hlw:uk:chap2
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hlw:uk:chap2 [2013/12/25 11:08] – [研究計画] sahara.satoshi | hlw:uk:chap2 [2017/10/27 15:18] – ss12955jp | ||
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*<fs 90%>1. [[prologue|高レベル放射性廃棄物の発生状況と処分方針]]</ | *<fs 90%>1. [[prologue|高レベル放射性廃棄物の発生状況と処分方針]]</ | ||
*<fs 90%>2. [[chap2|地層処分計画と技術開発]]</ | *<fs 90%>2. [[chap2|地層処分計画と技術開発]]</ | ||
- | *<fs 90%>3. [[chap3|処分事業に係わる制度/実施体制]]</ | + | *<fs 90%>3. [[chap3|実施体制と資金確保]]</ |
*<fs 90%>4. [[chap4|処分地選定の進め方と地域振興]]</ | *<fs 90%>4. [[chap4|処分地選定の進め方と地域振興]]</ | ||
- | *<fs 90%>5. [[chap5|処分事業の資金確保]]</ | + | *<fs 90%>5. [[chap5|情報提供・コミュニケーション]]</ |
- | *<fs 90%>6. [[chap6|安全確保の取り組み・コミュニケーション]]</ | + | *<fs 90%>6. [[chap6|安全確保の取り組み]]</ |
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====== 2.1 処分計画 ====== | ====== 2.1 処分計画 ====== | ||
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- | * 英国では、高レベル放射性廃棄物を少なくとも50年間貯蔵し、その後、地層処分するという方針を採用しています。処分場には、高レベル放射性廃棄物の他に、中レベル放射性廃棄物や一部の低レベル放射性廃棄物も併置処分することを想定しています。処分実施主体の原子力廃止措置機関(NDA)の検討しているスケジュールでは、中レベル放射性廃棄物などの処分開始は2040年頃、高レベル放射性廃棄物の処分開始は2070年代半ばとなる見通しです。 | + | {{: |
+ | * 英国では、高レベル放射性廃棄物を含め、既存の浅地中処分場では処分出来ない放射性廃棄物を地層処分する方針です。地層処分場には、高レベル放射性廃棄物の他に、中レベル放射性廃棄物や一部の低レベル放射性廃棄物も併置処分することを想定しています。 | ||
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===== 地層処分対象の放射性廃棄物 ===== | ===== 地層処分対象の放射性廃棄物 ===== | ||
- | <WRAP rss right box 350px> | + | <WRAP rss right box 300px> |
**[2] 既存の浅地中処分場では処分できない放射性廃棄物** \\ 既存の浅地中処分場として、NDAが所有するDrigg処分場(1959年から処分開始)があります。2007年に策定された低レベル放射性廃棄物管理政策では、一部の小規模事業者が採用できる可能性は残しつつも、原子力施設から発生する放射性廃棄物用には、新たな浅地中処分施設を設置しない方針です。 | **[2] 既存の浅地中処分場では処分できない放射性廃棄物** \\ 既存の浅地中処分場として、NDAが所有するDrigg処分場(1959年から処分開始)があります。2007年に策定された低レベル放射性廃棄物管理政策では、一部の小規模事業者が採用できる可能性は残しつつも、原子力施設から発生する放射性廃棄物用には、新たな浅地中処分施設を設置しない方針です。 | ||
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英国では、既存の浅地中処分場では処分できない放射性廃棄物を地層処分する方針です[**2**]。このため、現在、処分地の選定が進められている地層処分場では、高レベル放射性廃棄物以外にも、再処理施設や原子力発電所などから発生する放射性廃棄物も処分する計画です。 | 英国では、既存の浅地中処分場では処分できない放射性廃棄物を地層処分する方針です[**2**]。このため、現在、処分地の選定が進められている地層処分場では、高レベル放射性廃棄物以外にも、再処理施設や原子力発電所などから発生する放射性廃棄物も処分する計画です。 | ||
