーズ県及びオート=マルヌ県の住民から人口比率に応じた割合で統計的に選抜し、説明を受けた上で意見を発表してもらう形式である。

CNDPは、これらの新たな方法に関する詳細をムーズ県及びオート=マルヌ県の約18万世帯に送付する予定としている。

また、CNDPは2013年7月3日付けプレスリリースにおいて、公開討論会への関心・期待に関する世論調査結果を公表した。この調査は、CNDPがフランスの世論調査会社(TNS sofresd社)に委託して実施したものであり、ムーズ県及びオート=マルヌ県の住民を対象に2013年6月14、15日に電話調査が行われた。5月23日にビュールで開催された公開討論会が反対派の妨害により中止に追い込まれた以降に行われた世論調査である。「Cigéoプロジェクトに反対意見の人は、公開討論会に参加すべきか」との設問がなされ、2つの県の住民の83%が参加すべきとする回答を寄せたとしている。

【出典】

 

【2013年09月10日追記】

公開討論国家委員会(CNDP)は、2013年9月6日付のプレスリリースにおいて、今後開催するインターネット会議「異なる意見による討論」シリーズの開催日程と討論テーマを公表した。2013年7月11日に開催された第1回目の討論を含めて全9回の開催を予定している。第2回から第8回までの開催日と討論テーマは下表の通りとしている。なお、締め括りとなる第9回の開催日は未定である。討論の模様(90分を予定)はCNDP特設ウェブサイトwww.debatpublic-cigeo.orgにおいて生中継され、インターネット経由で質問・意見を受け付け、専門家が回答する双方向の会議である。

インターネット会議「異なる意見による討論」シリーズの開催日程(実績・予定)
日時 討論テーマ
1 2013年 7月11日 様々な放射性廃棄物
2 2013年 9月18日 処分方策(地層処分、中間貯蔵、核種分離・変換)
3 2013年 9月23日 諸外国との比較(スウェーデン、フィンランド、米国、カナダ及びドイツ)
4 2013年10月 9日 予防原則と可逆性
5 2013年10月16日 処分場作業員、地元住民及び環境に対するリスクと安全面
6 2013年10月23日 廃棄物の輸送
7 2013年10月30日 地元地域の将来の動態予測(人口、雇用、教育及び商業)と地元開発
8 2013年11月13日 プロジェクトのコストと資金調達
9 未定 締め括り

【出典】

 

【2013年11月12日追記】

フランスの地層処分場の設置に関する公開討論会を主導する特別委員会(CPDP)は、2013年11月8日付プレスリリースにおいて、公開討論会の進捗と今後のスケジュールに関する情報を公開した。今後、公開討論会の2カ月延長した期間終了までに(2013年12月15日)、インターネット上での議論「異なる意見による討論」を2回開催する予定としている。今回の公開討論会では、会場に参集して意見表明する形態に代えて、インターネットを利用した双方向の意見表明の実現を目指している。この新たな取り組みにより、6,000人以上が議論に参加していること、またソーシャルネットワーク上にて1,000人程度が意見表明をしていることから、CNDPは国民一般への情報提供と意見表明機会の提供という公開討論会の目的は、これまでのところ尊重されているとの見解を示している。

公開討論会の終了後のスケジュールについて、議事録、総括報告書が取りまとめられた後、今回の公開討論会の開催を公開討論国家委員会(CNDP)に付託した放射性廃棄物管理機関(ANDRA)が地層処分プロジェクトへの反映内容を決定する予定である。同プレスリリースによれば、公開討論会の終了後、以下のようなスケジュールが想定されている。

  • 2013年12月15日:公開討論会の終了
  • 2014年2月15日:CPDPが公開討論会の議事録を取りまとめ、公開討論国家委員会(CNDP)が公開討論会の総括報告書を取りまとめ

なお、公開討論会に関する環境法典 2 の規定に基づき、ANDRAは公開討論会の終了後も、プロジェクトの進捗に関する情報提供を公衆に対して継続しなければならない。同プレスリリースでは、ANDRAによる情報提供は4~5年間、あるいはそれ以上の期間にわたるとの見通しが示されている。

 

【出典】

  • 環境法典1

【2013年12月18日追記】

フランスの放射性廃棄物管理機関(ANDRA)は、2013年12月17日付のプレスリリースにおいて、地層処分場の設置に関する公開討論会に係る意見交換の段階が終了したことを公表した。

ANDRAは、2013年12月15日までのインターネットを通じた意見交換において、公開討論会専用のウェブサイトを通じて、国民、環境保護団体、労働組合、地方自治体、国際機関などから、多くの見解、質問、資料等が寄せられたとしている 3 。また、インターネットを通じて実施された合計9回の「異なる意見による討論」シリーズにおいても、地層処分プロジェクトに関する主要なテーマについて、深掘りした議論を行うことができたとしている。なお、最終回となる第9回の異なる意見による討論は、2013年11月20日に、ガバナンスを討論テーマとして実施された。

ANDRAは2013年7月3日に導入された公開討論会の強化策のうち、市民会議については、2013年12月14日及び15日における開催を皮切りに現在開催中であるとしている。市民会議の結果は2014年2月初旬に示される予定であり、その結果は公開討論会を主導する特別委員会(CPDP)が作成する公開討論会の議事録及び公開討論国家委員会(CNDP)が取りまとめる公開討論会の総括報告書に盛り込まれることになる。総括報告書等は、2014年2月15日頃に公開される予定としている。

 

【出典】

  • ANDRA情報

  1. フランス語のCentre industriel de stockage géologique pour les déchets HA et MA-VL(高レベル及び長寿命中レベル放射性廃棄物の地層処分産業センター)から“Cigéoプロジェクト”と称される。[]
  2. 公開討論会終了後の情報提供の継続については、2010年7月12日の環境グルネル第2法による改正により、環境法典に追加された内容である。[]
  3. ANDRAから得られた情報によれば、公開討論会専用ウェブサイトには、期間中に7万を超える接続があり、767件の質問、391件の意見表明がなされた。[]

(post by yokoyama.satoshi , last modified: 2023-10-11 )