諸外国での高レベル放射性廃棄物処分

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sa:psc2009i:sysdesc

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sa:psc2009i:sysdesc [2011/03/12 02:18] – [処分概念(処分場の設計)] sahara.satoshisa:psc2009i:sysdesc [2011/12/13 20:26] (現在) – 外部編集 127.0.0.1
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-[size=160%]**Posiva Safety Case 2009 Interim (フィンランド)**[/size]+<fs 160%>**Posiva Safety Case 2009 Interim (フィンランド)**</fs>
  
 ====== 処分システムと安全要件 ====== ====== 処分システムと安全要件 ======
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 ====== 処分システムの概要 ====== ====== 処分システムの概要 ======
  
-{{http://www2.rwmc.or.jp/images/misc/faq01/q02.gif}}どのような廃棄物を、どのような場所に、どのような方法で処分する場合の安全評価なのか...+{{http://www2.rwmc.or.jp/images/misc/faq01/q02.gif?nolink}}どのような廃棄物を、どのような場所に、どのような方法で処分する場合の安全評価なのか...
  
 ===== 対象廃棄物 ===== ===== 対象廃棄物 =====
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 (※:2010年5月の政府による原則決定、及び同年7月のフィンランド国会による承認により、オルキルオト処分場にて処分可能な使用済燃料の最大処分量は9000トンとなっている) (※:2010年5月の政府による原則決定、及び同年7月のフィンランド国会による承認により、オルキルオト処分場にて処分可能な使用済燃料の最大処分量は9000トンとなっている)
  
-「放射性核種の放出および移行」報告書の線量評価では、核種インベントリは、燃料の燃焼度を40MWd/kgU、濃縮度は現在が最大であるとし、冷却期間を30年間と仮定している。 
  
-使用済燃料は、鋳鉄製インサートおよび厚さ50mmの銅製オーバーパックに封入される(図2)。銅製オーバーパックの寿命は、設計上10万年されている。+使用済燃料は、鋳鉄製インサートおよび厚さ50mmの銅製オーバーパックに封入される(図2)。 
 +ポシヴァ社は、予想される処分場の環境の中キャニスタが少なくとも10万年にわたって耐漏洩性を維持するこを設計基準としている。 
  
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-中間概要報告書では、主に単一のキャニスタが破損した事象の線量解析が検討され、複数のキャニスタが破損する場合の影響が検討されている事象は、岩石剪断に起因するキャニスタの破損の場合のみとなっている。複数のキャニスタが破損する可能性の取り扱いは、今後のセーフティケースの概念化と方法論の開発における鍵となっている。 
  
  
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 </WRAP> </WRAP>
  
-フィンランドでは、2000年の政府による原則決定、2001年の議会の承認により、使用済燃料の最終処分地をユーラヨキ自治体のオルキルオト(図3参照)とすることが決定された。オルキルオトは面積が約12km<sup>2</sup>の島であり、平均海抜は5mとなっている。+フィンランドでは、2000年の政府による原則決定、2001年の議会の承認により、使用済燃料の最終処分地をユーラヨキ自治体のオルキルオト(図3参照)とすることが決定された。オルキルオトは面積が約12km<sup>2</sup>の島であり、平均海抜は5mである。
  
 オルキルオトの詳細な情報を得るために、2004年より地下特性調査施設(ONKALO)の建設が開始されている。 オルキルオトの詳細な情報を得るために、2004年より地下特性調査施設(ONKALO)の建設が開始されている。
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 ===== 処分概念(処分場の設計) ===== ===== 処分概念(処分場の設計) =====
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-<WRAP right box 300px> 
-{{popup>posiva2010-02-figure3-7.png|{{posiva2010-02-figure3-7.png?300}}}}\\ 
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-</WRAP> 
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-<WRAP round alert> 
-安全評価の方法論に向けた事前知識としては、ここで、この程度の説明が必要。 
-</WRAP> 
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-深度は約420m。パネルA,B,C 
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-<WRAP clear></WRAP> 
  
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 最終処分場の処分概念は、スウェーデンのSKB社が1983年に提案したKBS-3処分概念に基づいている。 最終処分場の処分概念は、スウェーデンのSKB社が1983年に提案したKBS-3処分概念に基づいている。
-KBS-3処分概念には、キャニスタを縦置きに定置するKBS-3V概念と横置きに定置するKBS-3H概念があるFIXME <del>セーフティケース計画</del>中間概要報告書ではKBS-3V概念をレファレンス概念としている。+この概念には、キャニスタを縦置きに定置するKBS-3V概念と横置きに定置するKBS-3H概念がある。 
 +ポシヴァ社は、中間概要報告書ではKBS-3V概念をレファレンス概念としているものの、両概念を検討しており、2012年に予定している建設許可申請では、いずれの概念も採用しうるような内容とする考えである。
  
 +KBS-3処分概念では、使用済燃料を鋳鉄製インサートと銅製オーバーパックからなるキャニスタに封入することによって核種の閉じ込め性を期待する。
 +キャニスタは、その周囲をベントナイト製の緩衝材で取り囲むようにして、地下深部(評価上の深度は約420m)に掘削した処分孔に縦置きで定置する処分概念である。
  
-KBS-3処分概念では、使用済燃料を鋳鉄製インサートと銅製オーバーパックからなるキャニスタに封入し核種の閉じ込め性を期待する。 
-キャニスタは地下深部(評価上の深度は約420m)に掘削した処分孔に縦置きで定置し生物圏から隔離する。 
-定置したキャニスタの周囲には、ベントナイト層からなる緩衝材を設置し、キャニスタ、緩衝材、岩盤等からなる多重バリアシステムを構成する処分概念である 
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-ポシヴァ社は、予想される処分場の環境の中でキャニスタが少なくとも100,000年にわたり耐漏洩性を維持することを設計基準としている。 
  