- | <WRAP clear></ | + | また、改良型ガス冷却炉から発生する使用済燃料の一部と加圧水型原子炉(1基)から発生する使用済燃料については、現時点では再処理する計画が未定であるため、これらを処分キャニスタに封入して地層処分する可能性も考慮しています。 |
- | <WRAP rss right 350px> | + | さらに、核燃料として用いる濃縮ウラン以外の劣化ウラン、再処理で回収したプルトニウムやウランは、現在は放射性廃棄物に分類していませんが、将来において用途がないと決定した場合には、それらを地層処分することになると想定しています。 |
- | <fc # | + | |
+ | 地層処分事業の実施主体である放射性廃棄物管理会社(RWM社)は、確保すべき中間貯蔵施設や地層処分場の規模を検討するために、3年毎に英国内の放射性廃棄物のインベントリを評価しています。2013年4月時点のデータに基づき推定した、地層処分の対象廃棄物の総量見通しは下表のようになっています。 | ||
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^ 種類 | ^ 種類 | ||
- | |高レベル放射性廃棄物 | | + | |高レベル放射性廃棄物 |
- | |中レベル放射性廃棄物 | + | |中レベル放射性廃棄物 |
- | |地層処分対象の \\ 低レベル放射性廃棄物 | + | |地層処分対象の \\ 低レベル放射性廃棄物 |
- | |使用済燃料 * | + | |使用済燃料 * | 66,100 m< |
- | |プルトニウム * | | + | |プルトニウム * | |
- | |ウラン * | + | |ウラン * |
- | |合計 | + | |合計 |
<fs 90%>*: これらは現時点では廃棄物と認識されていません。</ | <fs 90%>*: これらは現時点では廃棄物と認識されていません。</ | ||
- | <fs 70%> | + | <fs 70%> |
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- | < | ||
- | さらに、核燃料として用いる濃縮ウラン以外の劣化ウラン、再処理で回収されるプルトニウムやウランについて、現在は放射性廃棄物とされていませんが、将来それ以上の用途がないと決定された場合には、地層処分する必要があると考えられています。 | ||
- | 処分実施主体の原子力廃止措置機関(NDA)は、確保すべき中間貯蔵施設や地層処分場の規模を検討するために、3年毎に英国内の放射性廃棄物のインベントリを評価しています。2010年4月時点のデータに基づき推定した、地層処分の対象廃棄物の総量見通しは右表のようになっています。 | + | <WRAP clear/> |
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==== 処分形態 ==== | ==== 処分形態 ==== | ||
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ガラス固化体と使用済燃料は、いずれも処分キャニスタに封入して処分する方法が検討されています。処分キャニスタの材質は、処分地の岩盤・地下水条件などによって変わりますが、銅-鋳鉄製のキャニスタと鋼鉄製キャニスタが検討されています。ガラス固化体の場合は2体を1つの処分キャニスタに封入します。また、PWR燃料集合体は4体、AGR燃料体は8体を1つの処分キャニスタに封入します。 | ガラス固化体と使用済燃料は、いずれも処分キャニスタに封入して処分する方法が検討されています。処分キャニスタの材質は、処分地の岩盤・地下水条件などによって変わりますが、銅-鋳鉄製のキャニスタと鋼鉄製キャニスタが検討されています。ガラス固化体の場合は2体を1つの処分キャニスタに封入します。また、PWR燃料集合体は4体、AGR燃料体は8体を1つの処分キャニスタに封入します。 | ||
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===== 処分場の概要(処分概念) ===== | ===== 処分場の概要(処分概念) ===== | ||
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- | {{: | + | 英国政府が処分場のサイト選定を進めていますが、現時点では具体的な候補地が未定です。地層処分事業の実施実施主体である放射性廃棄物管理会社(RWM社)は、3種類の地質条件を仮定して、地層処分システムの基本概念設計の開発を進めています。 |
- | <fc #080>地上施設の配置例</ | + | |
- | <fs 70%> | + | |
- | </ | + | 地層処分場の設置深度は**地下200~1, |
