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*<fs 90%>1. [[prologue|高レベル放射性廃棄物の発生状況と処分方針]]</ | *<fs 90%>1. [[prologue|高レベル放射性廃棄物の発生状況と処分方針]]</ | ||
*<fs 90%>2. [[chap2|地層処分計画と技術開発]]</ | *<fs 90%>2. [[chap2|地層処分計画と技術開発]]</ | ||
- | *<fs 90%>3. [[chap3|処分事業に係わる制度/実施体制]]</ | + | *<fs 90%>3. [[chap3|実施体制と資金確保]]</ |
*<fs 90%>4. [[chap4|処分地選定の進め方と地域振興]]</ | *<fs 90%>4. [[chap4|処分地選定の進め方と地域振興]]</ | ||
- | *<fs 90%>5. [[chap5|処分事業の資金確保]]</ | + | *<fs 90%>5. [[chap5|情報提供・コミュニケーション]]</ |
- | *<fs 90%>6. [[chap6|安全確保の取り組み・コミュニケーション]]</ | + | |
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- | <WRAP clear></WRAP> | + | <WRAP clear/> |
==== 処分形態 ==== | ==== 処分形態 ==== | ||
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}}] | }}] | ||
- | ガラス固化体と使用済燃料は、いずれも処分キャニスタに封入して処分する方法が検討されています。処分キャニスタの材質は、処分地の岩盤・地下水条件などによって変わりますが、銅-鋳鉄製のキャニスタと鋼鉄製キャニスタが検討されています。ガラス固化体の場合は2体を1つの処分キャニスタに封入します。また、PWR燃料集合体は4体、AGR燃料体は8体を1つの処分キャニスタに封入します。 | + | ガラス固化体と使用済燃料は、いずれも処分キャニスタに封入して処分する方法が検討されています。処分キャニスタの材質は、処分地の岩盤・地下水条件などによって変わりますが、銅-鋳鉄製のキャニスタと鋼鉄製キャニスタが検討されています。ガラス固化体の場合は3体を1つの処分キャニスタに封入します。また、PWR燃料集合体は4体、AGR燃料体は16体を1つの処分キャニスタに封入します。 |
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===== 処分事業の実施計画 ===== | ===== 処分事業の実施計画 ===== | ||
- | <WRAP rss right 300px> | + | 英国政府は、2014年7月に高レベル放射性廃棄物等の地層処分施設の設置に向けた新たなサイト選定プロセス等を示した白書「地層処分-高レベル放射性廃棄物等の長期管理に向けた枠組み」を公表しています。 |
- | {{: | + | 2014年7月の白書において、英国政府は地層処分を実現するためのタイムスケールを以下のように示しています。 |
- | 英国の原子力の将来(2013年3月, 英国政府)\\ | + | |
- | <fs 70%>" | + | |
- | </WRAP> | + | < |
+ | ○ 約2年間:地層処分施設に関する情報を地域に提供 | ||
+ | ○ 15年から20年間:地域との協議、サイト調査、施設の設計及び計画立案 | ||
+ | ○ 100+α年間:地層処分施設の建設、操業、閉鎖 | ||
+ | </poem> | ||
+ | また、英国政府は、EU指令(2011/ | ||
+ | * 2040年頃:低レベル放射性廃棄物及び中レベル放射性廃棄物の受入開始 | ||
+ | * 2075年頃:高レベル放射性廃棄物の受入開始 | ||
- | 英国政府は、原子力産業界と共同で『英国の原子力の将来』と題した報告書を2013年3月に取りまとめました。この中で「地層処分場の開発は優先度の高い課題」との認識を示しています。この報告書は、英国の原子力開発の中長期戦略となるものであり、地層処分に関するマイルストーンを以下のように設定しています。 | + | [{{ : |
+ | <fc # | ||
+ | <fs 90%> | ||
+ | 英国のうち、イングランドと北アイルランドでは2014 年7 月の白書で示されたサイト選定プロセスが進められます。 | ||
+ | なお、ウェールズは2014年7月の白書策定には関与していませんでしたが、2015年12月にウェールズ政府は、英国政府と同様のサイト選定プロセスを採用する方針を示しました。ただし、ウェールズにおいてサイト選定プロセスを進める上では、ウェールズ固有の状況での対応が取られることになるため、必ずしも同一のサイト選定プロセスとはなっていません。</ | ||
+ | <fs 70%> | ||
+ | }}] | ||
- | *2020年代まで:地上からの調査 | ||
