諸外国での高レベル放射性廃棄物処分

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sa:sr-can:sysdesc

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sa:sr-can:sysdesc [2011/02/18 16:37] – [評価対象の処分システムについて] sahara.satoshisa:sr-can:sysdesc [Unknown date] (現在) – 外部編集 (Unknown date) 127.0.0.1
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-[size=160%]**SR-Can (スウェーデン)**[/size]+<fs 160%>**SR-Can (スウェーデン)**</fs>
  
-====== 評価対象の処分システムについて ======+====== 処分システムと安全要件 ======
 (SR-Canプロジェクト:2006年) (SR-Canプロジェクト:2006年)
  
 ---- ----
-[[start|SR-Can]] | [[sysdesc]] | [[methodology]] | [[showcase]] | [[gallery|gallery]] +  * 1. [[start|安全評価書の位置付けとレビュー]] 
- +  * 2. [[sysdesc|処分システムと安全要件]]  | <wrap smaller>対象廃棄物 / 想定処分地 / 処分概念 / 放射線防護基準 </wrap> <- :!: NOW You are Here! 
-  * 1. 安全評価書の位置付け +  * 3[[methodology|安全評価の進め方]] | <wrap smaller>FEP シナリオ / モデル 不確実性の取り扱い</wrap
-  * 2. 対象廃棄物 +  * 4[[showcase|評価結果]]
-  * 3. 放射線防護基準 +
-  * 4処分概念 +
-  * 4a. <span fgred>安全評価の進め方  <- シナリオから分離する?(セーフティケースの国は特に…)</span> +
-  * 4b. <span fgred>FEP <- シナリオから分離する?</span> +
-  * 5. シナリオ +
-  * 6. モデル +
-  * 7. <span fgred>不確実性の取り扱い <- 入れどころに難。</span+
-  * 8. 評価結果 +
-  * 9. 規制機関によるレビュー+
  
 ---- ----
 +{{http://www2.rwmc.or.jp/images/misc/faq01/q02.gif?nolink}}どのような廃棄物を、どのような場所に、どのような方法で処分する場合の安全評価なのか...
  
 \\ \\
 +====== 処分システムの概要 ======
  
  
 ===== 対象廃棄物 ===== ===== 対象廃棄物 =====
  
-<WRAP right 150px box> +<WRAP right box 320px
-{{popup>:sa:skb-tr-06-09-fig4-5.jpg|{{:sa:skb-tr-06-09-fig4-5.jpg?150}}}}\\+{{popup>skb-tr-06-09-fig4-5.jpg|{{skb-tr-06-09-fig4-5.jpg?300}}}}\\
 //Figure 4-5// キャニスタ //Figure 4-5// キャニスタ
 </WRAP> </WRAP>
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 <WRAP clear></WRAP> <WRAP clear></WRAP>
  
 +\\
 +===== 処分場の地質環境・立地条件(評価上の設定) =====
  
-===== 処分概念 ===== +<WRAP right box 320px
- +{{popup>skb-tr-06-09-fig1-2.png|{{skb-tr-06-09-fig1-2.png?300}}}}\\ 
-<WRAP right 150px box> +//Figure 1-2// 処分場候補地の位置
-{{popup>:sa:skb-tr-06-09-fig4-2.jpg|{{:sa:skb-tr-06-09-fig4-2.jpg?150}}}}\\ +
-//Figure 4-2// KBS-3概念+
 </WRAP> </WRAP>
  
-処分概念は、鋳鉄製イートを有する銅製キャニスタに使用済燃料収納し縦置きで定置し周囲ベントナイトで取り囲む人工バリア構成をもつKBS-3処分概念に基づいており、キャニスタは地下500m母岩中に処分す(//Figure 4-2//)+SKB社は、2002年よりスウェーデ南東部のフォルスマルク(エストハンマル自治体)とラクセマル(オスカシャム自治体)の2カ所でサイ調査(地上からのボーリング調査含む)行っいる。SR-Can安全評価はこれら2つ処分場候補地対象として、サイト調査の初期段階で取得した地質データ用いて実施された。 
 + 
 +フォルスマルクとラクセマルのいずれの候補地と、フェノスカンディアと呼ばれる古大陸性の地殻の上に位置しており、岩盤19.5~17.5億年前(古原生代)に形成された結晶質岩である。 
 + 
 + 
 +サイト調査の結果は「サイト記述モデル」(SDM: site descriptive model)として、“SDM報告書”にまとめられている。 
 +SDMはサイト及びその環境を記述したものであり、地圏及び生物圏の現状、並びにこれらの長期挙動に影響を与える進行の自然現象をカバーしている。SDMは、サイト調査プログラムの進行合わせて段階的に開発され。SR-Can安全評価で用いるデータは、SDM Version 1.2の段階で得られたものが使用された 
 + 
 +  * SKB R-05-18 (June 2005)\\ Preliminary site description. Forsmark area - version 1.2. Updated 2005-11-09 
 +  * SKB R-06-10 (April 2006)\\ Preliminary site description. Laxemar subarea - version 1.2 
 + 
 + 
 + 
  