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- | 英国政府が処分場のサイト選定を進めていますが、現時点では具体的な候補地が未定です。処分の実施主体である原子力廃止措置機関(NDA)は、3種類の地質条件を仮定して、地層処分システムの基本概念設計の開発を進めています。 | ||
- | 地層処分場の設置深度は**地下200~1, | ||
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===== 処分事業の実施計画 ===== | ===== 処分事業の実施計画 ===== | ||
- | <WRAP rss right 350px> | + | 英国政府は、2014年7月に高レベル放射性廃棄物等の地層処分施設の設置に向けた新たなサイト選定プロセス等を示した白書「地層処分-高レベル放射性廃棄物等の長期管理に向けた枠組み」を公表しています。 |
- | {{: | + | 2014年7月の白書において、英国政府は地層処分を実現するためのタイムスケールを以下のように示しています。 |
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- | 原子力廃止措置機関(NDA)は、2007年4月に正式に地層処分事業の実施主体になりました。実施主体となって以降、地層処分対象の廃棄物すべてをカバーする事業全体像の検討を開始しました。その初期の結果として、2010年3月に『地層処分―実施に向けたステップ』と題した報告書において、地層処分場の候補地の調査から、建設、操業、閉鎖までのスケジュール案を示しています。計画検討の目的だけのために、地層処分場の建設開始を2025年と仮定し、その前後で必要となる作業量から設定したものです。その場合、処分開始は2040年頃からとなる見通しです。低中レベルの放射性廃棄物から処分を始め、高レベル放射性廃棄物の処分は2070年代半ばから開始するとしています。 | + | |
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- | このスケジュールは、NDAが達成しようと考えている目標ではありません。事業計画の前提条件には実施主体だけで決定できないものがあるため、NDAは、多くのステークホルダーと協議・調整を図っていく材料である点を強調しています。このスケジュール案を元にして、様々な規制当局との間で規制をどのように行うかを議論したり、英国政府が担当しているサイト選定プロセスとNDAが実施する調査・建設工程との関連などについて協議していく考えです。 | + | |
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+ | ○ 約2年間:地層処分施設に関する情報を地域に提供 | ||
+ | ○ 15年から20年間:地域との協議、サイト調査、施設の設計及び計画立案 | ||
+ | ○ 100+α年間:地層処分施設の建設、操業、閉鎖 | ||
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+ | また、英国政府は、EU指令(2011/ | ||
+ | * 2040年頃:低レベル放射性廃棄物及び中レベル放射性廃棄物の受入開始 | ||
+ | * 2075年頃:高レベル放射性廃棄物の受入開始 | ||
+ | [{{ : | ||
+ | <fc # | ||
+ | <fs 90%> | ||
+ | 英国のうち、イングランドと北アイルランドでは2014 年7 月の白書で示されたサイト選定プロセスが進められます。 | ||
+ | なお、ウェールズは2014年7月の白書策定には関与していませんでしたが、2015年12月にウェールズ政府は、英国政府と同様のサイト選定プロセスを採用する方針を示しました。ただし、ウェールズにおいてサイト選定プロセスを進める上では、ウェールズ固有の状況での対応が取られることになるため、必ずしも同一のサイト選定プロセスとはなっていません。</ | ||
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+ | }}] | ||
- | <WRAP clear></WRAP> | + | <WRAP clear/> |
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{{anchor: | {{anchor: | ||
====== 2.2 研究開発・技術開発 ====== | ====== 2.2 研究開発・技術開発 ====== | ||
- | < | + | <WRAP round box> |
- | * 放射性廃棄物管理の実施主体である原子力廃止措置機関(NDA)は、2004年エネルギー法によって、地層処分を含む研究を実施することが決められています。NDAでは、2009年3月に地層処分の実現に向けた研究開発戦略文書を公表しています。 | + | {{: |
