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hlw:se:chap6 [2013/10/08 19:09] – 外部編集 127.0.0.1 | hlw:se:chap6 [2016/03/22 18:08] – [地元協議・コミュニケーションを支える財政支援] sahara.satoshi | ||
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====== 6.1 地層処分の安全確保の取り組み ====== | ====== 6.1 地層処分の安全確保の取り組み ====== | ||
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* 実施主体のスウェーデン核燃料・廃棄物管理会社(SKB社)は、サイト選定の節目に合わせて、処分場の長期安全性の評価結果を「安全報告書」として取りまとめています。規制機関はそれらの安全報告書について、原子力廃棄物評議会といった評価機関や他の行政機関、サイト選定に関係する調査が実施されている自治体などから意見を集め、それらを踏まえたレビューを行っています。 | * 実施主体のスウェーデン核燃料・廃棄物管理会社(SKB社)は、サイト選定の節目に合わせて、処分場の長期安全性の評価結果を「安全報告書」として取りまとめています。規制機関はそれらの安全報告書について、原子力廃棄物評議会といった評価機関や他の行政機関、サイト選定に関係する調査が実施されている自治体などから意見を集め、それらを踏まえたレビューを行っています。 | ||
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実施主体であるスウェーデン核燃料・廃棄物管理会社(SKB社)は、研究開発のなかで処分場の長期安全性を評価する方法の開発を継続的に進めています。これまでにSKB社は安全評価の取りまとめを、サイト調査の候補地を選定する前(フィージビリティ調査の実施期間内)、ならびに詳細特性調査の候補地1カ所を選定する前(サイト調査の実施期間内)に実施しています。これらの安全評価を実施する目的の一つは、サイト選定プロセスにおける自治体や関係機関の意思決定に役立てることです。このことは、SKB社が3年ごとに取りまとめる「研究開発実証プログラム」の規制機関及び政府による審査・承認のサイクルを通じて決定されました。なお、政府は1995年5月に、詳細特性調査は処分場建設の一部であるとの見解を示しており、詳細特性調査の候補地1カ所を選定する前の安全評価は、処分場の建設許可申請に必要となる安全評価として位置付けられています。 | 実施主体であるスウェーデン核燃料・廃棄物管理会社(SKB社)は、研究開発のなかで処分場の長期安全性を評価する方法の開発を継続的に進めています。これまでにSKB社は安全評価の取りまとめを、サイト調査の候補地を選定する前(フィージビリティ調査の実施期間内)、ならびに詳細特性調査の候補地1カ所を選定する前(サイト調査の実施期間内)に実施しています。これらの安全評価を実施する目的の一つは、サイト選定プロセスにおける自治体や関係機関の意思決定に役立てることです。このことは、SKB社が3年ごとに取りまとめる「研究開発実証プログラム」の規制機関及び政府による審査・承認のサイクルを通じて決定されました。なお、政府は1995年5月に、詳細特性調査は処分場建設の一部であるとの見解を示しており、詳細特性調査の候補地1カ所を選定する前の安全評価は、処分場の建設許可申請に必要となる安全評価として位置付けられています。 | ||
- | SKB社が実施するこれらの処分場の長期安全性の評価結果は「安全報告書」(< | + | SKB社が実施するこれらの処分場の長期安全性の評価結果は「安全報告書」(< |
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====== 6.2 処分事業の透明性確保とコミュニケーション ====== | ====== 6.2 処分事業の透明性確保とコミュニケーション ====== | ||
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* スウェーデン核燃料・廃棄物管理会社(SKB社)は、サイト選定の当初から、自治体の了承が得られない限り、調査を実施しない方針をとっています。処分事業の計画は、環境影響評価の協議には住民や自治体を含む関係者が幅広く参加し、許可申請に必要な環境影響評価書に盛り込まれる内容は、こうした協議で決定されていきます。自治体は、独自の立場で判断を行うことができるように、住民を含む形の体制整備や情報提供活動の費用を原子力廃棄物基金で賄うことができます。 | * スウェーデン核燃料・廃棄物管理会社(SKB社)は、サイト選定の当初から、自治体の了承が得られない限り、調査を実施しない方針をとっています。処分事業の計画は、環境影響評価の協議には住民や自治体を含む関係者が幅広く参加し、許可申請に必要な環境影響評価書に盛り込まれる内容は、こうした協議で決定されていきます。自治体は、独自の立場で判断を行うことができるように、住民を含む形の体制整備や情報提供活動の費用を原子力廃棄物基金で賄うことができます。 | ||
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- | ^ 交付先 ^ 交付金額(2011年度) ^ | + | ^ 交付先 ^ 交付金額(2014年度) ^ |
- | |オスカーシャム自治体 | + | |オスカーシャム自治体 |
- | |エストハンマル自治体 | + | |エストハンマル自治体 |
- | |ウプサラ県域連合 | + | |ウプサラ県域連合 |
- | |カルマル県域連合 | + | |カルマル県域連合 |
