諸外国での高レベル放射性廃棄物処分

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hlw:fr:chap2 [2017/05/10 13:37] – [処分の基本方針と実施計画] ss12955jphlw:fr:chap2 [2017/05/10 14:40] – [研究機関と研究体制] ss12955jp
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 ===== 地層処分対象の放射性廃棄物 ===== ===== 地層処分対象の放射性廃棄物 =====
  
-フランスでは原子力発電で発生した使用済燃料を再処理しています(使用済燃料再利用可能な資源と位置づけられています。可逆性のある地層処分の対象となる高レベル放射性廃棄物は、使用済燃料の再処理によって生じる高レベル廃液を固化したもの(ガラス固化体)です。再処理によって発生するTRU廃棄物などの長寿命中レベル放射性廃棄物も同じ処分場内の異なる区画で**併置処分**する方針です。+フランスでは原子力発電で発生した使用済燃料を再処理しており、使用済燃料再利用可能な資源と位置づけています。可逆性のある地層処分の対象となる高レベル放射性廃棄物は、使用済燃料の再処理によって生じる高レベル廃液を固化したもの(ガラス固化体)です。再処理によって発生するTRU廃棄物などの長寿命中レベル放射性廃棄物も同じ処分場内の異なる区画で**併置処分**する方針です。
  
 なお、研究炉などをもち、原子力に関する研究開発を担当している原子力・代替エネルギー庁(CEA)から発生する同種の廃棄物も、同じ処分場で処分することになっています。 なお、研究炉などをもち、原子力に関する研究開発を担当している原子力・代替エネルギー庁(CEA)から発生する同種の廃棄物も、同じ処分場で処分することになっています。
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 }}] }}]
  
-再処理等によって発生した高レベル放射性廃液は、高温で溶かされたホウケイ酸ガラスと混合され、ガラス固化体としてステンレス鋼製のキャニスタに封入されます。キャニスタ1本には、使用済燃料を約1.3トン再処理した場合に発生する高レベル放射性廃棄物が収納できます。これをさらに高さ1.3~1.6m、直径0.57~0.64m、重さ1.7~2トン、厚さ約5cmの鋼鉄製の容器(オーバーパック)に封入して処分します。ガラス固化体は、冷却のためにAREVA社(旧COGEMA社)のラ・アーグ再処理施設及び旧マルクール再処理施設(1997年に操業停止)の専用施設で貯蔵されています。+再処理等によって発生した高レベル放射性廃液は、高温で溶かされたホウケイ酸ガラスと混合され、ガラス固化体としてステンレス鋼製のキャニスタに封入されます。キャニスタ1本には、使用済燃料を約1.3トン再処理した場合に発生する高レベル放射性廃棄物が収納できます。これをさらに高さ1.3~1.6m、直径0.57~0.64m、厚さ約5cmの鋼鉄製の容器(オーバーパック)に封入して処分します。 
 + 
 +ガラス固化体は、冷却のためにAREVA社(旧COGEMA社)のラ・アーグ再処理施設及び旧マルクール再処理施設(1997年に操業停止)の専用施設で貯蔵されています。
  
  
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 ===== 処分場の概要(処分概念) ===== ===== 処分場の概要(処分概念) =====
  
-<WRAP rss right 320px> +[40%{{ :hlw:fr:emplacement-hlw.png?300|廃棄物パッケージの定置イメージ| 
-{{:hlw:fr:emplacement-c-wp.png?300&nodirect|廃棄物パッケージの定置イメージ}}\\ +<fc #080>廃棄物パッケージの定置イメージ</fc>   
-<fc #080>廃棄物パッケージの定置イメージ</fc>\\+<fs 90%>スリーブは、処分孔を力学的に支えるとともに、廃棄物パッケージの定置と回収を容易にする機能を持っています。</fs>  
 <fs 70%>source: Andra</fs> <fs 70%>source: Andra</fs>
-</WRAP>+}}]
  
 ビュール地下研究所で調査している粘土層での処分概念では、地下500mの粘土層内に処分坑道を建設し、多重バリアシステムによって廃棄物を隔離します。放射性核種を閉じ込めるために、次の3つのバリアからなる多重バリアシステムが考えられています。 ビュール地下研究所で調査している粘土層での処分概念では、地下500mの粘土層内に処分坑道を建設し、多重バリアシステムによって廃棄物を隔離します。放射性核種を閉じ込めるために、次の3つのバリアからなる多重バリアシステムが考えられています。
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   * 天然バリア(サイトの地質学的環境特性)   * 天然バリア(サイトの地質学的環境特性)
  
-処分場の地下施設は、高レベル放射性廃棄物の処分エリア、長寿命中レベル放射性廃棄物の処分エリアに区分されています。さらに各処分エリアで行われる建設作業や廃棄物定置作業の範囲を分けるために細分化し、処分区域が設けられます。 
  
