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スウェーデン:詳細特性調査と建設許可の同時申請


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詳細特性調査は、処分場建設段階で実施する計画となっている

スウェーデンでは、放射性廃棄物処分実施主体であるスウェーデン核燃料・廃棄物管理会社(SKB社)は、2002年から2007年にかけて、オスカーシャム及びエストハンマル自治体において高レベル放射性廃棄物処分のためのサイト調査を行った。 2009年6月にエストハンマル自治体のフォルスマルクを選定し、2011年3月に地層処分場の立地・建設の許可申請を行った。

放射性廃棄物処分場開発では、建設許可申請を行う前段階で、詳細特性調査の段階が設定され、処分場が建設される地下深部において岩盤等に関する詳細な特性を調査する場合が多い。しかし、スウェーデンでは、詳細特性調査は処分場建設の一段階とみなされているため、詳細特性調査に関する単独の許可申請はなく、詳細特性調査を含む処分場建設の許可申請が行われる。

スウェーデンでの処分場サイト選定

スウェーデンにおける地層処分場サイト選定のための調査は、全国を対象とした総合立地調査及び8自治体におけるフィージビリティ調査、サイト調査、詳細特性調査の3段階に分かれて行われている。

フィージビリティ調査は、1990年代にストールウーマン、マーロア、エルブカーレビー、ティーエルプ、エストハンマル、ニーシェーピン、フルツフレッド及びオスカーシャムの8自治体において実施された。

フィージビリティ調査の結果及び各自治体の決定を受けて、SKB社は、2002年から2007年にかけてエストハンマル及びオスカーシャムの2自治体においてサイト調査を実施した。SKB社は、2009年に地質条件の優位性を主たる理由として、エストハンマル自治体のフォルスマルクが建設予定地に選定した。その後、SKB社は2011年3月に詳細特性調査を含む処分場の立地・建設許可申請を行っている。

処分場建設のための調査の許可

放射性廃棄物処分場の建設に関しては、原子力活動法及び環境法典に基づく許可が必要とされる。一方、サイト選定方法については、法令に規定はなく、フィージビリティ調査及びサイト調査の実施に対しては、自治体や政府による許可などは必要とされない。しかし、SKB社は、自治体の調査の受入を確認するために、自治体の了承(自治体での議決)を得る手続きを踏んでいる。これに対して、処分場サイト最終候補地で行われる予定の詳細特性調査に関しては、スウェーデン政府は、1995年にSKB社が提出したRD&Dプログラム1992の補足に対する政府決定の中で、詳細特性調査は放射性廃棄物処分場建設の一部とみなされるという見解を示している。

出典

  • Integrated account of method, site selection and programme prior to the site investigation phase, SKB, December 2000
    〔調査段階に先行する手法、サイト選定、プログラムの補足説明書〕
  • Government Decision, May 18 1995, Supplement to the Programme for Research etc. concerning the Treatment and Final Disposal of Spent Nuclear fuel etc.
    〔RD&Dプログラム1992の補足に対する政府決定〕
  • SKB社ウェブサイト http://www.skb.se/
  • RD&D-Programme 2004 Programme for research, development and demonstration of methods for the management and disposal of nuclear waste, including social science research.
    〔RD&Dプログラム2004〕