諸外国での高レベル放射性廃棄物処分

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hlw:fr:prologue [2017/05/08 16:55] – [処分方針が決定するまでの経緯] ss12955jphlw:fr:prologue [2017/05/11 09:39] – [処分方針が決定するまでの経緯] ss12955jp
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 \\ \\
 ===== 使用済燃料の発生と貯蔵(処分前管理)===== ===== 使用済燃料の発生と貯蔵(処分前管理)=====
 +
 +[30%{{ :hlw:fr:csd-v-image.png?nolink|CSD-V|
 +<fc #080>溶融したガラスの注入装置と\\
 +ガラス固化体用キャニスタ(CSD-V)</fc>\\
 +<fs 70%>source: ANDRA</fs>
 +}}]
  
 フランスの全ての原子力発電所から発生する使用済燃料は年間約1,150トンであり、そのうち年間約1,050トンがラ・アーグ再処理施設で再処理され、残りは再処理されずに使用済燃料のままで貯蔵されています。再処理を待つ使用済燃料は、各発電所で貯蔵されるほか、ラ・アーグ再処理施設にも受入施設としての貯蔵施設があります(いずれもプールでの湿式貯蔵)。 フランスの全ての原子力発電所から発生する使用済燃料は年間約1,150トンであり、そのうち年間約1,050トンがラ・アーグ再処理施設で再処理され、残りは再処理されずに使用済燃料のままで貯蔵されています。再処理を待つ使用済燃料は、各発電所で貯蔵されるほか、ラ・アーグ再処理施設にも受入施設としての貯蔵施設があります(いずれもプールでの湿式貯蔵)。
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 ===== 処分方針 …可逆性のある地層処分 ===== ===== 処分方針 …可逆性のある地層処分 =====
  
-<WRAP rss right 320px> +[imagebox0 30%{{ :hlw:fr:etape2009-stoackage-reversibilite-profond-reports.png?nolink| 
-{{:hlw:fr:etape2009-stoackage-reversibilite-profond-reports.png?200&nolink|}}\\ +フランス放射性廃棄物管理機関(ANDRA)による地層処分の可逆性に関する検討報告書  
-フランス放射性廃棄物管理機関(ANDRA)による地層処分の可逆性に関する検討報告書\\+
 <fs 70%>source: ANDRA</fs> <fs 70%>source: ANDRA</fs>
-</WRAP>+}}]
  
 2006年に放射性廃棄物等管理計画法が制定され、高レベル放射性廃棄物を含む、あらゆる放射性廃棄物の管理に関する基本方針が定められました。同法では、高レベル放射性廃棄物及び長寿命中レベル放射性廃棄物について「**可逆性のある地層処分**」を行うことを基本とし、目標スケジュールとして、2015年までに地層処分場の設置許可申請を提出すること、2025年には操業を開始することが示されています。 2006年に放射性廃棄物等管理計画法が制定され、高レベル放射性廃棄物を含む、あらゆる放射性廃棄物の管理に関する基本方針が定められました。同法では、高レベル放射性廃棄物及び長寿命中レベル放射性廃棄物について「**可逆性のある地層処分**」を行うことを基本とし、目標スケジュールとして、2015年までに地層処分場の設置許可申請を提出すること、2025年には操業を開始することが示されています。
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 ==== 処分方針が決定するまでの経緯 ==== ==== 処分方針が決定するまでの経緯 ====
  
-<WRAP right 320px> +[40%{{ :hlw:fr:policy-evolution.png?300|放射性廃棄物等管理計画法成立までの流れ|
- +
-[{{:hlw:fr:policy-evolution.png?300|放射性廃棄物等管理計画法成立までの流れ|+
 <fc #080>放射性廃棄物等管理計画法成立までの流れ</fc> <fc #080>放射性廃棄物等管理計画法成立までの流れ</fc>
 }}] }}]
  
-\\ +フランスの現在の処分方針―**可逆性のある地層処分**―は、1991年に制定された放射性廃棄物管理研究法が定めた、3つの管理方策に関する15年間にわたる研究、及びそれらの研究成果の総括評価を経て決定されたものです。この法律の制定以前には、政府の主導で、当時は原子力庁(CEA、現在の原子力・代替エネルギー庁)の一部門であった放射性廃棄物管理機関(ANDRA)が4つの地域での地質調査に着手しましたが、地元の反対を受けて1990年に停止に至りました。 
-<WRAP box rss>+ 
 +<WRAP clear/> 
 + 
 +<WRAP rss right box rss 320px>
 **[1] 議会科学技術選択評価委員会(OPECST)** \\ 1983年に法律で議会内に設置されている常設委員会です。国民議会(下院)と元老院(上院)から各18名、計36名で構成されています。一定数以上の議員からの要請を受けた科学技術政策の特定テーマについて、評価委員会メンバーである議員自身が調査活動を行います。通常は、調査の過程で公聴会を開催します。調査報告書を評価委員会で諮った後、議会に提出されます。 **[1] 議会科学技術選択評価委員会(OPECST)** \\ 1983年に法律で議会内に設置されている常設委員会です。国民議会(下院)と元老院(上院)から各18名、計36名で構成されています。一定数以上の議員からの要請を受けた科学技術政策の特定テーマについて、評価委員会メンバーである議員自身が調査活動を行います。通常は、調査の過程で公聴会を開催します。調査報告書を評価委員会で諮った後、議会に提出されます。
 </WRAP> </WRAP>
-</WRAP> 
- 
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-フランスの現在の処分方針―**可逆性のある地層処分**―は、1991年に制定された放射性廃棄物管理研究法が定めた、3つの管理方策に関する15年間にわたる研究の実施、及びそれらの研究成果の総括評価を経て決定されたものです。この法律の制定以前には、政府の主導で、当時は原子力庁(CEA、現在の原子力・代替エネルギー庁)の一部門であった放射性廃棄物管理機関(ANDRA)が4つの地域での地質調査に着手しましたが、地元の反対を受けて1990年に停止に至りました。その反対運動の原因を**議会科学技術選択評価委員会(OPECST)**[1]が調査した結果を踏まえて、1991年に放射性廃棄物管理研究法が制定されました。この法律において、高レベル・長寿命放射性廃棄物の管理方策に関する3つのオプションを設定し、研究を実施することにしました。 
  
 +その反対運動の原因を**議会科学技術選択評価委員会(OPECST)**[1]が調査した結果を踏まえて、1991年に放射性廃棄物管理研究法が制定されました。この法律において、高レベル・長寿命放射性廃棄物の管理方策に関する3つのオプションを設定し、研究を実施することにしました。
  
   *長寿命の放射性核種の分離と短寿命の核種への変換を可能とする解決法   *長寿命の放射性核種の分離と短寿命の核種への変換を可能とする解決法
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-<WRAP clear></WRAP>+<WRAP clear/>
  
-<WRAP rss right 320px> 
-{{:hlw:fr:dossier2005_argile.jpg?200&nolink|Dossier 2005}}\\ 
-Dossier 2005:地層処分実現可能性研究成果報告書(ANDRA, 2005年) 
  
-/*{{:hlw:fr:dossier2005_granite.jpg?200&nolink|}}*/ +[imagebox0 30%{{ :hlw:fr:dossier2005_argile.jpg?nolink|Dossier 2005| 
-</WRAP>+Dossier 2005:地層処分実現可能性研究成果報告書(ANDRA, 2005年) 
 +}}]
  
  
hlw/fr/prologue.txt · 最終更新: 2023/05/10 17:19 by ss12955jp