+ | * 放射性廃棄物管理の実施主体である原子力廃止措置機関(NDA)は、2004年エネルギー法によって、地層処分を含む研究を実施することが決められています。地層処分の研究開発については、NDA の完全子会社で地層処分事業の実施主体である放射性廃棄物管理会社(RWM 社)が実施しています。 | ||
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行 155: | 行 143: | ||
===== 研究機関 ===== | ===== 研究機関 ===== | ||
- | <WRAP rss right box 350px> | + | <WRAP rss right box 320px> |
**NDA のミッション・ステートメント** | **NDA のミッション・ステートメント** | ||
- | 「原子炉の浄化と廃棄物管理の問題に対して、安全かつ持続可能で、国民に受け入れられる解決策を提示する。これは、決して安全性とセキュリティ面に妥協せず、社会的また環境面での責任を十分に考慮し、納税者の利益を常に優先し、ステークホルダーとの関わりを積極的に構築する。」 | + | 「原子炉の浄化と廃棄物管理の問題に対して、安全かつ持続可能で、国民に受け入れられる解決策を提示する。これは、決して安全性とセキュリティ面に妥協せず、社会的また環境面での責任を十分に考慮し、納税者の利益を常に優先し、ステークホルダーとの関わりを積極的に構築する。」\\ |
+ | <fs 80%>--- 『英国の高レベル放射性廃棄物等の地層処分を支援するためのNDAの研究開発戦略』(NDA, | ||
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- | 英国における地層処分の研究開発については、放射性廃棄物管理の実施主体である原子力廃止措置機関(NDA)が実施しています。 | + | 英国における地層処分の研究開発は、地層処分事業の実施主体である**放射性廃棄物管理会社**(RWM 社)が実施しています。 |
- | NDAは、地層処分システムの開発段階などを通じて必要とされた研究開発を実施していくこととしています。 | + | RWM社は、地層処分システムの開発段階などを通じて必要とされた研究開発を実施していくとしています。 |
+ | RWM社は、放射性廃棄物の長期管理に関する政府の政策を実施する責任を有する原子力廃止措置機関(NDA)の完全子会社であり、研究開発の資金はNDA が提供しています。 | ||
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===== 研究計画 ===== | ===== 研究計画 ===== | ||
+ | [40%{{ : | ||
+ | <fc # | ||
+ | }}] | ||
- | <WRAP rss right 320px> | + | RWM 社は2016年5月に、地層処分に関する研究開発の概要を示した『科学技術プログラム』を公表しています。科学技術プログラムでは、科学・技術研究を下記のような4つの分野に分け、分野ごとに目標や主要な研究成果を示しています。 |
- | {{: | + | |
- | 地層処分の研究開発戦略(2009年3月, | + | |
- | <fs 70%>NDA, NDA/ | + | |
- | {{: | + | * 処分システム仕様 |
- | 予備研究段階で必要とされる研究開発プログラムの概要(2011年2月, | + | * 処分システム設計 |
- | <fs 70%>NDA, NDA/ | + | * 評価 |
+ | * 知見の拡充 | ||
+ | 2016年の科学技術プログラムで示された研究成果は、地層処分施設の操業開始前までの期間を焦点としたものであり、地層処分施設の開発の進捗状況に応じて、定期的に科学技術プログラムをレビューし、更新するとしています。 | ||
- | </WRAP> | + | < |
+ | \\ | ||
+ | ===== 地下研究所 ===== | ||
- | NDAは2009年3月に地層処分の研究開発戦略を公表しました。この研究開発戦略では、NDAの研究開発テーマとして以下の6つを挙げています。 | + | 英国には、現在のところ、高レベル放射性廃棄物処分の研究開発のための地下研究所はありません。RWM社が検討している処分事業の実施スケジュール案では、地層処分場の建設と平行して地下特性調査を行う予定としています。 |
- | * 高レベル放射性廃棄物及び使用済燃料に関する研究開発の進展・拡張 | ||
- | * ウラン及びプルトニウムなどの核物質の将来の管理戦略の開発支援 | ||
- | * 中レベル放射性廃棄物処分のための研究開発の継続 | ||
- | * 処分プログラムの実施のための諸問題への対応 | ||
- | * サイト特性調査の準備 | ||
- | * 社会科学的研究の実施 | ||
