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hlw:ca:chap5 [2013/12/09 22:57] – [NWMOによる処分費用の見積もり] 新規書き起こし sahara.satoshi | hlw:ca:chap5 [2016/03/22 17:30] – sahara.satoshi | ||
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- | * 核燃料廃棄物の地層処分場の建設以降で発生する将来費用を確保するために、核燃料廃棄物法に基づき、使用済燃料の管理責任を有する原子力企業4社は独自に設立した信託基金に毎年預け入れをしています。2012年12月末の基金残高合計は約28億カナダドル(約2, | + | * 核燃料廃棄物の地層処分場の建設以降で発生する将来費用を確保するために、核燃料廃棄物法に基づき、使用済燃料の管理責任を有する原子力企業4社は独自に設立した信託基金に毎年預け入れをしています。2013年12月末の基金残高合計は約29億カナダドル(約2, |
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| オンタリオ・パワージェネレーション(OPG)社 | | オンタリオ・パワージェネレーション(OPG)社 | ||
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| ハイドロ=ケベック(HQ)社 | | ハイドロ=ケベック(HQ)社 | ||
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| ニューブランズウィック・パワー・ニュークリア(NBPN)社 | | ニューブランズウィック・パワー・ニュークリア(NBPN)社 | ||
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| カナダ原子力公社(AECL) | | カナダ原子力公社(AECL) | ||
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2002年の核燃料廃棄物法において、核燃料廃棄物の長期管理に必要な資金を確保する仕組みが導入されました。使用済燃料の発生者である原子力発電事業者3社(オンタリオ・パワージェネレーション社、ニューブランズウィック・パワー社、ハイドロ=ケベック社)とカナダ原子力公社(AECL)は、それぞれ独自に信託基金を設立し、この基金に毎年預け入れることになっています。信託基金には、核燃料廃棄物の地層処分場の建設及びそれ以降で発生する費用を確保します。これらの信託基金からの資金の引き出しは、処分実施主体であるカナダ核燃料廃棄物管理機関(NWMO)だけができると定められています。 | 2002年の核燃料廃棄物法において、核燃料廃棄物の長期管理に必要な資金を確保する仕組みが導入されました。使用済燃料の発生者である原子力発電事業者3社(オンタリオ・パワージェネレーション社、ニューブランズウィック・パワー社、ハイドロ=ケベック社)とカナダ原子力公社(AECL)は、それぞれ独自に信託基金を設立し、この基金に毎年預け入れることになっています。信託基金には、核燃料廃棄物の地層処分場の建設及びそれ以降で発生する費用を確保します。これらの信託基金からの資金の引き出しは、処分実施主体であるカナダ核燃料廃棄物管理機関(NWMO)だけができると定められています。 | ||
- | 各社は信託基金に対して、年末の残高が前年6月時点で発生している核燃料廃棄物を将来に処分するために現時点で保有すべき金額(割引後の金額)を超えるように毎年預け入れます。2012年12月末時点において、信託基金の残高合計は約28億カナダドル(約2,600億円)となっています。(1カナダドル=94円で換算) | + | 各社は信託基金に対して、年末の残高が前年6月時点で発生している核燃料廃棄物を将来に処分するために現時点で保有すべき金額(割引後の金額)を超えるように毎年預け入れます。2014年12月末時点において、信託基金の残高合計は約34億カナダドル(約3,130億円)となっています。(1カナダドル=92円で換算) |
なお、サイト選定活動などNWMOが将来に立地する地層処分場の建設許認可を受けるまでに発生する費用は、NWMOを設立した原子力電力事業者3社とAECLが核燃料廃棄物の処分量比率に応じて分担しており、年度毎に会計処理されています。 | なお、サイト選定活動などNWMOが将来に立地する地層処分場の建設許認可を受けるまでに発生する費用は、NWMOを設立した原子力電力事業者3社とAECLが核燃料廃棄物の処分量比率に応じて分担しており、年度毎に会計処理されています。 | ||
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===== NWMOによる処分費用の見積もり ===== | ===== NWMOによる処分費用の見積もり ===== | ||
- | 原子力発電事業者3社とカナダ原子力公社(AECL)の信託基金への拠出額を算定するために、NWMOは処分費用を算定しています。最新の費用見積もりは2011年に行われており、地層処分場のサイト選定を含む「適応性のある段階的管理」(APM)プログラムの実施に必要な費用を約179億カナダドル(約1兆6, | + | 原子力発電事業者3社とカナダ原子力公社(AECL)の信託基金への拠出額を算定するために、NWMOは処分費用を算定しています。最新の費用見積もりは2011年に行われており、地層処分場のサイト選定を含む「適応性のある段階的管理」(APM)プログラムの実施に必要な費用を約179億カナダドル(約1兆6, |
* CANDU炉使用済燃料360万体(約68, | * CANDU炉使用済燃料360万体(約68, | ||
* 地層処分場は2035年から操業を開始し、2160年に閉鎖する。 | * 地層処分場は2035年から操業を開始し、2160年に閉鎖する。 | ||
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選択肢④はカナダの長期管理アプローチとして決定したものであり、30年後から30年間の集中中間貯蔵を組み込み、60年後から地層処分を開始、最大300年後まで処分場の閉鎖を延期するスケジュールを仮定しています。その後、処分場の閉鎖には25年を要するとしています。 | 選択肢④はカナダの長期管理アプローチとして決定したものであり、30年後から30年間の集中中間貯蔵を組み込み、60年後から地層処分を開始、最大300年後まで処分場の閉鎖を延期するスケジュールを仮定しています。その後、処分場の閉鎖には25年を要するとしています。 | ||
- | 「適応性のある段階的管理」(APM、選択肢④)の実施に必要となる費用は、処分の前段階として地下浅部での集中中間貯蔵施設を建設する場合には244億カナダドル(2兆2,900億円)、建設しない場合には226億カナダドル(2兆1,200億円)と推定されていました。 | + | 「適応性のある段階的管理」(APM、選択肢④)の実施に必要となる費用は、処分の前段階として地下浅部での集中中間貯蔵施設を建設する場合には244億カナダドル(2.2兆円)、建設しない場合には226億カナダドル(2兆円)と推定されていました。 |
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hlw/ca/chap5.txt · 最終更新: 2018/05/02 15:35 by sahara.satoshi