  
 <WRAP clear></WRAP> <WRAP clear></WRAP>
  
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 +===== 処分概念(処分場の設計) =====
  
-===== 処分場地質環境・立地条件(評価上) =====+/* こページ読者用としては、あまりに初心者向けすぎるので割愛。 
 +<WRAP right box 300px> 
 +{{popup>skb-tr-06-09-fig4-2.jpg|{{skb-tr-06-09-fig4-2.jpg?300}}}}\\ 
 +//Figure 4-2// KBS-3概念 
 +</WRAP> 
 +*/
  
-<WRAP right 150px box> +<WRAP right box 300px
-{{popup>:sa:skb-tr-06-09-fig1-2.png|{{:sa:skb-tr-06-09-fig1-2.png?150}}}}\\ +{{popup>skb-tr-06-09-fig4-4.png|{{skb-tr-06-09-fig4-4.png?300}}}}\\ 
-//Figure 1-2// 処分場候補地位置+//Figure 4-2// 処分設計(KBS-3V)
 </WRAP> </WRAP>
  
-SKB社は、2002年よりスウェーデン南東部のフォルスマルク(エストハンマル自治体)とラクセマル(オスカーシャム自治体)の2カ所でサイト調査(地上からのボーリング調査を含む)を行っている。SR-Can安全評価は、これら2つの処分場候補地を対象として、サイト調査の初期段階で取得した地質データを用いて実施された。 
  
-フォルスマルクとラクセマルのいずれの候補地ともフェノスカディアと呼ばれ古い大陸性の地殻の上置しており、岩盤19.5~17.5億年前古原生代に形成された結晶質岩である。+処分概念は鋳鉄製イサートを有す銅製キャニスタ使用済燃料を収納して縦置きで定置し、その周囲をベントナイトで取り囲む人工バリア構成をもつ“**KBS-3処分概念**”に基づいており、キャニスタ地下500mの母岩中に処分する。KBS-3処分概念のバリエーションとして、キャニスタを縦置きで処分する方式KBS-3Vと横置き処分する方式(KBS-3H)がある。
  
 +SKB社は、キャニスタを縦置きで処分する方式(KBS-3V)を第一候補としている。この方式では、処分坑道の床面から下方向に掘削される“処分孔”内にキャニスタを定置する。SR-Can安全評価は、縦置きで処分する方法の安全評価を行っている。SR-Can安全評価における処分孔の設計では、キャニスタの側面周囲には35cmの厚さのベントナイト緩衝材が設置される(//Figure 4-4//)。
  
-  * フォルスマルク地区の岩盤は、延性変形と塑性変形の両方の影響を受けている。地下施設の候補エリアは歪集中帯の間に挟まれ、断層から一定以上の離れた所にレンズ状の塊となって残っている相対的に安定な岩体(「構造レンズ」と呼ばれる)が検討されている。石英を多く含む変成花崗岩が支配的である。 
  
-  * ラクセマル北部と南部ではÄvrö花崗岩が支配的であり、南部では石英モンゾ閃緑岩、閃緑岩~斑れい岩で構成される岩盤領域に属する。+<WRAP clear></WRAP>
  
 +<WRAP right box 300px>
 +{{popup>skb-r-06-34-fig5-5.png|{{skb-r-06-34-fig5-5.png?300}}}}\\
 +//Figure 5-5 (R-06-34)// フォルスマルクでの地下施設レイアウト例
 +</WRAP>
  
 +SR-Can安全評価では、処分場の地下施設レイアウトとして“Layout D1”を用いている。Layout D1は、サイト記述モデル SDM version 1.2のデータに基づいて、処分坑道の掘削方向や処分孔の設置位置を検討したものである。サイト調査の初期段階で得られたデータのみを使用して検討されたものであるため、SR-Can安全評価の結果をフィードバックして更に検討が進められる段階のあるレイアウト設計である。地下施設の設計作業は、SR-Can安全評価作業と平行して進められており、SR-Can安全評価時点での検討結果は以下の報告書として取りまとめられている。
  
 +  * SKB R-06-34 (April 2006)\\ Final repository for spent nuclear fuel. Underground design Forsmark, Layout D1
 +  * SKB R-06-36 (November 2006)\\ Final repository for spent nuclear fuel. Underground design Laxemar Layout D1
  
  
 +
 +<WRAP clear></WRAP>
  
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-===== 放射線防護基準 (安全評価の法令・規制要求事項) =====+====== 放射線防護基準 (安全評価の法令・規制要求事項) ======
  
 安全評価の形式、内容、並びに処分場の安全性を判断する基準は、原子力発電検査機関(SKI)と放射線防護機関(SSI)の以下の規制文書(規則と一般勧告)に定められている。 安全評価の形式、内容、並びに処分場の安全性を判断する基準は、原子力発電検査機関(SKI)と放射線防護機関(SSI)の以下の規制文書(規則と一般勧告)に定められている。
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 +\\
 +====== ======
 +----
 +  * 1. [[start|安全評価書の位置付けとレビュー]]
 +  * 2. [[sysdesc|処分システムと安全要件]]  | <wrap smaller>対象廃棄物 / 想定処分地 / 処分概念 / 放射線防護基準 </wrap> <- :!: NOW You are Here!
 +  * 3. [[methodology|安全評価の進め方]] | <wrap smaller>FEP / シナリオ / モデル / 不確実性の取り扱い</wrap>
 +  * 4. [[showcase|評価結果]]
  
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sa/sr-can/sysdesc.1298014662.txt.gz · 最終更新: 2011/02/18 16:37 (外部編集)