- | *2030年代まで:処分地の決定と地下特性調査施設の建設作業の開始 | ||
- | *2050年代まで:地層処分場の設計、建設、操業の開始 | ||
- | <WRAP clear></WRAP> | + | <WRAP clear/> |
- | + | ||
- | <WRAP rss right 300px> | + | |
- | {{: | + | |
- | <fc # | + | |
- | <fs 70%> | + | |
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- | </ | + | |
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- | なお、原子力廃止措置機関(NDA)は地層処分事業について、様々なステークホルダーとの協議・調整できるようにするために、事業規模やスケジュールなどの全体像を検討しています。その初期の結果として、2010年3月に『地層処分―実施に向けたステップ』と題した報告書を取りまとめています。NDAは、様々な規制当局との間で規制をどのように行うかを議論したり、英国政府が担当しているサイト選定プロセスとNDAが実施する調査・建設工程との関連などについて、協議していく考えです。 | + | |
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- | * 放射性廃棄物管理の実施主体である原子力廃止措置機関(NDA)は、2004年エネルギー法によって、地層処分を含む研究を実施することが決められています。NDAでは、2009年3月に地層処分の実現に向けた研究開発戦略文書を公表しています。 | + | * 放射性廃棄物管理の実施主体である原子力廃止措置機関(NDA)は、2004年エネルギー法によって、地層処分を含む研究を実施することが決められています。地層処分の研究開発については、NDA の完全子会社で地層処分事業の実施主体である放射性廃棄物管理会社(RWM 社)が実施しています。 |
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- | 英国における地層処分の研究開発については、放射性廃棄物管理の実施主体である原子力廃止措置機関(NDA)が実施しています。 | + | 英国における地層処分の研究開発は、地層処分事業の実施主体である**放射性廃棄物管理会社**(RWM 社)が実施しています。 |
- | NDAは、地層処分システムの開発段階などを通じて必要とされた研究開発を実施していくとしています。 | + | RWM社は、地層処分システムの開発段階などを通じて必要とされた研究開発を実施していくとしています。 |
+ | RWM社は、放射性廃棄物の長期管理に関する政府の政策を実施する責任を有する原子力廃止措置機関(NDA)の完全子会社であり、研究開発の資金はNDA が提供しています。 | ||
- | <WRAP clear></WRAP> | + | <WRAP clear/> |
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===== 研究計画 ===== | ===== 研究計画 ===== | ||
+ | [40%{{ : | ||
+ | <fc # | ||
+ | }}] | ||
- | <WRAP rss right 320px> | + | RWM 社は2016年5月に、地層処分に関する研究開発の概要を示した『科学技術プログラム』を公表しています。科学技術プログラムでは、科学・技術研究を下記のような4つの分野に分け、分野ごとに目標や主要な研究成果を示しています。 |
- | {{: | + | |
- | 地層処分の研究開発戦略(2009年3月, | + | |
- | <fs 70%>NDA, NDA/ | + | |
- | {{: | + | * 処分システム仕様 |
- | 予備研究段階で必要とされる研究開発計画の概要(2011年2月, | + | * 処分システム設計 |
- | <fs 70%>NDA, NDA/ | + | * 評価 |
+ | * 知見の拡充 | ||
- | </ | + | 2016年の科学技術プログラムで示された研究成果は、地層処分施設の操業開始前までの期間を焦点としたものであり、地層処分施設の開発の進捗状況に応じて、定期的に科学技術プログラムをレビューし、更新するとしています。 |
- | NDAは2009年3月に地層処分の研究開発戦略を公表しました。この研究開発戦略では、NDAの研究開発テーマとして以下の6つを挙げています。 | + | <WRAP clear/> |
+ | \\ | ||
+ | ===== 地下研究所 ===== | ||
- | * 高レベル放射性廃棄物及び使用済燃料に関する研究開発の進展・拡張 | + | 英国には、現在のところ、高レベル放射性廃棄物処分の研究開発のための地下研究所はありません。RWM社が検討している処分事業の実施スケジュール案では、地層処分場の建設と平行して地下特性調査を行う予定としています。 |