-地層処分場は、規制当局が定めた安全指針に沿う形で、以下に示すカテゴリーC及びカテゴーB呼ばれている放射性廃棄物処分するようにています。+処分場の地部分は、高レベル放射性廃棄物の処分エ長寿命中レベル放射性廃棄物処分エリアが設けられま。 
 +地下での建作業や廃棄物定置作業の範囲分けるたに各処分エリアを細分化し、処分区域が設けられます。
  
-  * 高レベル放射性廃棄(カテゴーC) +処分場の地上施設は、作業員の移動や資の搬送用の立坑入口を配置するエアと、廃棄物を地下に搬入する斜坑入口を配置するエアに分けられています。
-  * 長寿命中レベル放射性廃棄物(カテゴーB)+
  
  
-<WRAP clear></WRAP> +[{{ :hlw:fr:repository-3dview.png?640 |処分場の概念図| 
- +<fc #080>フランスにおける処分場の概念図</fc>   
-<WRAP rss> +<fs 90%>※地上施設1 には作業員や物資等の輸送用立坑が、地上施設2 には廃棄物輸送用の 
-{{:hlw:fr:repository-view.png?720&nolink|処分場の概念図}}\\ +斜坑を配置することが検討されている。</fs>  
-<fc #080>フランスにおける処分場の概念図</fc>\\+
 <fs 70%>source: ANDRA</fs> <fs 70%>source: ANDRA</fs>
-</WRAP> +}}]
- +
- +
-<WRAP clear></WRAP>+
  
 +<WRAP clear/>
 +\\
 ==== 処分場の建設予定地の地質構造 ==== ==== 処分場の建設予定地の地質構造 ====
  
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 <WRAP rss box right 320px> <WRAP rss box right 320px>
-**[2] 放射性廃棄物等の管理に関する国家計画(PNGMDR)**\\ 2006年の「放射性廃棄物等管理計画法」に基づき、3年毎に政府が策定します。現在有効なものは20134月に策定されたもの-20132015年の計画-です。高レベル放射性廃棄物だけでなく、すべての種類の放射性廃棄物の管理対策を議論しています。+**[2] 放射性廃棄物等の管理に関する国家計画(PNGMDR)**\\ 2006年の「放射性廃棄物等管理計画法」に基づき、3年毎に政府が策定します。現在有効なものは20172月に策定されたもの-20162018年の計画-です。高レベル放射性廃棄物だけでなく、すべての種類の放射性廃棄物の管理対策を議論しています。
  
- {{:hlw:fr:pngmdr-2013-image.png?150&nolink|}}+ {{:hlw:fr:pngmdr-2016-2018_thumb.png?150&nolink|Le Plan national de gestion des matières et des déchets radioactifs (PNGMDR)}}
 </WRAP> </WRAP>
  
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 ===== 研究機関と研究体制 ===== ===== 研究機関と研究体制 =====
  
-<WRAP rss right 320px> +[{{ :hlw:fr:vue_aerienne_du_labo.jpg?300|ビュール地下研究所の概観| 
-{{:hlw:fr:vue_aerienne_du_labo.jpg?300&nodirect|ビュール地下研究所の概観}}\\ +<fc #080>ビュール地下研究所の概観</fc>   
-<fc #080>ビュール地下研究所の概観</fc>\\ +<fs 90%>国際研究の場としても利用されています。</fs>  
-<fs 90%>国際研究の場としても利用されています。</fs>\\+
 <fs 70%>source: ANDRA</fs> <fs 70%>source: ANDRA</fs>
-</WRAP> +}}]
  
 高レベル放射性廃棄物及び長寿命中レベル放射性廃棄物の地層処分については、放射性廃棄物管理機関(ANDRA)が中心となって、原子力・代替エネルギー庁(CEA)、地質・鉱山研究所(BRGM)等の研究機関と協力しつつ、研究開発計画を作成し、実施しています。また、花崗岩を地質媒体とする地層処分については、スウェーデン、スイス、カナダ等と国際協力による研究開発も進められてきました。 高レベル放射性廃棄物及び長寿命中レベル放射性廃棄物の地層処分については、放射性廃棄物管理機関(ANDRA)が中心となって、原子力・代替エネルギー庁(CEA)、地質・鉱山研究所(BRGM)等の研究機関と協力しつつ、研究開発計画を作成し、実施しています。また、花崗岩を地質媒体とする地層処分については、スウェーデン、スイス、カナダ等と国際協力による研究開発も進められてきました。
  
  
-<WRAP clear></WRAP>+<WRAP clear/>
  
 ===== 研究計画 ===== ===== 研究計画 =====
hlw/fr/chap2.txt · 最終更新: 2017/10/27 18:54 by 127.0.0.1