諸外国での高レベル放射性廃棄物処分

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hlw:uk:chap5

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hlw:uk:chap5 [2013/03/07 15:28] – 外部編集 127.0.0.1hlw:uk:chap5 [2017/05/09 17:51] – [5.2 処分費用の見積もり] ss12955jp
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-~~bc:5.処分事業の資金確保~~+~~ShortTitle:5.処分事業の資金確保~~
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 ==HLW:UK:chap5== ==HLW:UK:chap5==
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 ====== 5.1 処分費用の確保(制度) ====== ====== 5.1 処分費用の確保(制度) ======
  
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 +{{:wiki:付箋ポイント.png?100&nolink|ポイント}}
   * 英国では、放射性廃棄物の処分費用はその発生者が負担することとされています。廃棄物発生者である電力会社は、引当金として廃棄物処分費用を確保しています。   * 英国では、放射性廃棄物の処分費用はその発生者が負担することとされています。廃棄物発生者である電力会社は、引当金として廃棄物処分費用を確保しています。
-  * また、原子力廃止措置機関(NDA)は、地層処分する費用の見積り公表しています。これよると総額122億ポンド(約1兆4,900億円)の費用が必要されています。(1ポンド=122円として換算)+  * 再処理施設などを所有する原子力廃止措置機関(NDA)の放射性廃棄物については、その処分費用は英国政府の負担(国税で負担)です。地層処分の実施主体でもあるNDAは、将来支出する地層処分費用を負債として英国政府計上しており2015年末の負債額を約143億ポンド(約1兆8,300億円)と算定しています。
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 ===== 処分費用の負担者 ===== ===== 処分費用の負担者 =====
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 ===== 処分費用の確保制度 ===== ===== 処分費用の確保制度 =====
  
-英国では、放射性廃棄物管理費用の確保のための公的な基金制度はありません。このため、英国で唯一の民間原子力発電事業者であるEDFエナジー社(2009年にブリティッシュ・エナジー社を買収)は、放射性廃棄物管理費用を引き当てています。2010年末時点では、48,600万ユーロ(約510億円)を引当金として確保しています。+英国では、放射性廃棄物管理費用の確保のための公的な基金制度はありません。このため、英国で唯一の民間原子力発電事業者であるEDFエナジー社(2009年にブリティッシュ・エナジー社を買収したフランス電力の英国子会社)は、放射性廃棄物管理費用を引き当てています。2015年末時点では、12.9億ユーロ(約1,470億円)を引当金として確保しています。
  
-一方、再処理施設や既に運転を停止したガス冷却炉を含め、原子力廃止措置機関(NDA)が所有する原子力施設の廃止措置費用や放射性廃棄物の管理費用は、NDAが行う地層処分事業の費用とともに、英国政府が負担(国税で負担)することになります。NDAは、それらの費用を原子力として評価ています。NDAは、廃止措置や廃棄物管理の事業を進めつつ、事業効率の改善を図ることで原子力の圧縮を図ります。2010年3月末時点での原子力債務の評価額は491億5,200万ポンド(約5兆9,970億円)、このうち地層処分場に関する債務額は38億4,400万ポンド(約4,690億円)となっています。+新規原子炉の廃止措置及び新規原子炉から発生する放射性廃棄物の管理費用については、2008年エネルギー法により、原子力発電事業者が自らの負担分全額を賄うための確実な資金確保措置を講じることになっています。 
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 +一方、再処理施設や既に運転を停止したガス冷却炉を含め、原子力廃止措置機関(NDA)が所有する原子力施設の廃止措置費用や放射性廃棄物の管理費用は、NDAが行う地層処分事業の費用とともに、英国政府が負担(国税で負担)することになります。NDAは、それらの費用を債として、英国政府に計上します。NDAは、廃止措置や廃棄物管理の事業を進めつつ、事業効率の改善を図ることで債の圧縮を図ります。
  
  
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 ====== 5.2 処分費用の見積もり ====== ====== 5.2 処分費用の見積もり ======
  
-<WRAP rss right 350px> +[{{ :hlw:uk:nda-annual-expenditure-profile.png?300|地層処分場に関する将来支出額の推移見込み
-{{:hlw:uk:nda-annual-expenditure-profile.png?340&nolink|}} +<fc #080>地層処分場に関する将来支出額の推移見込み</fc>\\
-{{popup>:hlw:uk:nda-annual-expenditure-profile.png|地層処分場に関する将来支出額の推移見込み}}\\+
 <fs 70%>source: NDA Annual Report and Accounts 2007/08</fs> <fs 70%>source: NDA Annual Report and Accounts 2007/08</fs>
-</WRAP>+}}]
  
  
-2007年4月に地層処分の実施主体となった原子力廃止措置機関(NDA)は、2007年次会計報告書(2008年3月末)で地層処分場に関する費用見積りを公表しています。これによると、地層処分場に関する総見積費用(割引前の金額)は、2008年の価格で122億ポンド(約1兆4,880億円)です。このうち、NDAが支出する分は約83%(101億ポンド)、残りはNDA以外の処分場利用者が負担すべき金額としています。+2007年4月に原子力廃止措置機関(NDA)は、2007年次会計報告書(2008年3月末)で地層処分場に関する費用見積りを公表しています。これによると、廃止措置なども含めた地層処分場に関する総見積費用(割引前の金額)は、2008年の価格で122億ポンド(約1兆5,600億円)です。このうち、NDA が支出する分は約83%(101億ポンド)、残りはNDA以外の処分場利用者が負担すべき金額としています。
  
-NDAの2007年次会計報告書は、NDAが支出する将来費用を年あたり2.2%で割引した額を、原子力債務の評価額としています。地層処分場に関する2008年の評価額は34億ポンドでした +NDA は2015年次会計報告書において、地層処分に関する費用を143億ポンド(1兆8,300億円)と算定しています。この算定額は、NDAが支出する将来費用を年あたり2.2%で割引した額で。(1ポンド=128円として換算)。
-(1ポンド=122円として換算)。+
  
  
  
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 <WRAP note> <WRAP note>
-<wrap lo>備考:通貨換算には、[[http://www.boj.or.jp/about/services/tame/tame_rate/kijun/kiju1112.htm/|日本銀行の基準外国為替相場及び裁定外国為替相場のレート]]を使用しています。</wrap> +<wrap lo>備考:通貨換算には、[[http://www.boj.or.jp/about/services/tame/tame_rate/kijun/kiju1612.htm/|日本銀行の基準外国為替相場及び裁定外国為替相場のレート]](平成28年12月中において適用)を使用しています。</wrap> 
-  * <wrap lo>1英ポンド=122円として換算</wrap>+  * <wrap lo>1英ポンド=128円として換算</wrap>
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hlw/uk/chap5.txt · 最終更新: 2017/10/27 18:50 by 127.0.0.1