- | * ウラン及びプルトニウムなどの核物質の将来の管理戦略の開発支援 | + | |
- | * 中レベル放射性廃棄物処分のための研究開発の継続 | + | |
- | * 処分プログラムの実施のための諸問題への対応 | + | |
- | * サイト特性調査の準備 | + | |
- | * 社会科学的研究の実施 | + | |
- | また、NDAは2011年2月に同戦略を補完するものとして、予備研究段階で実施されるべき研究開発計画の概要を示した文書を公表しています。実施すべき研究開発の内容を項目ごとに体系化する方法や、各項目における実施内容を特定・優先順位付けする方法を説明しています。 | ||
- | <WRAP clear></WRAP> | + | <WRAP clear/> |
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- | ===== 地下研究所 | + | ===== 地層処分の実施に向けた取り組み |
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+ | [40%{{ : | ||
+ | <fc # | ||
+ | <fs 70%> | ||
+ | }}] | ||
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+ | 英国政府は2008年の白書において、安全かつ持続可能であり、さらに公衆に容認される地層処分プログラムを実施するため、地層処分の実施主体である原子力廃止措置機関(NDA)に対し、環境アセスメントや持続可能性の問題を全体的に評価し、考慮するよう指示しています。また、環境規制機関(EA)などは、2009年2月に「地層処分施設の許可要件に関するガイダンス」を公表しました。このガイダンスでは、地層処分施設の開発者及び操業者に対して、地層処分施設が人間及び環境を適切に保護するものであることを立証するよう求めています。 | ||
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+ | 英国政府は2014年の白書においても、人間及び環境の保護が確保される必要があるとしており、開発事業者(地層処分施設の実施主体である放射性廃棄物管理会社=RWM社)に対して、提案した施設のすべての側面に関する安全面での論拠を提示するよう求めています。RWM社は、地層処分施設がどのように安全性、セキュリティ及び環境保護に関する高度な基準を満たすのかを明示するために、セーフティケースを開発し、維持する必要があるとしています。 | ||
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+ | NDA及びRWMD(現RWM社)は2010年12月に、地層処分事業で行われる放射性廃棄物の輸送、処分場の操業及び長期安全性の3つを領域をカバーした一連の報告書「一般的な条件での処分システム・セーフティケース」を取りまとめています。これら報告書では、広範な環境及び処分場の設計を考慮に入れた処分概念の例を示しました。2014年の白書では、これら報告書及びIAEA の安全指針を、新たなサイト選定プロセスの初期活動(地質学的スクリーニング)の際に考慮に入れる必要があるとしています。 | ||
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- | 英国には、現在のところ、高レベル放射性廃棄物処分の研究開発のための地下研究所はありません。NDAが検討している処分事業の実施スケジュール案では、地層処分場の建設と平行して地下特性調査を行う予定としています。 | ||
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*<fs 90%>1. [[prologue|高レベル放射性廃棄物の発生状況と処分方針]]</ | *<fs 90%>1. [[prologue|高レベル放射性廃棄物の発生状況と処分方針]]</ | ||
*<fs 90%>2. [[chap2|地層処分計画と技術開発]]</ | *<fs 90%>2. [[chap2|地層処分計画と技術開発]]</ | ||
- | *<fs 90%>3. [[chap3|処分事業に係わる制度/実施体制]]</ | + | *<fs 90%>3. [[chap3|実施体制と資金確保]]</ |
*<fs 90%>4. [[chap4|処分地選定の進め方と地域振興]]</ | *<fs 90%>4. [[chap4|処分地選定の進め方と地域振興]]</ | ||
- | *<fs 90%>5. [[chap5|処分事業の資金確保]]</ | + | *<fs 90%>5. [[chap5|情報提供・コミュニケーション]]</ |
- | *<fs 90%>6. [[chap6|安全確保の取り組み・コミュニケーション]]</ | + | |
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hlw/uk/chap2.txt · 最終更新: 2020/05/12 13:11 by yamamoto.keita