hlw:ch:chap3
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hlw:ch:chap3 [2012/03/22 11:02] – Approved sahara.satoshi | hlw:ch:chap3 [2017/05/16 13:50] – ss12955jp | ||
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+ | ====== スイスにおける高レベル放射性廃棄物処分 | ||
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+ | *<fs 90%>1. [[prologue|高レベル放射性廃棄物の発生状況と処分方針]]</ | ||
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+ | *<fs 90%>4. [[chap4|処分地選定の進め方と地域振興]]</ | ||
+ | *<fs 90%>5. [[chap5|処分事業の資金確保]]</ | ||
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====== 3. 処分事業に係わる制度/実施体制 ====== | ====== 3. 処分事業に係わる制度/実施体制 ====== | ||
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====== 3.1 実施体制 ====== | ====== 3.1 実施体制 ====== | ||
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- | * スイスにおける高レベル放射性廃棄物の処分に係る行政機関は、連邦評議会、環境・運輸・エネルギー・通信省(UVEK)、UVEKが所轄する連邦エネルギー庁(BFE)、及び連邦原子力安全検査局(ENSI)です。高レベル放射性廃棄物の処分場に関する事業許可は、UVEKが発給します。BFE及びENSIは放射性廃棄物管理共同組合(NAGRA)に対し、原子力安全及び放射線防護の観点から直接的な規制・監督を行います。ENSIは処分の安全性確保のための指針を策定しています。NAGRAは、電力会社及び連邦政府などの共同出資によって設立されています。 | + | {{: |
+ | * スイスにおける高レベル放射性廃棄物の処分に係る行政機関は、連邦評議会、環境・運輸・エネルギー・通信省(UVEK)、UVEKが所轄する連邦エネルギー庁(BFE)、及び連邦原子力安全検査局(ENSI)です。高レベル放射性廃棄物の処分場に関する事業許可は、UVEK が発給します。BFE | ||
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===== 実施体制の枠組み ===== | ===== 実施体制の枠組み ===== | ||
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+ | スイスにおける処分に係る実施体制は、右図のようになります。処分に関わる連邦の行政機関には、連邦評議会、環境・運輸・エネルギー・通信省(UVEK)と同省所轄の行政機関である連邦エネルギー庁(BFE)、連邦原子力安全検査局(ENSI)があります。ENSIは、前身の監督機関の原子力施設安全本部(HSK)がBFEから独立し、2009年1月に発足しました。 | ||
+ | 高レベル放射性廃棄物の処分場の建設及び操業許可については、UVEK が発給します。UVEKは、エネルギーや環境に関する連邦省であり、 | ||
+ | UVEK の所轄する行政機関であるBFEはサイト選定手続きの監督・責任官庁です。ENSIは、原子力安全と放射線防護の観点から直接的な規制・監督を行い、また、放射性廃棄物処分の安全確保のための指針を策定しています。 | ||
- | スイスにおける処分に係る実施体制は、右図のようになります。処分に関わる行政機関には、連邦評議会、環境・運輸・エネルギー・通信省(UVEK)とUVEKが所轄する行政機関である連邦エネルギー庁(BFE)、連邦原子力安全検査局(ENSI)があります。ENSIは、前身の監督機関の原子力施設安全本部(HSK)がBFEから独立し、2009年1月に発足しました。高レベル放射性廃棄物の処分場の建設及び操業許可については、UVEKが発給します。UVEKは、エネルギーや環境に関する連邦省であり、UVEKの所轄する行政機関であるBFE及びENSIが、原子力安全と放射線防護の観点から直接的な規制・監督を行います。またENSIは、放射性廃棄物処分の安全確保のための指針を策定しています。 | + | 放射性廃棄物管理ワーキンググループ(AGNEB)は連邦評議会及びUVEKに代わり、廃棄物管理に関する専門家の見解などをまとめる役割を果たしています。連邦評議会、UVEK、ENSIの諮問機関として、処分場諮問委員会、地層処分場専門家グループ(EGT)、原子力安全委員会(KNS)があります。 |
- | 放射性廃棄物管理委員会(KNE)、原子力安全委員会(KNS)、放射性廃棄物管理ワーキンググループ(AGNEB)は、連邦評議会、UVEK、BFEなどに対する諮問機関として放射性廃棄物処分に対するレビューなどを行う役割を担っています。なお、KNEは、2011年末をもって解散され、その業務は、新たに設置される「地層処分場専門家グループ」が、2012年から引き継ぐことになっています。 | + | |