 <WRAP clear></WRAP> <WRAP clear></WRAP>
 +
  
  
 <WRAP right box 300px> <WRAP right box 300px>
-{{popup>posiva2008-06-figure3-2ja.png|{{posiva2008-06-figure3-2ja.png?100}}}}\\ +{{popup>posiva2010-02-figure3-7.png|{{posiva2010-02-figure3-7.png?300}}}}\\ 
-図4 KBS-3V処分概念構成要素 +処分地下レイアウト
-FIXME 使用しない。想定読者には不適切。+
 </WRAP> </WRAP>
  
-最終処分場の処分概念は、スウェーデンSKB社が1983年提案たKBS-3処分概念に基づいている。 +オルキルオト処分場レイアウトは、工学実現可能性と長期安全性両方観点から検討している。暫定的なレイアウトを右図に示す。 
-KBS-3処概念には、キャニスタ縦置きに定置するKBS-3V概念と横置き定置するKBS-3H概念があるがセーフティケース計画でKBS-3V概念レファレンス概念としている。+ 
 +図中の緑色で示された部分は、個別の処分孔置する回避すべき場所を意味する。パネルAB、C、生物圏における放射性核種移行モデル化するために区別しており、このパネル毎に生物圏への核種放出量解析している。
  
-KBS-3処分概念では、使用済燃料を鋳鉄製インサートと銅製オーバーパックからなるキャニスタに封入し核種の閉じ込め性を期待する。 
-キャニスタは地下深部(評価上の深度は約420m)に掘削した処分孔に縦置きで定置し生物圏から隔離する。 
-定置したキャニスタの周囲には、ベントナイト層からなる緩衝材を設置し、キャニスタ、緩衝材、岩盤等からなる多重バリアシステムを構成する処分概念である(図4参照)。 
  
 <WRAP clear></WRAP> <WRAP clear></WRAP>
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 <WRAP right box 300px> <WRAP right box 300px>
-{{popup>posiva2010-02-Figure2-3ja.png|{{posiva2010-02-Figure2-3ja.png?300}}}}\\ +{{popup>kbs-3h.png|{{kbs-3h.png?300}}}}\\ 
-5 結晶質基盤岩における使用済燃料向けKBS-3タイプ処分場に関する安全概念概略+KBS-3V(左上)及びKBS-3H(右上)処分場設計原則と、KBS-3H設計(下)及びスーパーコンテナ(右上)の詳細な具体例(はTKS-2009 Figure 7-1より引用;オリジナルはSKB社による)
 </WRAP> </WRAP>
  
-KBS-3法による安全概念は、処分の長期安全性を、使用済燃料を地下深部に隔離し、そ放射性核種を多重バリアシステム(人工バリア・天然バリア)よっ閉じ込めことによって達成すとしている。多重バリアシステムはいずか単一の有害な事象まシステムの不備によって安全性の確保が危険にさらされるようなことがないようにするたのものとしている。使用済燃料に含まれる放射性核種の閉じ込めは、何よりも使用済燃料を水密性及び気密性を備えたシングの施されたキャニスタに封入することによりもたらさしている。図5には安全機能の働きを支援するシステムの鍵となる特性が赤色の柱及びブロックしてれている。また、緑色柱及びブロックは、キャニスタ破損が生じた場合、放射性核種の放出を制限し、核種移行を遅延させる役割を果た、安全システムの二次的な特徴を示している。「二次的」という側面は、これらの特性がキャニスタの破損が生じた場合のみ重要となるためである。+中間概要報告書では、KBS-3Vの代替概念であるKBS-3H概念による処分の安全性調査要約ついも取り上げてい。KBS-3H概念による処分システム、パンチングされた鋼鉄製ェル・シリンダ内にキャニタをベントナイトで取り囲むようにめしてパッケングするこれを「スーパーコンテナ」呼んでいる。スーパーコンナをベントナイトブロックで隔るようにして、長100~300 m処分横坑水平定置する(図6) 
  
 <WRAP clear></WRAP> <WRAP clear></WRAP>
  
  
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-<WRAP right box 300px> 
-{{popup>kbs-3h.png|{{kbs-3h.png?300}}}}\\ 
-図6 KBS-3V(左上)及びKBS-3H(右上)処分場設計の原則と、KBS-3H設計(下)及びスーパーコンテナ(右上)の詳細な具体例 
-</WRAP> 
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-中間概要報告書では、KBS-3Vの代替概念であるKBS-3H概念による処分場の安全性調査の要約についても取り上げている。KBS-3H概念による処分システムは、複数のキャニスタが長さ100~300 mの処分横坑システムに、水平方向に定置される(図6)。処分横坑沿いに定置されるキャニスタの一つ一つが緩衝材により隔てられる。また、KBS-3H概念による処分では、キャニスタは「スーパーコンテナ」と呼ばれるアセンブリに再パッケージングされる。現行設計においてこのスーパーコンテナは、鋼鉄製シェル・シリンダ内にベントナイトによって取り囲まれたキャニスタを収容する構成となっている。 
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-<WRAP clear></WRAP> 
  
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sa/psc2009i/sysdesc.1299863882.txt.gz · 最終更新: 2011/03/12 02:18 (外部編集)