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連邦委任行政とは…
ドイツは、独自の権限と憲法を持った州によって構成される連邦国家であり、立法・行政・司法の各分野で、権限が連邦と州に配分されている。連邦委任行政とは、州が連邦の委任を受けて連邦法を執行する制度であり、ドイツ基本法(ドイツの憲法)には、連邦委任行政の対象となる分野として原子力の利用や、連邦高速道路、航空交通などが挙げられている。
基本法では立法権について、連邦が立法権を有する分野(原子力の利用はこれに該当)、連邦が法律を制定しない場合には州が法律を定めることができる分野が示されており、これらの中で示されていない分野に関しては、州が立法権を持つとされている。また、連邦法の執行に関しては、外交などの連邦が独自に行う分野、連邦委任行政の対象となる分野が基本法で示されており、それら以外の分野については、州が固有の事務として連邦法の執行を行うとされている。
連邦委任行政による連邦法の執行においては、州は連邦の監督官庁の指示に従わなければならない。この連邦による監督において、連邦の管轄官庁は、州の担当官庁による連邦法の執行についての合法性や適切さなどについての判断を行うことができる。連邦委任行政により州に委任される行政部門の官庁の組織や行政手続については、連邦法による規定がない限りで州が定める権限を有している。なお、連邦法を州が執行する場合、連邦政府は州の代表によって構成される連邦参議院の同意を得て、法的拘束力をもって州の担当官庁を規制する一般行政規則を定めることができる。