諸外国での高レベル放射性廃棄物処分

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hlw:us:prologue [2014/02/18 17:41] – [原子力エネルギー政策の動向] sahara.satoshihlw:us:prologue [2017/05/11 10:30] – [原子力発電以外から発生する高レベル放射性廃棄物] ss12955jp
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-~~bc:1.HLWの発生状況と処分方針~~+~~ShortTitle:1.HLWの発生状況と処分方針~~
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 ==HLW:US:chap1== ==HLW:US:chap1==
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 ===== 使用済燃料の発生と貯蔵(処分前管理)===== ===== 使用済燃料の発生と貯蔵(処分前管理)=====
  
-米国では、商業用原子力発電所から発生した使用済燃料が、2012年末現在で合計約70,000トン(重金属換算、以下同じ)蓄積されていると見積もられています。 +米国では、商業用原子力発電所から発生した使用済燃料が、2013年末現在で合計約71,700トン(重金属換算、以下同じ)蓄積されていると見積もられています。 
-エネルギー省(DOE)は、2012年時点で運転中だった104基の原子炉が全て60年間運転した場合には、使用済燃料の量は140,000トンに達すると推定しています。発生した使用済燃料は、原子力発電所サイト内でプール貯蔵、または乾式貯蔵キャスクなどで貯蔵されていますが、一部はサイト外で中間貯蔵されています。 +エネルギー省(DOE)は、2012年時点で運転中だった104基の原子炉が全て60年間運転した場合には、使用済燃料の量は140,000トンに達すると推定しています。発生した使用済燃料は、原子力発電所サイト内でプール貯蔵、または乾式貯蔵キャスクなどで貯蔵されていますが、一部はサイト外で中間貯蔵されています。サイト外での中間貯蔵施設は、イリノイ州のモリス中間貯蔵施設(プール貯蔵方式)が米国で唯一です。この施設は、ゼネラルエレクトリック社が建設していたかつての民間の再処理工場の使用済燃料プールを活用したものであり、イリノイ州の原子力発電所で発生した約670トンの使用済燃料を1972年から貯蔵しています。
-サイト外での中間貯蔵施設は、イリノイ州のモリス中間貯蔵施設(プール貯蔵方式)が米国で唯一です。この施設は、ゼネラルエレクトリック社が建設していたかつての民間の再処理工場の使用済燃料プールを活用したもので、イリノイ州の原子力発電所で発生した約670トンの使用済燃料を1972年から貯蔵しています。+
  
-特殊なものとしてスリーマイル島原子力発電所2号機の事故に伴って発生した燃料デブリ及び使用済燃料をアイダホ国立研究所において、乾式貯蔵キャスクに収納して貯蔵しています。+特殊なものとしてスリーマイル島原子力発電所2号機の事故(1979年3月)に伴って発生した燃料デブリ及び使用済燃料をアイダホ国立研究所(INL)において、乾式貯蔵キャスクに収納して貯蔵しています。
  
 米国では、1973年以降、商業用原子炉で発生した使用済燃料の再処理は行われておらず、使用済燃料をそのまま高レベル放射性廃棄物として処分する直接処分方式を取っています。 米国では、1973年以降、商業用原子炉で発生した使用済燃料の再処理は行われておらず、使用済燃料をそのまま高レベル放射性廃棄物として処分する直接処分方式を取っています。
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-ブルーリボン委員会の報告書では、同意に基づいて処分場を立地することが勧告されていますが、米国には、地元の理解を得て順調に操業を続けている地層処分場があります。ニューメキシコ州カールスバッド近郊の「廃棄物隔離パイロットプラント」(WIPP)は、国防活動で発生した超ウラン元素を含むTRU廃棄物を対象とした地層処分場であり、地下約655mの岩塩層の中に設置されています。1999年3月からエネルギー省(DOE)が、環境保護庁(EPA)及びニューメキシコ州の許認可を受けて操業を行っています。+ブルーリボン委員会の報告書では、同意に基づいて処分場を立地することが勧告されていますが、米国には、地元の理解を得て順調に操業を続けている地層処分場があります。ニューメキシコ州カールスバッド近郊の「廃棄物隔離パイロットプラント」(WIPP)は、国防活動で発生した超ウラン元素を含むTRU廃棄物を対象とした地層処分場であり、地下約655mの岩塩層の中に設置されています。1999年3月からエネルギー省(DOE)が、環境保護庁(EPA)及びニューメキシコ州の許認可を受けて操業を行っています。WIPPの開発は1970年代から開始された非常に長い歴史を持っていますが、ブルーリボン委員会の報告書の中でも立地の良好な事例であるとして、今後の高レベル放射性廃棄物の戦略を考える上での重要なものとされています。
  
-WIPPの開発は1970年代から開始された非常に長い歴史を持っていますが、ブルーリボン委員会の報告書の中でも立地の良好な事例であるとして、今後の高レベル放射性廃棄物の戦略を考える上での重要なものとされています。 
 特に、連邦政府から資金の提供を受けてニューメキシコ大学内に設置された環境評価グループ(EEG)は、独立で信頼できる技術的情報やWIPPプロジェクトのレビューを提供し、州や地域コミュニティの信頼を得るのに重要な役割を果たしたと評価されています。 特に、連邦政府から資金の提供を受けてニューメキシコ大学内に設置された環境評価グループ(EEG)は、独立で信頼できる技術的情報やWIPPプロジェクトのレビューを提供し、州や地域コミュニティの信頼を得るのに重要な役割を果たしたと評価されています。
  
-WIPPでは、2013年末現在で1万回以上もの廃棄物受け入れを行い、90,000m<sup>3</sup> を超えるTRU 廃棄物が処分されています。また、WIPP 近郊の自治体等では使用済燃料の中間貯蔵施設など誘致する動きあり+WIPPでは、順調に処分が実施されていま2014年2月に火災事故放射線事象が発生しており、操業停止して事故調査を行うととに、復旧計画に基づいて復旧活動が行われした。その後2016年12月23日に操業再開が決定し、2017年1月4日に操業を再開して廃棄物の定置が行われました 
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 ====== 〔参考資料〕 ====== ====== 〔参考資料〕 ======
-{{:wiki:images:us_w48.png?nolink|米国}} **米国** +//{{:wiki:images:us_w48.png?nolink |米国}} 
-\\+===== 米国の原子力発電利用状況 ===== 
 +{{section>:nuclear-energy:npg2014:us2014#米国のエネルギー情勢&noheader&nofooter&noindent}}
  
-===== エネルギー情勢 ===== 
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-{{section>:nuclear-energy:npg2011:us2011#電力需給バランス(2011年)&nofooter&noindent}} 
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-====原子力発電の利用・導入状況==== 
-{{section>:nuclear-energy:capacity#米国&noheader&nofooter&noindent}} 
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-{{section>:nuclear-energy:npg2011:us2011#電源別発電電力量の変遷&nofooter&noindent}} 
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 ===== 原子力関連施設 ===== ===== 原子力関連施設 =====
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 米国の主要な原子力関連施設の立地点 米国の主要な原子力関連施設の立地点
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hlw/us/prologue.txt · 最終更新: 2018/05/02 12:00 by sahara.satoshi