- | また、NDAは2011年2月に同戦略を補完するものとして、予備研究段階で実施されるべき研究開発プログラムの概要を示した文書を公表しています。実施すべき研究開発内容を項目ごとに体系化する方法や、各項目における実施内容を特定・優先順位付けする方法を説明しています。 | + | <WRAP clear/> |
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- | <WRAP clear></WRAP> | + | |
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- | ===== 地下研究所 ===== | + | ==== 地層処分の実施に向けた取り組み |
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+ | [40%{{ : | ||
+ | <fc # | ||
+ | <fs 70%> | ||
+ | }}] | ||
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+ | |||
+ | 英国政府は2008年の白書において、安全かつ持続可能であり、さらに公衆に容認される地層処分プログラムを実施するため、地層処分の実施主体である原子力廃止措置機関(NDA)に対し、環境アセスメントや持続可能性の問題を全体的に評価し、考慮するよう指示しています。また、環境規制機関(EA)などは、2009年2月に「地層処分施設の許可要件に関するガイダンス」を公表しました。このガイダンスでは、地層処分施設の開発者及び操業者に対して、地層処分施設が人間及び環境を適切に保護するものであることを立証するよう求めています。 | ||
+ | |||
+ | 英国政府は2014年の白書においても、人間及び環境の保護が確保される必要があるとしており、開発事業者(地層処分施設の実施主体である放射性廃棄物管理会社=RWM社)に対して、提案した施設のすべての側面に関する安全面での論拠を提示するよう求めています。RWM社は、地層処分施設がどのように安全性、セキュリティ及び環境保護に関する高度な基準を満たすのかを明示するために、セーフティケースを開発し、維持する必要があるとしています。 | ||
+ | |||
+ | NDA及びRWMD(現RWM社)は2010年12月に、地層処分事業で行われる放射性廃棄物の輸送、処分場の操業及び長期安全性の3つを領域をカバーした一連の報告書「一般的な条件での処分システム・セーフティケース」を取りまとめています。これら報告書では、広範な環境及び処分場の設計を考慮に入れた処分概念の例を示しました。2014年の白書では、これら報告書及びIAEA の安全指針を、新たなサイト選定プロセスの初期活動(地質学的スクリーニング)の際に考慮に入れる必要があるとしています。 | ||
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+ | <WRAP clear/> | ||
- | 英国には、現在のところ、高レベル放射性廃棄物処分の研究開発のための地下研究所はありません。NDAが検討している処分事業の実施スケジュール案では、地層処分場の建設と平行して地下特性調査を行う予定としています。 | ||
- | <WRAP clear></ | ||
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*<fs 90%>1. [[prologue|高レベル放射性廃棄物の発生状況と処分方針]]</ | *<fs 90%>1. [[prologue|高レベル放射性廃棄物の発生状況と処分方針]]</ | ||
*<fs 90%>2. [[chap2|地層処分計画と技術開発]]</ | *<fs 90%>2. [[chap2|地層処分計画と技術開発]]</ | ||
- | *<fs 90%>3. [[chap3|処分事業に係わる制度/実施体制]]</ | + | *<fs 90%>3. [[chap3|実施体制と資金確保]]</ |
*<fs 90%>4. [[chap4|処分地選定の進め方と地域振興]]</ | *<fs 90%>4. [[chap4|処分地選定の進め方と地域振興]]</ | ||
- | *<fs 90%>5. [[chap5|処分事業の資金確保]]</ | + | *<fs 90%>5. [[chap5|情報提供・コミュニケーション]]</ |
- | *<fs 90%>6. [[chap6|安全確保の取り組み・コミュニケーション]]</ | + | *<fs 90%>6. [[chap6|安全確保の取り組み]]</ |
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hlw/uk/chap2.txt · 最終更新: 2020/05/12 13:11 by yamamoto.keita