(公財)原子力環境整備促進・資金管理センター

諸外国での高レベル放射性廃棄物処分

Learn from foreign experience in HLW management

ユーザ用ツール

サイト用ツール


サイドバー

諸外国の状況

諸外国における高レベル放射性廃棄物処分の状況(あらまし)

国別編(詳細情報)

スウェーデン

フィンランド

フランス

スイス

ドイツ

英国

米国

カナダ


その他の国(簡略情報)

スペインスペイン
ベルギーベルギー
ロシアロシア

アジア諸国(簡略情報)
中国中国
韓国韓国
日本日本


諸外国での原子力発電

関連情報
  • リンク集+1
諸外国トピカル情報


hlw:ca:ca-2012
HLW.CA

(簡略版)

カナダにおける高レベル放射性廃棄物処分の概要

カナダ

  • カナダでは、2002年11月に高レベル放射性廃棄物の管理の枠組みを定めた法律(核燃料廃棄物法)が施行され、同法に基づいて、処分の実施主体となる核燃料廃棄物管理機関(NWMO)が設立されました。
  • NWMO は、核燃料廃棄物法の規定に従って、地層処分、サイト貯蔵、集中貯蔵の各々の方法に基づいた長期管理アプローチを検討した結果、2005年11月にこれらを組み合わせた「適応性のある段階的管理」(APM)を天然資源大臣に対して提案しました。2007年6月に、天然資源大臣の勧告を受けて行われた総督決定により、この長期管理アプローチが正式に採用されました。

カナダの処分方針

ca-repository.png

カナダでは、原子力発電所から発生するカナダ型重水炉(CANDU炉)の使用済燃料を再処理せずに高レベル放射性廃棄物として、当面60年間はサイト貯蔵、集中貯蔵を実施し、最終的には地層処分するという「適応性のある段階的管理」(APM)を長期管理アプローチとしています。これは、従来通り原子力発電所サイト内で廃棄物を管理しつつ、集中管理(集中貯蔵、地層処分)を行うサイトの選定プロセスを実施し、サイト選定後は、段階的に集中貯蔵、地層処分を実施するものです。なお、集中貯蔵施設は、選定された処分サイトの浅地中に設置することが考えられていますが、設置はオプションと位置付けられています。段階的にプロセスを進めるに当たっては、サイト選定、集中貯蔵施設及び地層処分場の建設、閉鎖等への市民、地方自治体、州等による継続的な関与が保証されています。

高レベル放射性廃棄物の発生

カナダの商業用の原子炉は、全て天然ウランを燃料とするカナダ型重水炉(CANDU炉)であり、5カ所の原子力発電所に所在しています。2011年末現在で運転中の原子炉は17基、改修中が5基となっています。
出典 http://www.nuclearsafety.gc.ca/eng/licenseesapplicants/powerplants/operating/


処分の実施体制

カナダでは、核燃料廃棄物法において、使用済燃料の管理責任を有する原子力発電会社が、核燃料廃棄物管理組織を設立することを規定しています。これに従って、原子力発電会社は共同で、使用済燃料管理の実施主体として核燃料廃棄物管理機関(NWMO)を設立しました。また、NWMOは核燃料廃棄物法の規定に従って、NWMOの諮問機関として諮問評議会を設置しました。この諮問評議会は、NWMOに対して助言や報告書の評価等を行います。

核燃料廃棄物管理に関わる主な行政機関としては、核燃料廃棄物局(NFWB)及びカナダ原子力安全委員会(CNSC)があります。NFWBは、天然資源省(NRCan)に属しており、核燃料廃棄物法に基づき核燃料廃棄物管理の監督全般を行います。また、CNSCは、原子力安全管理法によって設置され、原子力と放射性物質の使用に関する規制機関としての役割を担っています。

核燃料廃棄物の長期管理に必要となる資金の確保のため、核燃料廃棄物法によって原子力発電会社とカナダ原子力公社(AECL)により信託基金が設定されています。原子力発電会社及びAECLが信託基金に拠出する金額も核燃料廃棄物法に定められていますが、天然資源大臣の承認によって拠出する金額は変更されることとなっています。


処分事業経緯

カナダにおける高レベル放射性廃棄物処分事業は、当初は、カナダ原子力公社(AECL)が中心となって進めていました。1978年に、連邦政府とオンタリオ州は核燃料廃棄物管理計画に関する共同声明を発出し、AECLを主導とした地層処分の研究開発を開始しました。AECLは、その成果を環境影響評価書として1994年に公表しました。