- | | 合計 | + | | 合計 |
- | <fs 80%> | + | <fs 80%> |
<fs 80%> | <fs 80%> | ||
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行 175: | 行 177: | ||
高レベル放射性廃棄物の処分場のサイト選定に向けて、SKB社が実施する各段階での調査を受け入れた自治体では、調査に関連した議論を行う“地元協議”が開催されています。自治体は、主体的に意思決定を行うために、地元社会における影響をさまざまな角度から検討する組織を設けています。それらの組織には住民も参加しており、SKB社から調査状況の報告や質疑応答が行われるほか、住民間での情報伝達や協議の場ともなっています。こうした活動は、自治体が意思を決める上で重要なものと考えられています。自治体職員や議員、住民を含む協議組織を設置して懸案事項を協議する仕組みは、スウェーデンにおける地方自治の歴史の中で培われてきたものです。 | 高レベル放射性廃棄物の処分場のサイト選定に向けて、SKB社が実施する各段階での調査を受け入れた自治体では、調査に関連した議論を行う“地元協議”が開催されています。自治体は、主体的に意思決定を行うために、地元社会における影響をさまざまな角度から検討する組織を設けています。それらの組織には住民も参加しており、SKB社から調査状況の報告や質疑応答が行われるほか、住民間での情報伝達や協議の場ともなっています。こうした活動は、自治体が意思を決める上で重要なものと考えられています。自治体職員や議員、住民を含む協議組織を設置して懸案事項を協議する仕組みは、スウェーデンにおける地方自治の歴史の中で培われてきたものです。 | ||
- | こうした自治体にとって不可欠な活動を支援するために、自治体が住民向けに行う情報提供活動の費用は、原子力廃棄物基金で賄えることが資金確保法で定められています。自治体は、予算を放射線安全機関(SSM)に申請し、交付金を事前に受け取ります。この交付金の額は、1自治体あたり年間最大500万スウェーデン・クローネ(約6, | + | こうした自治体にとって不可欠な活動を支援するために、自治体が住民向けに行う情報提供活動の費用は、原子力廃棄物基金で賄えることが資金確保法で定められています。自治体は、予算を放射線安全機関(SSM)に申請し、交付金を事前に受け取ります。この交付金の額は、1自治体あたり年間最大500万スウェーデン・クローネ(7, |
交付金は主に、住民向けのセミナーなどの開催費用のほか、協議に参加する自治体の議会議員や職員の人件費として使用されています。 | 交付金は主に、住民向けのセミナーなどの開催費用のほか、協議に参加する自治体の議会議員や職員の人件費として使用されています。 | ||
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====== 6.3 意識把握と情報提供 ====== | ====== 6.3 意識把握と情報提供 ====== | ||
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* 実施主体のスウェーデン核燃料・廃棄物管理会社(SKB社)は、処分事業への理解を得るための活動として、一方的な情報提供活動ではなく、住民が情報を入手し、意見を表明できる場をさまざまな形で設け、双方向のコミュニケーションを図ってきました。SKB社が処分場建設予定地としてフォルスマルクを選定した後に、エストハンマル自治体の住民を対象に実施された処分場受け入れに関する意識調査では、81%の人が支持しているという結果が得られています。 | * 実施主体のスウェーデン核燃料・廃棄物管理会社(SKB社)は、処分事業への理解を得るための活動として、一方的な情報提供活動ではなく、住民が情報を入手し、意見を表明できる場をさまざまな形で設け、双方向のコミュニケーションを図ってきました。SKB社が処分場建設予定地としてフォルスマルクを選定した後に、エストハンマル自治体の住民を対象に実施された処分場受け入れに関する意識調査では、81%の人が支持しているという結果が得られています。 | ||
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行 236: | 行 239: | ||
サイト調査が始まった2003年には、オスカーシャム自治体にあるエスポ岩盤研究所の地下約500メートルを訪れるバスツアーが開催されました。バスツアーは、調査が行われたエストハンマル自治体とオスカーシャム自治体の住民を主な対象として企画されたもので、2, | サイト調査が始まった2003年には、オスカーシャム自治体にあるエスポ岩盤研究所の地下約500メートルを訪れるバスツアーが開催されました。バスツアーは、調査が行われたエストハンマル自治体とオスカーシャム自治体の住民を主な対象として企画されたもので、2, | ||
- | SKB社は2011年に自社施設全体で延べ15, | + | SKB社は2012年に自社施設全体で延べ15, |
SKB社は、学校への情報提供も積極的に行っており、生徒向けの冊子、ビデオ、コンピュータゲームなどの教材や教師用資料を作成しています。教材のトピックスは技術的なことから倫理的なことまで幅広く、廃棄物問題を社会問題として捉えた教材づくりに配慮しています。 | SKB社は、学校への情報提供も積極的に行っており、生徒向けの冊子、ビデオ、コンピュータゲームなどの教材や教師用資料を作成しています。教材のトピックスは技術的なことから倫理的なことまで幅広く、廃棄物問題を社会問題として捉えた教材づくりに配慮しています。 |
hlw/se/chap6.txt · 最終更新: 2017/05/23 19:54 by 127.0.0.1