+ | 処分場諮問委員会、地層処分場専門家グループ(EGT)、原子力安全委員会(KNS)は、それぞれ連邦評議会、UVEK、ENSIに対する諮問機関として放射性廃棄物処分に対するレビューなどを行う役割を担っています。 | ||
+ | 放射性廃棄物管理ワーキンググループ(AGNEB)は、連邦評議会及びUVEKに代わり、廃棄物管理に関する専門家の見解などをまとめる役割を果たしています。 | ||
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===== 実施主体 ===== | ===== 実施主体 ===== | ||
- | 1959年の旧原子力法は、原子力施設の所有者に、操業許可が取り消された原子力施設におけるすべての危険物の除去を義務づけていました。この責務を果たすために、スイスの電力会社、並びに医療・産業・研究分野から発生する廃棄物に対して責任を有する連邦政府は、1972年に**放射性廃棄物管理共同組合(NAGRA)**を設立しました。2005年2月に施行された原子力法でも、放射性廃棄物処分の責任は発生者が負うことが規定されています。 | + | 1959年の旧原子力法は、原子力施設の所有者に、操業許可が取り消された原子力施設におけるすべての危険物の除去を義務づけていました。また医療・産業・研究分野から発生する廃棄物については連邦政府が責任を有しています。この責務を果たすために、スイスの電力会社と連邦政府は、1972年に**放射性廃棄物管理共同組合(NAGRA)**を設立しました。2005年2月に施行された原子力法でも、放射性廃棄物処分の責任は発生者が負うことが規定されています。 |
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===== 安全規則 …処分の安全性確保のための指針 ===== | ===== 安全規則 …処分の安全性確保のための指針 ===== | ||
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- | 処分場の閉鎖後に適用される防護基準 | + | {|style=" |
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**[7] セーフティケース** \\ ENSI-G03「地層処分場の設計原則とセーフティケースに関する要件」では、セーフティケースとは、地層処分場の長期的な挙動とその放射線学的影響に関する安全評価に依拠した、閉鎖後の地層処分場の長期安全性に関する総合的な評価のことと定義されています。 | **[7] セーフティケース** \\ ENSI-G03「地層処分場の設計原則とセーフティケースに関する要件」では、セーフティケースとは、地層処分場の長期的な挙動とその放射線学的影響に関する安全評価に依拠した、閉鎖後の地層処分場の長期安全性に関する総合的な評価のことと定義されています。 | ||
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====== 3.2 処分に関わる法制度 ====== | ====== 3.2 処分に関わる法制度 ====== | ||
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行 122: | 行 142: | ||
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行 136: | 行 156: | ||
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行 149: | 行 169: | ||
===== 原子力責任 ===== | ===== 原子力責任 ===== | ||
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行 157: | 行 177: | ||
* なお、原子力賠償責任法では、原子力法による規制の対象ではなくなった閉鎖後の地層処分場から損害がもたらされた場合、連邦政府が損害を補償することが規定されています。 | * なお、原子力賠償責任法では、原子力法による規制の対象ではなくなった閉鎖後の地層処分場から損害がもたらされた場合、連邦政府が損害を補償することが規定されています。 | ||
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- | <fs x-small> | + | -->全体構成^ |
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+ | *<fs 90%>1. [[prologue|高レベル放射性廃棄物の発生状況と処分方針]]</ | ||
+ | *<fs 90%>2. [[chap2|地層処分計画と技術開発]]</ | ||
+ | *<fs 90%>3. [[chap3|処分事業に係わる制度/実施体制]]</ | ||
+ | *<fs 90%>4. [[chap4|処分地選定の進め方と地域振興]]</ | ||
+ | *<fs 90%>5. [[chap5|処分事業の資金確保]]</ | ||
+ | *<fs 90%>6. [[chap6|安全確保の取り組み・コミュニケーション]]</ | ||
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hlw/ch/chap3.txt · 最終更新: 2017/10/27 18:38 by 127.0.0.1