環境影響評価書をレビューする機関として1989年に設置された核燃料廃棄物管理・処分概念の評価パネル(環境評価パネル)は、「技術的には可能だが、社会的受容性が不十分」との結論から、大きく10項目の勧告を行いました。

天然資源省(NRCan)は、環境評価パネルの勧告にほぼ同意するとの政府見解に従って、実施主体の設立、地層処分を含めた研究開発の推進、資金確保制度の確立などの核燃料廃棄物の管理の枠組み整備を目的として、核燃料廃棄物法案を2001年4月に連邦議会に上程し、2002年6月の成立後、2002年11月に同法は施行されました。核燃料廃棄物法に基づいて、核燃料廃棄物管理機関(NWMO)が、核燃料廃棄物管理の実施主体として設立されました。

NWMOは、核燃料廃棄物法に従って、2003年から2004年にかけて議論を展開させるための協議報告書を公表するとともに、各地で対話集会、ワークショップや専門家との対話・円卓会議などを行って長期管理アプローチを検討し、2005年11月に最終報告書『進むべき道の選択:カナダの使用済燃料の管理』を公表し、最終的には地層処分を行うが、当面約60年間は、サイト貯蔵、集中貯蔵を実施するという「適応性のある段階的管理」(APM)を天然資源大臣に提案しました。適応性のある段階的管理は、2007年6月に、天然資源大臣の勧告を受けて行われた総督決定により、使用済燃料の長期管理アプローチとして決定しました。また、2008年以降、NWMOは、今後5年間の行動計画をまとめた「適応性のある段階的管理の実施計画書」を作成し、パブリックコメントを受けて策定しています。

サイト選定については、2010年5月にサイト選定計画である報告書『連携して進む:カナダの使用済燃料の地層処分場選定プロセス』をNWMOが策定し、全9段階からなるサイト選定を開始しており、核燃料サイクルに直接関わる州内で集中管理を行うこと、公募による地元意思の尊重すること、最終合意までの地元自治体の撤退権を確保すること、処分場の受入れにより恩恵を受ける権利確保することを主な指針としています。

サイト選定の第2段階で地元自治体は、処分事業及びサイト選定計画についての情報提供に対して関心を表明することとなっています。2012年9月末までに22地域の地元自治体による関心表明がなされました。NWMOは現在、当面は受付済みの地域を対象とした調査とサポートに注力するとして、新たな関心表明の受付を2012年9月30日をもって一時中断しています。

これまでにカナダにおける使用済燃料処分場のサイト選定に対して関心表明を行った地域及びその状況について、別紙(PDFファイル)に整理しています。

第2段階として行われる初期スクリーニングの結果は、22地域のうち20地域で公表されており、1地域を除いていずれも良好とされています。また、8地域では第3段階であるフィージビリティ調査(潜在的な適合性の予備的評価)が開始されています。


処分動向・事業のまとめ(年表)

1978年 : 連邦政府とオンタリオ州が 核燃料廃棄物管理計画を策定
1994年 : AECLが核燃料廃棄物の処分概念に関する環境影響評価書を公表
1996~1997年
環境評価パネルがAECLの評価書をベースに公聴会を開催
1998年
環境評価パネルが連邦政府に答申:「技術的には可能だが、社会的受容性が不十分」
連邦政府が環境評価パネルの報告書への見解を公表
2001年
天然資源省が核燃料廃棄物法案を議会に提出
2002年
核燃料廃棄物法の施行
原子力発電事業者が、処分を含む管理事業の実施主体として、カナダ核燃料廃棄物管理機関(NWMO)を設立
(was incorporated as a not-for-profit corporation under Part II of the Canada Corporations Act.)
監督官庁として、天然資源省に核燃料廃棄物局(NFWB)を設置
2005年11月
NWMOが 長期管理アプローチとして「適応性のある段階的管理」を連邦政府に提案
2007年6月
天然資源大臣がNWMO提案を承認し、総督(首相に相当)に管理アプローチを勧告。総督が管理アプローチを決定
2008年6月
NWMOが管理アプローチの実施計画に基づき、サイト選定計画の作成を開始
2010年5月 : NWMOがサイト選定計画を策定。サイト選定を開始

今後の予定


2035年頃 : 処分場の操業開始



備考:通貨換算には、日本銀行の基準外国為替相場及び裁定外国為替相場のレートを使用しています。

  • 1カナダ・ドル=75 円として換算





〔参考資料〕

カナダ カナダ

エネルギー情勢


原子力関連施設

カナダの主要な原子力関連施設の立地点





カナダ

hlw/ca/ca-2012.txt · 最終更新: 2015/10/19 13:44 (外部編集)

経済産業省の委託により、(公財)原子力環境整備促進・資金管理センターが運用しています。