廃棄物隔離パイロットプラント(WIPP)周辺の環境放射線モニタリングを行っているニューメキシコ州立大学付属のカールスバッド環境モニタリング・研究センター(CEMRC)は、2014年2月19日のWIPPから約1kmの観測地点での微量のアメリシウム241及びプルトニウム239/240の検出結果の公表に続いて、2014年3月5日に、WIPPの排気塔内のエアフィルター(直径47mm、1μmの細孔径を持った紙フィルター)から回収されたサンプルの放射線学的分析結果を公表した。これは排気塔内のHEPAフィルターの前後に設置されたエアーサンプリング装置のフィルターを分析したものであり、以下のような数値が報告されている。
サンプリング地点 | サンプル回収日時 | アメリシウム241 | プルトニウム239/240 |
---|---|---|---|
HEPAフィルター通過前 |
2014/2/15 06:30 |
1,365 |
672 |
2014/2/15 23:30 |
130 |
17 |
|
2014/2/21 08:45 |
0.65 |
0.06 |
|
HEPAフィルター通過後 |
2014/2/18 16:55 |
1.81 |
0.224 |
2014/2/21 08:28 |
0.12 |
0.012 |
※エアーサンプリング装置のフィルターは、最初に回収されたサンプルは2014年2月14日の午前8時前に設置されたものであり、以後は約8時間毎に回収されている。なお、2014年2月21日の数字は1日当たりの放出量。
カールスバッド環境モニタリング・研究センター(CEMRC)は、放射線事象の発生直後のHEPAフィルター通過前のサンプルの放射能濃度は高い数値を示しているものの、約1日経過後には激減し、1週間後には非常に低いレベルに低下しているとしている。また、実際のWIPP周辺への影響を示すHEPAフィルター通過後の放射能濃度は、放射線事象の発生直後にはやや高くなったものの、環境保護庁(EPA)の基準値である37Bq/m3と比較すると非常に低いレベルであったことを指摘している。
【出典】
- ニューメキシコ州立大学カールスバッド環境モニタリング・研究センター(CEMRC)ウェブサイト
http://www.cemrc.org/2014/03/05/cemrc-radiological-results-air-sampling-wipp-site-following-february-14th-2014-radiation-detection-event-2/
(post by inagaki.yusuke , last modified: 2023-10-11 )